子どもたちにも大人気の「キリン博士」こと、解剖学者である郡司芽久さんによる『キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化』。
ユニークな進化の話である本作は、9月28日の発売以降「日経新聞」、「毎日新聞」、「週刊プレイボーイ」、「週刊エコノミスト」、「日刊ゲンダイ」、「好書好日」、「まいどなニュース」、TBSラジオ「アシタノカレッジ」、bayFM「ザ・フリントストーン」、FMヨコハマ「Sunday Good Vibes!!」……等、多数メディアで紹介されてきました。
器官の「比較」を通して動物の体に刻まれた進化の謎をひも解くというテーマが多くの人の関心を集め、増刷・3刷が決定しました! 今後もさらなるメディアへの露出が予定されています。
- 話題となった「帯」コピーの由来とは?
生物の進化に関する研究をしていると、おもわず「進化って、すごい!」といいたくなってしまうようなときがある。(中略)その一方で、「こんな感じでいいの……?」と思ってしまうような進化のかたちも、世の中にはいくつも存在している。反芻ができないゾウやウマは、食べた植物の大部分を未消化のまま排泄してしまうし、シカのオスがもつ立派な角は、毎年落ちてなくなってしまうので、春が来るたびに新たに生やさなくてはならない。本書では、こうした「非合理的に見える進化」を多々紹介してきた。
これらは、ときには〝ざんねん〞と評されてしまうのかもしれない。「反芻すれば、栄養を無駄なく吸収することができるのに」「角を落とさず生えたままにしておけば、カルシウムを無駄にすることはないのに」……。人間目線で見ると、ついそんなふうにいいたくなってしまう。それでも、そんな進化を遂げた動物たちを、私は心から愛おしく思う。
そこにはたしかに、自然界のおおらかさが存在しているからだ。いちばんではなくても、効率的ではなくても、その動物自身が生きている世界でなんとかやっていけるのならば(つまり自分の遺伝子を引き継ぐ子孫を残すことができるならば)、それでいいのだ。誰かに〝ざんねん〞などといわれる筋合いはどこにもない。
(「第10章 進化とは妥協点を探ること」より引用)
環境の中で折り合いをつけて生き延び、進化してきた生物。その進化は「前より良くなる」、「勝ち抜く」という単純な思想ではなく、「そこに優劣はない」という郡司さんの言葉には生き物に対する敬意を感じられます。
- 著者情報
郡司芽久(ぐんじ・めぐ)
東洋大学生命科学部生命科学科助教。1989 年生まれ。2017 年3 月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了し博士(農学)を取得。同年4 月より日本学術振興会特別研究員PD として国立科学博物館に勤務後、筑波大学システム情報系研究員を経て2021 年4 月より現職。専門は解剖学・形態学。第7 回日本学術振興会育志賞を受賞。著書に『キリン解剖記』(ナツメ社)。
- 商品情報
書名:『キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化』
著者:郡司芽久
出版社:NHK出版
発売日:2022年9月28日
定価:1,650円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:224ページ
ISBN:978-4-14-081917-3
URL→https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819172022.html
Amazon→https://www.amazon.co.jp/dp/4140819170
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