「触覚とアート」トーク&ワークショップ シリーズ 開催のお知らせ

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クリエイティブ・アート実行委員会は、2019年度から文化庁の委託事業として「多様性を育むダンス&美術プロジェクト」を継続しています。その一環として昨年も好評を博した「触覚とアート」をテーマにしたトーク&ワークショップイベントの第三弾を開催します。今回は、「生命と触覚」、「さわる美術鑑賞について」の二つのプログラムを2023年2月に3331 Arts Chiodaで開催します。(*オンライン配信有)。この「触覚とアート」のプログラムでは、視覚に障害がある方のご参加も積極的に呼びかけています。ぜひご参加ください。

触覚とアート ワークショップ&トーク・シリーズ

美術は視覚のみで鑑賞するものでしょうか。
「触覚とアート」ワークショップ&トーク・シリーズは、視覚が優位にある現代社会において、触覚を起点に世界を捉え探求する機会を創出していく取り組みです。各分野の専門家とのトークや美術家によるワークショップを通して、触覚を意識した作品制作や鑑賞の意義を考え深めていきます。触覚、生命、テクノロジー、アートにまつわる分野の第一線で活躍されている方々をゲストに迎え、多彩なトークやミニ・ワークショップを展開します。

1、【生命と触覚 ワークショップ&トーク】
福岡伸一(生物学者・青山学院大学教授) × 渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 上席特別研究員)

日時:2023年2月5日(日) 13:30-16:30  
会場:アーツ千代田3331 B104号室
参加費:会場参加/晴眼者2,500円(晴眼者の現地参加申込みは締め切りました)、視覚に障害がいのある方1,000円
オンライン配信/晴眼者1,500円、視覚に障がいのある方は無料 

申し込み方法 Peatixからお申し込みください。https://peatix.com/event/3457452

生命現象を動的平衡として捉える生物学者の福岡伸一氏と、テクノロジーによって触覚を共有する研究をしている渡邊淳司氏のお二人が、「生命」という大きな視点から触覚を読み解いていきます。また、渡邊氏らが開発した「触覚をテーマにした体験装置」を使ったミニ・ワークショップを行います。≪心臓ピクニック≫では、自身の鼓動と同期して振動する小型の箱を手の上に持ち、自身の生命の働きを触覚を通じて感じ取ったり、他の人と名刺を交換する前に鼓動を交換する体験を行います。また、≪触覚伝話≫では、映像や音声に加えて、振動を遠隔の人に伝えることで、触覚が生み出す新たなコミュニケーションの可能性について考えていきます。

2、【さわる美術鑑賞について  ワークショップ&トーク】
西村陽平(美術家、日本女子大学名誉教授)× 光島貴之(美術家、鍼灸師)×保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター・館長)

日時:2023年2月25日(土)13:30-16:30
会場:アーツ千代田3331 B106号室
参加費:会場参加/晴眼者2,500円、視覚に障害がいのある方1,000円
オンライン配信/晴眼者1,500円、視覚に障がいのある方は無料 オンライン配信あり

申し込み方法 Peatixからお申し込みください。https://peatix.com/event/3457454

近年さわる鑑賞活動も増えてきていますが、美術作品にふれる行為は視覚で捉えられること以外に作品鑑賞にどのような影響を与えるのでしょうか。視覚以外の感覚を頼りに、手でみる美術鑑賞についてディスカッションしていきます。
長年、視覚に障がいのある方々とのワークショップを牽引してきた西村陽平氏によるミニワークショップを実施します。トークでは、美術家としても国際的に活躍する西村氏と、視覚に障がいがあるアーティストとして発表を続ける光島貴之氏、そして2021年より滋賀県立美術館ディレクター(館長)に就任した、鑑賞を含む障がい者芸術文化活動に造詣の深い保坂健二朗氏によるクロストークを行います。

■登壇者プロフィール

福岡伸一 Shin-Ichi Fukuoka (生物学者・青山学院大学教授)
1959年東京生まれ。青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。大阪・関西万博(EXPO 2025)テーマ事業「いのちを知る」プロデューサー。サントリー学芸賞を受賞し、88万部を超えるベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)や『動的平衡』(木楽舎)など、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。また、大のフェルメール好きとしても知られる。近刊に『生命海流GALAPAGOS』(朝日出版)、『ゆく川の流れは、動的平衡』(朝日新聞出版)など。

 

渡邊淳司 Junji Watanabe (NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 上席特別研究員)
1976年生まれ。人間の触覚のメカニズム、コミュニケーションに関する研究を人間情報科学の視点から行う。また、人と人との共感や信頼を醸成し、ウェルビーイングな社会を実現する方法論について探究している。主著に『情報を生み出す触覚の知性』(化学同人、2014、毎日出版文化賞〈自然科学部門〉受賞)、『表現する認知科学』(新曜社、2020)、『情報環世界』(共著、NTT出版、2019)、『見えないスポーツ図鑑』(共著、晶文社、2020)、『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』(共監修・編著、ビー・エヌ・エヌ、2020)がある。
 

西村陽平 Yohei Nishimura (美術家・日本女子大学名誉教授)
1947年京都市生まれ。東京教育大学教育学部芸術学科卒業。焼成のプロセスを通じて素材の違いを際立たせる作品を国内外で発表した展覧会多数。視覚や触覚、聴覚などの感覚をテーマにした自身の作品制作とともに障がいのある方々や様々な人々の造形活動にも関わりワークショップを多数開催している。1977年には日本陶芸展において外務大臣賞受賞。2018年3月まで日本女子大学児童学科教授。2022年令和4年度文化庁長官表彰 受賞。
 

光島貴之 Takayuki Mitsushima (美術家・鍼灸師)
1954年京都生まれ、在住。10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。1998年、「’98 アート パラリンピック長野」大賞・銀賞を受賞。他作家とコラボレーションした「触覚連画」の制作や、2012年より「触覚コラージュ」といった新たな表現手法を探求している。
 

保坂健二朗 Kenjiro Hosaka (滋賀県立美術館 ディレクター・館長)
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了後、2000年より20年まで東京国立近代美術館に学芸員として勤務、2021年より現職。企画した主な展覧会に「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「人間の才能 生みだすこと生きること」(2022年)など。主な著作に『アール・ブリュットアート 日本』(監修、平凡社、2013年)など。文化庁および厚生労働省の障害者文化芸術活動推進有識者会議委員や文化庁文化審議会文化経済部会アート振興ワーキンググループ委員なども務める。

【関連プログラム】
鑑賞ワークショップ 
ファシリテーター:保坂健二朗(滋賀県立美術ディレクター ・館長)

さわって鑑賞する黒川弘毅作品 @ コバヤシ画廊
立ち現れてくるものの実在性や物質性、そして触覚に対する思索を巡らせながら制作を続けてきた黒川弘毅氏の作品を、さわって鑑賞します。

開催日:2023年2月19日(日) 13:30-16:00
会場:コバヤシ画廊 (東京都中央区銀座3丁目8-12)
参加費:晴眼者 2,000円、視覚に障害がいのある方 1,000円
定員:7〜8名

文化庁委託事業
「令和4年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
主催:文化庁 クリエイティブ・アート実行委員会

【お申込・お問合せ】
クリエイティブ・アート実行委員会  事務局
〒107-0052 東京都港区赤坂6-2-5-201
TEL:03-6426-5182 FAX :03-6426-5183
E-mail:MuseKK@aol.com
URL:https://muse-creative-kyo.com
 

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