次世代のメガテック企業、感情認識AIを提供するOlive株式会社

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Olive株式会社 CEOインタビュー

人の感情を可視化と聞くと、恐らく最初の印象は「え?」から始まり、次に「ビジネスに活用できるの?何に活用するの?」と疑問に思うかも知れません。Oliveは今となっては数多くの市場・業種・顧客に利用されていますが、お客様の最初の印象もまさにそれでした。ただ、弊社のサービス内容の説明を始めると、もの凄く関心を示して頂けます。

                                                先日行われたあるイベントでの登壇風景

人の感情を可視化する事は実は新しい取組みではなく、人間の長い歴史の中で古くから研究されており、部分的に活用された経緯もあります。それは、人の抱いている感情を知りたい、お客様の気持ちをより良く把握したい、従業員、生徒、患者などの気持ちを理解したいと言う欲求が必ずあり、Oliveではそれを可能にしています。しかも、感情の見える化に留まらずに、活用の道筋を顧客に示唆することで、我々のサービスが普及してきた訳です。

インタビューアー質問:感情の可視化はどのように実現しているか教えて下さい。

非常にシンプルな形で導入できる仕組みを構築しています。Oliveでは感情を可視化するAIアルゴリズムを組んでおり、クラウド上で運用しているプラットフォームLa Causeを通じて行います。具体的には、人の生体反応から感情推定を行った上で顧客へアウトプットしますが、ここでポイントは生体反応を測る際にユーザーにデバイスの様なものを装着してもらわない(非接触)、つまり計測されていることを意識させずに自然な状態で生体反応の計測から感情推定を行うことが可能で、且つとても大事になります。非接触で生体反応を測るデバイスは、例えばパソコン・タブレット・携帯などに付いているカメラで実現可能なので、新たなインフラ投資は基本的には必要なく、且つLa Causeによる分析・解析・アウトプットもパソコンや携帯に出力可能なので、とても簡単に出来ます。

インタビューアー質問:どんな感情でも可視化できるものですか?

我々が可視化しているものは所謂人間の感情と呼ばれる喜怒哀楽を始め、快・不快、集中・覚醒、眠気、興味、関心など多岐に渡ります。なので正確には感情の可視化というより “人の状態の可視化(データ化)” というのが、弊社が行なっている事となります。基本的には人の感情・状態と生体反応は相関を持つ為、可視化出来る対象に限度はないと考えていますが、La Causeを新規顧客に展開する前に、我々として必ずお客様が特定したい感情を明確にした上で展開するようにします。例えば、上映作品で観客の「幸福度」を見える化したい要望があった場合、幸せの定義は十人十色です。笑っている状態、リラックス状態、満腹の状態、ストレスの無い状態、達成感のある状態など、全て幸福度でキャッチできるとも考えられるので、La Causeのアウトプットを十分有効活用できるように我々としては、まず定義の確認を行い、必要に応じて対象感情を抽出できるようにアルゴリズムを調整した上で展開するようにしています。

インタビューアー質問:具体的なイメージを持つために、どのような事例がありますか?

Oliveは現在、複数の市場・業種・顧客に渡ってサービス提供を行っています。今月号から数えて計6回、PR Times様で記事を掲載頂けることになりましたので、個別事例はその時に具体的に話したいと思いますが、ここでは一先ず幾つかの概要を紹介したいと思います。まず、オフィスに於いて感情を可視化した際、従業員の「集中力」が高く継続できる仕事内容や仕事環境が可視化されます。これによって、その従業員の生産性を上げる工夫が施し易くなり、しかも「(業務中の自然な状態の)ストレス」を可視化することで業務環境下で実際に感じているストレスの軽減措置も導入し易くなります。結果的に、その従業員が高い生産性で満足の行く形で労働パフォーマンスを出せれば、退職リスクの軽減にもつながります。転職活動がし易くなった今日に於いて、貴重な従業員の退職リスクを下げる事が出来れば、そのリプレースメントコストとしての採用費、教育費、教育時間などを節約できるのでメリットの多い取組みです。

教育事例では、小中高など教育の現場でLa Causeを活用することで、生徒の「興味・関心」や「ストレス」を可視化し、先生からすると、成績には表れない子供の興味・関心を見つけてあげたり、悩んでいる生徒への声掛けのきっかけに繋がることで生徒さんに適宜フォローする事が可能となり、学校生活の充実や学力の底上げにつながる取組みとなります。

小売り事例では、店舗でLa Causeを活用することで、来店顧客の商品に対する「関心」がリアルタイムに見える化されるので、商品に対するマーケティングデータの収集に繋がるのみならず、店舗店員による声掛けからの購買成功率の向上、或いは商品に対するディスプレイの仕方、説明の仕方など適宜改善することが可能になるので、Oliveが提供するこのリアルタイムの付加価値は、何百・何千のアンケート以上の価値があると考えています。

インタビューアー質問:本当に凄い広がりを予感させますね。どれ程のポテンシャルがあると考えています?

世の中で感情の可視化事業を展開している会社はまだ数える程しかなく、日本では更に数が少ないです。その中で、表情・音声・テキスト分析を通じて感情の可視化を行う会社が多いですが、Oliveみたいに生体反応から感情の可視化事業を展開し、顧客と伴走する形でビジネス展開する会社は極めて少ないです。ただ、感情認識技術を使う世の中は必ず到来すると考えており、その中でも恣意性の働かない生体反応に基づく感情の可視化方法がメインストリームに躍り出るのでは?と考えているので、果てしない広がりですよね。

定量的な話しをすると、感情認識技術はざっくり今後5-10年の間に10兆円市場に成長すると言われていますが、そのレベルで終わらないと思います。と言うのも、人間が介在する分野であれば、この技術の果たせる役割がある訳で、人間のいるマーケットサイズって巨額過ぎて計算できないですよね(笑)。定性的な話しをすると、この技術の登用は徐々に広がっている訳ですが、何事においても先行しがちな米国市場を例にとると、感情認識技術の活用は「Game Changerになる」、「企業はかつてない程のオポチュニティーに巡り合う」などと謳う記事が数多く出ています。個別事例として、従業員向け、リクルーティング向け、メディア向け、教育向け、マーケティング向け、自動車向け、小売り向け、ヘルスケア向けの活用例が日に日に増加しています。しかも、活用方法は健康経営や教育改革、高齢化問題、ウィズコロナなど社会課題への対応策としても使われるので、導入ロジックは幾らでも描けます。また、流行りのDX観点でも有効活用頂けます。と言うのも、我々の取組みは「感情」をDXのデータとして使えるレベルにまで引き上げており、顧客企業のビジネス活動に於いて、感情DXと言う、新たなtouch pointの創出を可能にしています。

こうして色々な角度から見ても、Oliveポテンシャル、及び感情認識AI技術のポテンシャルは計り知れないものがあります。我々が思うに、一定数以上の導入が進むと、社会的認知が一気に爆発し、いわゆるシンギュラリティを超える現象を迎え、当たり前のように普及する世の中が訪れるのでは、と考えています。

インタビューアー質問:包括的に事業紹介を頂き、ありがとうございます。最後にメッセージなどあれば、お願いします。

ご存じの通り、人は頭で考えた理由のみならず、感情で行動を起こす場面が多々あります。そこで、「感情を読み取った上で行動を促せたら?」と考えてみて下さい。この感情に基づくレコメンドは、それだけで人の気持ちをくすぶるものがあります。それを世のため、人のために展開し、これを通じて我々は次世代のGoogle/Amazon的存在を目指しておりますので、引き続きご支援を頂ければ嬉しいです。また、積極的に人材採用(営業、エンジニア、コーポレート)も行っておりますので、ビジネスや採用のお問い合わせがあれば是非「Olive 感情」と検索頂き、ウェブサイトへお問い合わせください。ありがとうございました。
 

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