2022年5月に開催されたQUAD首脳会議において、気候変動対策における実践的な協力を一層推進するための方策として、QUAD気候変動適応・緩和パッケージ(Q-CHAMP)(注1)が発足しました。今回の国際ワークショップは、このQ-CHAMPの枠組みの下、脱炭素燃料であるアンモニアに係る4カ国の戦略や概況を紹介するとともに、プロジェクトを実施する実務者間で具体的な課題及び展望を共有し、アンモニアバリューチェーンの構築に向けた課題の解決に必要な取り組み・連携について議論することを目的に行われました。
多くの方に興味をお寄せいただき、QUAD各国から約500名のオンライン参加登録をいただきました。各国の政府関係者、企業、業界団体より合計18件の講演を行い、3件のパネルディスカッションを通じてアンモニア生産国と消費国との国際的な連携とアンモニアバリューチェーンの構築を進展させるべく貴重な意見交換がなされました。
JOGMECは引き続き、アンモニアおよび水素等の脱炭素燃料事業支援を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
(注1)気候変動における日米豪印協力 「日米豪印 気候変動適応・緩和パッケージ(Q-CHAMP)」概要(外務省ホームページ)
(URL)https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100347887.pdf
【ワークショップの議事概要】
■オープニングセッション
登壇者 | 経済産業省、JOGMEC、米国/エネルギー省(DOE)、豪州/気候変動・エネルギー・環境・水省(DCCEEW)、 インド/新エネルギー・再生エネルギー省(MNRE) |
内容 | QUAD各国より、水素及びそれに含まれるアンモニアに係る政策、戦略の方向性が紹介された。アンモニア活用の促進、投資促進に向けた金融支援、サプライチェーン構築のための調査・検討状況が共有された。 |
■Demand and R&Dセッション
登壇者 | JOGMEC、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、株式会社JERA、Adani Group、 一般財団法人日本エネルギー経済研究所(IEEJ) |
内容 | アンモニア需要予測と需要拡大に向けた技術開発状況、日本およびインドの混焼発電事業計画等が紹介された。需要の拡大、価格・コストの低下に寄与する速やかな技術開発の必要性や、国際的な技術協力の利点について言及された。 |
■Ammonia Value Chainセッション
議題(1) Clean ammonia value chain
登壇者 | JOGMEC、三井物産株式会社、三菱商事株式会社、Woodside Energy Group Ltd、Mitsui E&P Australia Pty Ltd、Denbury Inc. |
内容 | 供給サイドとして、米国・豪州の具体的プロジェクトの現状における課題や、先駆的プロジェクトへのインセンティブの必要性など示唆に富んだ要望が示された。 |
課題(2) GHG emission and measurement of Carbon Intensity
登壇者 | JOGMEC、一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会 (CFAA)、米国/アンモニアエネルギー協会(AEA)、豪州/DCCEEW |
内容 | 各組織からアンモニア生産におけるGHG排出量算定や認証制度に関する考え方が紹介された。投資の促進に向けて、国際的に整合的な算定方法の必要性や、有用な制度設計、トラッキングに不可欠な産業界の協力について言及があった。豪州政府、AEA、CFAA、JOGMECにて、国際的な認証制度に係る連携のため議論を継続することが約束された。 |
詳細は下記特設サイトをご覧ください。講演資料(一部)も掲載しています。
(URL)https://quad-ws.jogmec.go.jp/
なお、2022年12月16日以降は、下記のJOGMECサイトのイベントページに講演資料(一部)を掲載いたしますので、こちらをご確認ください。
(URL)https://www.jogmec.go.jp/news/event/event_k_10_00061.html
リリース本文はこちら↓
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_08_00029.html?mid=pr_221208