日本での難民認定率が低い中でも、日々、日本にたどり着く難民は存在します。正当な背景と理由を持つ難民が、適切に認定される制度に改善されていくことはもちろん重要です。同時に、政府による受け入れを補完する、難民の受け入れの道筋として、「Complementary Pathway(補完的受け入れ)」という考え方が国際社会では広まっています。国連総会で2018年に採択された「難民に関するグローバル・コンパクト」においても推奨されています。その道筋の1つが「就労によるホスト社会への受け入れ」です。
そのような社会背景のもと、WELgeeは「就労」を1つの手段として着目し、日本での自立・活躍を通した人生の再建の道筋を作ってきました。
これまでに20名以上の難民人材が専門性を活かして企業で一歩を踏み出し、スタートアップから5,000名以上の大手上場企業、医療メーカーからコンサルティング企業まで、多種多様な業界や企業規模で難民の活躍が実現しています。また、雇用を通じた*在留資格変更数は2桁を超えました。「就労」を通じた経済的、社会的、法的な生活安定が、日本でも可能だと立証されてきました。
*難民認定を待つための在留資格「特別活動」から、専門性を活かして働く在留資格「技術・人文知識・国際業務」への切り替えを指します。
2023年9月13日、WELgeeはさらに就労のルートを拡充させるべく、これまで3年間運営してきた難民特化の伴走型人材紹介サービス「JobCopass」を「WELgee Talents(ウェルジータレンツ) – 世界の難民と、世界へ挑む。- 」に改め、サービスページを全面的にリニューアルいたしました。
サービスのリニューアルは、より企業を巻き込み、補完的受け入れを拡充させていくことを狙いとしています。また「難民は決して”難しい”存在ではなく、ともに未来を築きうる仲間である」というWELgeeが設立以来大切にしてきた価値観を体現する本リブランディングは、発表以来多くの方に着目していただいています。
今回のメディア勉強会では、WELgeeが難民の「就労」に着目して事業を行う背景と課題、本リブランディングの背景・伝えたいメッセージや、難民人材が組織・社会にもたらすインパクトについて共有し、改めて偏見の強い”難民”という存在を社会にどのように伝えていくべきか、皆様と模索する機会といたします。本セッションでは、WELgeeが参考にし、交流を続けてきた就労を通じての難民の社会統合に取り組む海外の団体の事例なども共有いたします。
<オンライン記者向け勉強会概要>
開催日時:2023年10月26日(木)13:00 〜 14:30(zoom 12:50 〜 入場可能)
開催方法:Zoomを利用したオンライン開催
参加方法:以下申し込みフォームよりご登録ください
※ 本勉強会のお申込みは、参加者同士の心理的安全性確保のためにもメディア関係者に限ります
※ 本勉強会は Zoomを活用したオンライン開催となります。
登録完了後に、アクセス方法などを記載したメールをお送りいたします。
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タイムテーブル(予定)
13:00 〜 (5min)
開会・当日のアジェンダ説明
13:05 〜 (20min)
「(仮)今回のリブランディングへの背景や経緯」 NPO法人WELgee 林将平
13:30 〜 (20min)
「(仮)クリエイティブの観点で初めて難民問題に携わる中で見えた可能性と課題」 ブランドディレクター・デザイナー 高野菜々子
13:50 〜(35min)
参加者との対話セッション
参加者の皆さまからのご質問に対し、登壇者がお答えします。
14:20〜 (10min)
閉会・今後の関わり方について
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登壇者
スピーカー:高野 菜々子(ブランドディレクター・デザイナー)
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスを卒業後、株式会社ビズリーチにてフロントエンドエンジニア/UI・UXデザイン、株式会社シフトブレインにてブランディング・WEBデザインの経験を積む。現在は独立し、大小様々な企業で、上流のサービス設計/ブランディングから、
下流のUIデザイン/ウェブデザインまで一気通貫で手がける。クライアントとの距離の近さが自慢。
スピーカー:林 将平(NPO法人WELgee エンゲージメント推進部 統括)
1995年東京生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。スウェーデンへの交換留学がきっかけで難民問題に関心をも持つ。その後、同年代の難民の人々と共に暮らす中で、日本社会の中で埋もれてしまっている彼らの可能性を伝えることをミッションに、2018年1月にWELgeeに入職。WELgeeでは広報・マーケティング・ファンドレイジングの業務を主に担当している。
モデレーター:渡部カンコロンゴ 清花(NPO法人WELgee 代表理事)
静岡県浜松市出身。日本に来た難民の活躍機会を作り出すNPO法人WELgee 代表。様々な背景を持つ子ども・若者が出入りする実家で育つ。大学時代はバングラデシュの紛争地にてNGOの駐在員・国連開発計画(UNDP)インターンとして平和構築プロジェクトに参画。 2016年に日本に逃れてきた難民の仲間たちとWELgeeを設立。グローバル・コンソーシアムINCO主催『Woman Entrepreneur of the Year Award 2018』グランプリ。Forbes 30 under 30のJapan / Asia 選出。東京大学大学院 総合文化研究科・人間の安全保障プログラム 修士課程修了。Global Shapers Tokyo hub所属。トビタテ!留学JAPAN一期。
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NPO法人WELgeeとは?
紛争・迫害などから逃れ日本にやってきた難民の方々が、経験や専門性を活かして希望を持って日本で人生を再建するための就労プログラムを展開しています。難民人材と日本企業をつなぐキャリアコーディネーションサービス「WELgee Talents」、キャリア教育やメンターシップ、スキル開発などの機会を提供する「育成事業」、一人ひとりが持つスキルや経験を、日本社会の様々なアクターの課題解決に活かし新しい価値を創造する「共創事業」を運営。
◎難民の定義
難民とは「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」(出典:UNHCR『難民の地位に関する条約』『難民の地位に関する議定書』)を指します。 近年、UNHCRのガイドラインなどによって国際慣習では、紛争・ジェンダー・気候変動での強制移住をせざるを得なくなった人々についても難民として保護する流れが主流になっています。
◎WELgeeの「難民」の考え方
難民が生じる背景や社会情勢が多様化・複雑化する中で、従来の難民の定義にとどまらない多くの人々が、祖国を追われる状態に置かれています。WELgeeは、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・難民認定申請者・後発的難民(帰国困難な状態にある元留学生等)・避難民なども含んでいます。
◎WELgee活動のスタンス
WELgeeは「難民」を保護対象としてのみならず、一人ひとりが志や経験をもった個人として捉えています。政府による難民認定だけをゴールにするのではなく、難民の人生の再建の選択肢を増やす取り組みを行っています。