(連携協定に至る背景)
新型コロナウイルス感染症により人々の行動や生活様式が変化し、これまで当社が提供してきた安全安心な鉄道・バス・観光事業は大きな打撃を受けました。同時に、コロナ禍がいまだに収束する気配を見せない状況下では、人の移動が減少することで実商売を運営している方々の疲弊が長期化しており、このままでは当社沿線の地域産業が衰退しかねないと懸念しております。
また、地球温暖化の影響は海水温の上昇による水産資源の変化や台風・大雨といった形で当社沿線にも現れており、カーボンニュートラルやSDGsなどの取り組みをさらに推進する必要があります。
当社が湘南藤沢鎌倉地域で今後も持続的に成長していくためには、こうした様々な地域課題を解決する新たな取り組みが必要であり、その中でも「移」・「食」・「住」をテーマとした事業の可能性を模索していたところ、環境負荷の少ない循環型農業であるアクアポニックスという仕組みを知り、今般事業化に向けた検討に着手することといたしました。
検討にあたっては、アクアポニックスに関する豊富な実績と知見を保有している株式会社アクポニと連携することで、当社事業における実現可能性に向けて加速することが期待できることから、本日連携協定を締結する運びとなりました。
当社は、アクアポニックスという新しい取り組みを通じて地域課題を解決し、今後も事業エリアである湘南藤沢鎌倉に新しい価値を創造してまいります。
(連携協定の内容)
連携協定の主な内容は以下の通りです。
・アクアポニックスの普及に関する協力
・アクアポニックスに関する共同調査・研究に関する協力
・アクアポニックスのビジネスモデル・事業化に関する実践の場の提供協力
(具体的施策)
連携に伴う具体的施策の第一弾として、多くのお客様が乗降される江ノ島駅構内において、株式会社アクポニの監修を得たアクアポニックス施設を設置し、本年3月中の本稼働を目指します。まずは魚(ティラピア)と葉物野菜(レタス等)を育てながら、アクアポニックスを知っていただくことを主眼としたプロモーションを行うとともに、生産物を地域に提供するなどの事業可能性を検証してまいります。
アクアポニックスのイメージ(写真:株式会社アクポニ提供)
(将来像)
今後につきましては、生産できる魚や野菜の品目を増やしていくとともに、加工品等の6次化だけでなく、海水を活用したアクアポニックスにも挑戦する予定です。また、既に展開されているアクアポニックス施設との連携はもとより、地域にも環境に優しいアクアポニックスを広め、エシカルな暮らしを後押しすることで地域価値向上を目指し、ひいては当社が持続的に事業を営むことができる体制を構築していきたいと考えております。
<江ノ島電鉄株式会社 代表取締役 楢井進のコメント>
コロナ禍で当社も地域も打撃を受けましたが、SDGsの達成に寄与できるアクアポニックスに対して新たな可能性を感じています。既に藤沢市で農場を展開している株式会社アクポニと連携して事業化を目指し、当社沿線である湘南藤沢鎌倉の地域価値向上を目指して取り組んでまいります。
<株式会社アクポニ 代表取締役 濱田健吾様のコメント>
アクアポニックスは単なる生産手段ではなく、「関わる人が嬉しくなる」「場づくりができる」ことが最大の魅力です。地域の観光や地産地消、資源やエネルギーの効率的利用に組み入れることで大きな価値を生み出します。神奈川県藤沢市には弊社農園もありますので、地域活性化につながるよう、一緒に盛り上げていきたいと思います。
(江ノ島電鉄がアクアポニックスで目指すイメージ)
江ノ島電鉄株式会社について
所在地 :〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸1-8-16
設立 :1900年11月25日(前身:江之島電気鉄道株式会社)
代表取締役:楢井 進
URL :https://www.enoden.co.jp/
事業概要 :鉄道業、自動車業、観光業、不動産業、マイクロモビリティ業
株式会社アクポニについて
所在地 :〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F
設立 :2014年4月2日
代表取締役:濱田健吾
URL :https://aquaponics.co.jp
事業概要 :アクアポニックス農場の導入支援/運用支援