ケアプラン設計には、ケアマネージャー、ヘルパー、理学療法士、作業療法士などの方々が関わり作成することが一般的です。保険外サービスの選択は個人に委ねられている事や、美容はレクリエーションの一環として捉えられていることもあり、ケアプランへの記載がされることはありませんでした。定期的な美容の提供が、個人の暮らしにどう変化を与えるのかなど、サービス担当者会議にケアビューティストが参加し協議するという今回の機会は、介護業界・美容業界、双方にとって大きな一歩となると考えています。
- 導入の背景
当社の運営する介護美容研究所では、受講生の卒業課題として、実際の施設で高齢者の方に美容を提供し、個人の変化や経過観察を行い、発表する「アセスメントプロジェクト」を実施しております。ここ数年はコロナ禍の影響により、介護施設への立ち入りを制限せざるを得ない状態となっている中、当社講師のお母様にご協力いただけることとなり、実施の機会を得ることになりました。施術後のご本人の変化に、ご家族から大変ご好評をいただき、継続して受けたいとのご希望を受け、今回ケアビューティストのケアプラン導入に繋がりました。当社としましても今回の導入を始めとして、これからの介護業界の中で認められ、当たり前のケアの一つとして受け入れられるよう、最大限のサポートを行ってまいります。
- ご家族からのコメント 上地様
コロナ禍での卒業課題の実施が難しくなり、「だったら、私の母に施術してもらえませんか?」というお話をして、施術していただきました。始まってから驚いたのは、娘の私でも知らないような情報をケアビューティストの皆さんが引き出していたり、家で寝て過ごすことが多かった母が、化粧やネイルをしていただくことで、女性らしさを取り戻したように見え、とても感動しました。また、介護保険内のサービスではどうしても決まった時間の中で多くの事をこなすため、一人ひとりに向き合ったサービス提供というものが難しいものですが、介護美容は保険外サービスということもあり、決まった時間の中でも、きめ細やかな対応もしていただけますし、社会参加の一つにもなると考えています。
離れて生活していることや、母の介護を姉に任せていることもあり、「私の知識を活かしながら親孝行が出来ればいいな」という想いは常にありました。また、生活の中で楽しみを見つけて欲しいという気持ちもありましたし、介護美容研究所のプロジェクトを経て、母の最期までケアビューティストの方々と一緒に母に寄り添いたいと思える内容だったからこそ、今回の選択に繋がりました。期間の定めなく介護美容を受けられる環境になった今、どんな変化があるのか、私自身も楽しみにしています。
- 株式会社ミライプロジェクト 取締役事業本部長 大倉武彦より
自立した生活を送ることを目的として「身体介護」「生活援助」を実施する「介護保険サービス」だけでは賄いき
れない「美容」というコンテンツを、ケアプランに組み込む今回の取り組み。ただ自費サービスとして美容施術を定期利用するだけでなく、ケアマネージャーを中心としたチームケアの一員としてケアビューティストが参加することは、とても意義深いと考えます。経過観察からプランの見直しを定期的に行うことで、「生活の質」の向上はもちろんのこと、もしご本人様が「自分でもできることを行ってみたい」「キレイになったので人に見てもらいたい」と思ってもらえたら、それがプランに反映され、次のサービスにつながっていく…。とてもステキな好循環がケアサービスの中に生まれる可能性を秘めていると思います。
介護保険受給者の多くが「いくつになってもキレイでい続けたい」世代となってきた昨今、自立支援に向けた取り組みを、チームケアの一員として「美容」という側面から促進し、元気だった時に当たり前だった「キレイを楽しむ」ことをケアの一部として取り入れていく。「キレイが当たり前である」という理解を、ぜひこの取り組みから広げていきたいです。
- 株式会社ミライプロジェクトについて
株式会社ミライプロジェクトは、「なり手」「働き手」「受け手」の全ての人にやりがいと幸せを提供し、21世紀のミライヅクリを介護×美容でサポートする人材コンサルティング会社です。人材育成〜就労支援・美容サービスの提供など、トータルコーディネートが可能なサービス体制を構築しております。
<会社名>
株式会社ミライプロジェクト
代表取締役:山際 聡
<業務内容>
日本初となる介護美容を提供するために人材の育成〜提供までをワンストップで提供。
・介護美容専門スクール「介護美容研究所」の運営
・訪問型介護美容提供「care sweet」
・介護職専門紹介「B&Cキャリアパーク」
web:https://www.mirapro.net/