※同調査では、設立10年以内の会社を「スタートアップ」と定義。
※同調査では、オフィス出社、在宅勤務、および自宅以外のサードプレイスなどを組み合わせた柔軟な働き方を「ハイブリッドワーク」と定義。
■「コロナ禍長期化における働き方」に関する調査データサマリー
ハイブリッドワークの現状と今後
- スタートアップの従業員の62.1%が、ハイブリッドワークを認められていると回答。全体平均55.6%よりも高く、より柔軟な働き方が浸透しているとみられる。
- 上記の設問で認められていないと回答した人のうち、約半数の52.8%が認めてほしいと回答。今後、スタートアップにおいて、益々多様で柔軟な働き方が求められると予想される。
働き方の裁量
- スタートアップの従業員も86.3%が、どのような場所で、どのように働くかについて自分で裁量を持ちたいと回答。全体平均の83.4%と同水準。
- スタートアップの経営者層の79.7%は、従業員がいつ、どのような場所で、どのように働くかについて全てまたは半分以上任せてよいと回答。全体平均の69.4%を10ポイント以上上回る結果。
オフィスへの出社
- スタートアップの従業員で毎日オフィスで働きたいと回答したのは13.7%。全体平均(24.8%)、従業員数1,000人未満(33.7%)、従業員数1,000人以上(18.4%)と比較しても、毎日オフィスに出社する従来の働き方にとらわれない柔軟性を求める傾向がみられる。
- スタートアップの経営者層においても、毎日オフィスで働きたいと回答したのは20.3%で、全体平均(30.3%)よりも大幅に低い傾向。
オフィス戦略
- スタートアップ経営者層の67.8%が会社の成長にオフィス戦略が影響を与えると回答。全体平均の57.3%を10ポイント以上上回る結果となり、オフィス戦略を重視していると見られる。
働き方の価値観
- スタートアップの従業員は、働く上での価値観として、ウェルビーイング(78.9%)、コラボレーション(70.5%)、オープンイノベーション(57.9%)を重要視しており、各項目において全体平均より10ポイントほど高い。また、クリエイティビティ(60.0%)、ダイバーシティ(64.2%)も全体平均よりも高い傾向。
- スタートアップの経営者層は、ウェルビーイング(55.9%)、オープンイノベーション(50.8%)、クリエイティビティ(62.7%)、ダイバーシティ(59.3%)が全体平均より高く、従業員とほぼ同じ価値観を重要視する傾向が見られた。
業務上の課題
- スタートアップの従業員は、精神面の負担・疲労(47.4%)、身体面の負担・疲労(29.5%)、社内外での偶発的な出会い・コミュニケーション機会の確保(20.0%)に課題を感じており、それぞれ全体平均よりも高い結果に。
人事施策
- スタートアップの従業員の25.3%は、「優秀な人材確保のための取り組み」を人事施策の中で重要視している。これは調査対象の全体平均15.2%と比較して約10ポイント高い結果。
- 一方、スタートアップの経営者層においては、「優秀な人材確保のための取り組み」を重要視するのは13.6%に留まり、全体平均24.8%と比較して10ポイント以上低い傾向。従業員と経営者層の意識に、乖離が見られる。
- また、同設問におけるスタートアップ経営者層の回答は、いずれの選択肢においても全体平均よりも低く、人事施策への意識や注力度が低い傾向が読み取れる。
企業が成長するために必要な制度・取り組み
- スタートアップの従業員は、DXの推進(28.4%)、企業風土や自社の伝統を重視・浸透させること(23.2%)が企業が成長するために重要だと考えており、全体平均よりも高い結果に。
- 一方、スタートアップ経営者層においては、DXの推進を重要視するのは25.4%に留まり、従業員との意識の差が見られた。
- また、働く環境やツールの環境整備への取り組みについては、スタートアップ経営者でIT環境整備に取り組んでいると回答した人が33.9%に留まり、全体平均の50.3%を大きく下回る結果に。
今回の調査結果から、スタートアップ企業は、より柔軟な働き方が浸透していることが明らかとなりました。約6割以上の従業員がハイブリッドワークを実施し、全体平均の5割強を上回っています。また、ハイブリッドワークが認められていないと回答した従業員のうちの約半数が今後認めてほしいと回答。今後スタートアップ企業が優秀な人材を獲得するためには、柔軟な働き方の整備が必須と考えられます。
また、ハイブリッドワークを実施するにあたり、従業員の勤怠管理に議論が及ぶことが多いですが、今回の調査結果では、スタートアップの従業員の約8割以上がどのような場所でどのように働くかについて自分で裁量を持ちたいと回答し、スタートアップの経営者層の約8割も、同様の設問において全てまたは半分以上従業員に任せてよいと回答。働き方の裁量を従業員に持たせ、各人が最適な環境でパフォーマンスを発揮できるように推し進めたい傾向が見られました。
オフィスへの出社頻度は、コロナ禍以前の働き方が大きく見直され、毎日オフィスで働きたいと回答したスタートアップ従業員は1割強、経営者層も同水準となり、全体平均よりも低い結果に。しかし、経営者層の約7割が会社の成長にオフィス戦略が影響を与えると回答し、従来のオフィスの役割とは異なる、新たなオフィス価値を見出しつつあるように見受けられます。
働く上での価値観は、従業員・経営者層共に、ウェルビーイング、ダイバーシティが共通して重要視されていますが、一方で、従業員の業務上の課題は精神面・身体面の疲労、社内外での出会い・コミュニケーション機会などが挙げられました。人事施策においても、優秀な人材確保のための取り組みを重要視する従業員が多い傾向が見られましたが、逆に経営者層では人事施策に関する意識が低い結果に。先進的な働き方を実践しながらも、これらの課題にいかに取り組み、働く上での価値観を満たして従業員の満足度を上げていくかが今後の鍵となりそうです。
会社が成長するための制度や取り組みにおいては、DXの推進と回答した従業員が多かったのに対し、経営者層は全体平均よりも低い傾向となり、またIT環境整備に取り組んでいると回答した経営者層も全体平均を大きく下回りました。今後、政府や自治体の支援を加速させてデジタル化を推進することで、スタートアップの労働環境を更に充実させることが必要であると考えられます。
■調査詳細
ハイブリッドワークの現状と今後
働き方の裁量
オフィスへの出社
オフィス戦略
働き方の価値観
業務上の課題
人事施策
企業が成長するために必要な制度・取り組み
■調査概要
・調査名:コロナ禍長期化における働き方意識調査
・調査エリア:首都圏(1都3県)、関西圏(京都・大阪・兵庫・奈良)、中京圏(愛知・三重)、宮城、福岡
・方法:インターネットリサーチ
・調査対象:20~60代男女
・回収サンプル:主にオフィス内で勤務し、従業員20人以上の企業に勤める方1,400名
・調査期間:2022年7月25日(月)~2022年7月27日(水)、追加調査:9月8日(木)~9月9日(金)
■ WeWork Japan 合同会社の概要 ■
2010年に米・ニューヨークで創業した WeWork は、全世界38か国150都市以上777拠点*でフレキシブルオフィスを展開しています。 WeWork Japan は、2018年2月に国内初となる拠点を東京で開設。創造性や生産性が高まる空間デザインを用いたワークスペースにおいて、月単位での契約、1名から数百名規模の拡大・縮小や、国内30拠点以上の横断的な利用が可能なプロダクトや、柔軟なオフィスソリューションを提供しています。また、スタートアップから大企業、自治体やNPO団体など、多種多様なメンバーが入居する WeWork では、業界業種や企業の壁を越えたコミュニティが形成され、ビジネスにおけるコラボレーションを多く創出してきました。
「変化は、ここで創造する。」 WeWork Japan は、今後も新時代の多様な働き方を支援し、イノベーションやコラボレーションを促進する新しいオフィスの価値を提案してまいります。https://weworkjpn.com/ * 2022年6月時点