人的資本経営において従業員エンゲージメント向上を阻害する要因の診断技術開発

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株式会社リンクアンドモチベーション(本社:東京都中央区、代表:小笹芳央、証券コード:2170)の研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所は、従業員エンゲージメント向上を阻害する要因の診断技術開発を行いましたので、下記のとおりお知らせいたします。

  • 研究及び結果の概要

1.開発の背景と目的

近年、企業において短期的な収益向上だけではなく長期的な企業価値向上に取り組む重要性が高まっており、

2020年発刊の人材版伊藤レポートに代表される「人的資本経営」という考え方が広まりを見せています。人的資本経営の観点において、当社は従業員エンゲージメントを中核に据えております。従業員エンゲージメント向上の要因としては、会社の理念への共感や上司・職場との関係性などの促進要因と、人権・コンプライアンスなどの阻害要因があります。

促進・阻害要因の可視化・診断技術という観点では、促進要因については当社のモチベーションクラウドをはじめ、各企業によって技術開発・商品サービス開発が進んでいる一方で、阻害要因については商品サービスや事例は少ないのが現状であり、包括的な可視化・診断技術が求められています。

そこでこの度、従業員エンゲージメント向上の阻害要因の可視化・診断技術の研究・開発を行いました。具体的には、“リスク診断”、“心理的安全性診断”、“アンコンシャス・バイアス診断”の3つの診断領域を設定し、阻害要因となるリスクの特定とその因子を定量的に把握することを目的としています。

2.開発内容

位置づけについて

人的資本経営において重要な従業員エンゲージメント向上には促進要因と阻害要因の2つがあります。促進要因は主に、会社の理念への共感、上司・職場との関係性などの要素から構成され、阻害要因は人権やコンプライアンスなどの要素から構成されます。

可視化・診断技術という観点では、阻害要因については包括的な可視化・診断技術に基づいた商品サービスや事例は少ないのが現状です。当研究所では、阻害要因の構成要素を対象として、包括的な可視化・診断技術の開発を行いました。

設計について

本技術は、”リスク診断”、”心理的安全性診断、“アンコンシャス・バイアス診断”という3つの診断領域で構成されています。リスクの特定を目的とした“リスク診断”における可視化においては、過去のリスクの発生度合いだけではなく、将来そのリスクが企業において発生する可能性の高低を表す蓋然性を推し量ること(※1)が求められております。

本研究では、弊社開発のエンゲージメントサーベイであるモチベーションクラウドにおける診断軸「期待度/満足度」を応用した「理解度/発生度」という診断軸を用いることで、蓋然性の評価を可能にしております。

阻害要因に対しては、ただリスクを特定するだけでは十分ではなく、特定したリスクを是正するというアプローチが取られます。

本研究では、リスク是正の実効性を高めるため、前述した「リスクの特定」を可能にする“リスク診断”に加え

「リスクの要因」を測定する“心理的安全性診断”と“アンコンシャス・バイアス診断”という2つの診断領域を加えています。それぞれ独自にシチュエーションを定義し、リッカート尺度を用いた設問により、定量的に把握することを可能にしています。

開発結果について

本研究では、従業員エンゲージメント向上の阻害要因となるリスクの特定とその因子を定量的に把握する可視化・診断技術を開発しました。「リスクの特定」という観点から“リスク診断”、「リスクの因子」という観点から“心理的安全性診断”、“アンコンシャス・バイアス診断”という3つの診断領域を設定しました。

“リスク診断”領域では、過去から現在までのリスクの発生だけではなく、将来におけるリスクの 発生可能性を推し量ることが求められており、“理解度/発生度”という診断軸を導入することで可視化を実現しています。また、リスクの因子として“心理的安全性”と“アンコンシャス・バイアス”を設定し、それぞれ学術的な背景や代表的なバイアスをベースに独自の設問を開発し、定量的な把握を実現しています。

この可視化・診断技術は、当研究所と株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ、人権領域での高い専門性を有するSDGパートナーズ有限会社3社による共同研究の成果であり、特許出願も完了しております。

技術応用について

本技術は、ビジネスと人権の領域に高い専門性を有する有限会社SDGパートナーズと株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズとの共同研究の成果であり、ビジネスと人権領域に本技術を応用した「人権デュー・ディリジェンスデジタルサーベイ」を開発し、2023年11月24日よりSDGパートナーズよりサービスリリースしております。今後、当研究所としては阻害要因是正の実効性を高めるべく、データ蓄積と分析、仮説検証を進めてまいります。

  • 発行責任者のコメント

本研究では、人的資本経営における従業員エンゲージメントの促進要因と阻害要因のうち、阻害要因となるリスクの特定とその要因を可視化し定量的に把握する技術を開発しました。

リスクの特定という観点から「リスク診断」、リスクの要因把握という観点から「心理的安全性診断」と「アンコンシャス・バイアス診断」という計3つの診断領域を設定しました。

本技術は、ビジネスと人権の領域に高い専門性を有する有限会社SDGパートナーズと株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズとの共同研究の成果であり、ビジネスと人権領域に本技術を応用した「人権デュー・ディリジェンスデジタルサーベイ」を開発し、2023年11月24日よりSDGパートナーズよりサービスリリースしております。今後、当研究所としては阻害要因是正の実効性を高めるべく、データ蓄積と分析、仮説検証を進めてまいります。

―発行責任者―

大島 崇(おおしま たかし)

株式会社リンクアンドモチベーション モチベーションエンジニアリング研究所 所長

2000年  京都大学大学院エネルギー科学研究科卒業

2005年  住商情報システム株式会社を経て株式会社リンクアンドモチベーションに入社

2010年  モチベーションマネジメントカンパニー 執行役部長に就任

      大手企業向けの組織変革や人材開発で多くのクライアントを担当  

      同時に商品統括ユニット、モチベーションエンジニアリング研究所を兼任し、新商品を開発

2015年 モチベーションエンジニアリング研究所 所長に就任

2022年 当社執行役員(モチベーションエンジニアリング研究所管轄)に就任

  • SDGパートナーズ有限会社の概要

 会社名 :SDGパートナーズ有限会社 / SDG  Partners, Inc.

 本社  :東京都千代田区神田錦町2-9-15  神田SDGsコネクション 5階

 代表者 :代表取締役CEO 田瀬  和夫

 設立  :2017年9月

 資本金 :300万円

 メンバー:10名(うち役員2名)※提携パートナー/コンサルタント/アソシエイト合計 15名程度

 主な事業内容:サステナビリティに関するコンサルティング、講演・セミナー

 企業HP  :http://sdgpartners.jp/

  • リンクアンドモチベーショングループの概要

・代表取締役会長:小笹  芳央

・資本金:13億8,061万円

・証券コード:2170(東証プライム)

・本社:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー15階

・創業:2000年4月

・事業内容

 組織開発Division(コンサル・クラウド事業、IR支援事業)

 個人開発Division(キャリアスクール事業、学習塾事業)

 マッチングDivision(ALT配置事業、人材紹介事業)

 ベンチャー・インキュベーション

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