本契約はパリ郊外のル・ブルジェで開催されるパリ航空ショーにて署名され、これによりアストロスケールフランスとCNESのパートナーシップが正式なものとなります。これにはフランス由来のデブリの除去を目的とした研究等が含まれ、本研究においてはCNESが資金提供を行います。対象となるデブリは2024年初めに決定される予定です。
アストロスケール創業者兼CEO岡田光信のコメント
「フランスへの事業拡大およびCNESとのパートナーシップの締結は、フランスによる宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)への投資の証であり、安全で持続可能な宇宙環境を実現するための世界的な協力に向けた大きな一歩となります。軌道上サービスにおけるアストロスケールのリーダーシップとCNESの貴重な実績を組み合わせることで、持続可能な宇宙の利活用に関する政策や革新的技術における世界的リーダーとしてのフランスの役割が強化されるでしょう。」
CNES総裁フィリップ・バティスト氏のコメント
「アストロスケールとのパートナーシップは、長期的なスペースサステナビリティを確保するという私たちの目標と一致するもので、宇宙分野におけるフランスのリーダーシップの強化につながります。この研究に資金を提供できることを嬉しく思います。CNESはアストロスケールと共に、イノベーションを推進し、国際協力を促進し、宇宙環境の保全に積極的に貢献していきます。」
アストロスケールフランスはパリにて法人化されており、近々大規模な拠点を設立するとともに、社長等の任命を発表する予定です。アストロスケールは軌道上サービスに対する期待そして需要に応えるため、2022年9月から今年5月にかけて、英国、イスラエル、米国の子会社、そして日本にあるグローバル本社を拡張しています。グローバルでの従業員数はおよそ450名となりました。
アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む世界初の民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去(EOL※1)、既存デブリの除去(ADR※2)、寿命延長(LEX※3)、故障機や物体の観測・点検(ISSA※4)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。本社・R&D 拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエル、フランスとグローバルに事業を展開しています。
※1 EOL:End-of-Lifeの略称
※2 ADR:Active Debris Removalの略称
※3 LEX:Life Extensionの略称
※4 ISSA:In-Space Situational Awarenessの略称