パナソニック株式会社 空質空調社(以下、パナソニック)は、環境テクノロジー革新で空質と空調の複数機能を組み合わせたソリューションを進化させることに加え、オペレーション改革によるグローバルな地産地消の推進、継続顧客接点強化に向けた組織改革の3つの戦略で設備事業を拡大します。
国内では住宅や建物の消費エネルギー量を正味ゼロにするZEB/ZEH化が進む中、給気と排気の熱を交換しながら熱ロスを抑制した換気を行う熱交換気ユニットの市場が年率5~10%(※1)で成長。パナソニックは住宅向けでトップシェア(※2)を獲得するとともに、同製品と空調を組み合わせることで、更なる省エネを実現しています。また、グローバルに新しい生活様式が定着し、温度、湿度、除菌など空気質に対する多様なニーズに対応したソリューションが求められるようになり、これを提案、施工、メンテナンスする設備事業の需要が高まっています。
パナソニックは、この事業を、空気質への関心が高く、ソリューションへのニーズが見込まれる日本、北米、中国、東南アジアで展開しています。主なソリューションとして、日本では、2019年2月、戸建て向けに、ルームエアコン1台と熱交換気ユニットを組み合わせて住まい全体を冷暖房する全館空調熱交換気システム(以下、全館空調)「withair(R)(ウィズエアー)」を発売。2022年4月には、非住宅向けに空調、換気、除菌機能などを一体化した「業務用空質空調連携システム」の販売を開始しました。海外では、中国で、2021年4月から、エアコンと除加湿機を連携させた「創新システム」を展開し、2022年11月にはジアイーノによる除菌・脱臭機能を追加しました。東南アジアで、2021年8月から、ルームエアコンと給気ファンを連携させた住宅用空調システム「Complete Air Management System」を展開してます。これらソリューションを拡大する設備事業戦略は、次の通りです。
<設備事業拡大に向けた戦略>
1.【環境テクノロジー革新】ソリューションの技術進化で、さらなる省エネルギー化を実現
国内では、2022年6月、新たにマンション向け全館空調「withair(R) CUBE(ウィズエアーキューブ)」を発売。本製品に使用されているルームエアコンは、一定の温度を保つために強弱運転を繰り返す通常の仕様と異なり、高効率な、ノンストップの低負荷運転を維持するように設計されています。また、外気と室内の温度交換率約80%の熱交換気ユニットを組み合わせることで高い省エネ性を実現しました。
2.【オペレーション改革】北米と東南アジアの研究開発体制を強化、地域軸経営を推進
北米では、環境問題への意識の高まりやエネルギー価格高騰を背景に、省エネルギーを実現する熱交換気ユニットの需要が伸長しています。天井埋込形換気扇の製造拠点であるメキシコ工場にて、2023年1月に同製品の生産も開始し、商品供給リードタイムの短縮を図るとともに、2023年度以降、研究開発体制も強化し、現地ニーズにフィットした製品をスピーディーに開発していきます。また、東南アジアでは、2023年3月、マレーシアに約20億円を投資して、R&Dセンターの新棟を建設し、現地ニーズに合わせた業務用空調機器やソリューションの開発を加速させます。
3.【継続顧客接点強化】提案から施工、アフターメンテナンスまで一気通貫な組織を新設
2023年4月から、製品の提案から施工、アフターメンテナンスまで一気通貫に対応できる体制を構築(※3)します。非住宅向け製品では、企画・開発・生産を行う「設備ソリューションズ事業部」とマーケティングを担う「ソリューション・エンジニアリング事業本部」を新設。また、住宅向け製品ついても同様に、企画部門の「住宅システム機器事業部」とマーケティング部門の「マーケティング本部」を新設し、それぞれに、日本、北米、アジアなど地域別部門を設け、製販一体となって事業を行います。
※1:業務用は日本冷凍空調工業会、家庭用は日本電機工業会の自主統計
※2:住宅向け熱交換気システムにおいて。パナソニック調べ(2021年度)
※3:労組へ申入れ・労使協議中
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース] ソリューション進化など、3つの戦略で設備事業を拡大(2023年2月9日)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2023/02/jn230209-2/jn230209-2.html