建設業では2024年4月より改正働き方改革関連法が施行され、残業時間の上限に罰則規定がもうけられるなど、労働生産性を上げることが急務となっています。
スパイダープラスが培ってきた建設DXにおける課題解決力と、リコーグループの360°カメラに関する技術・ノウハウを掛け合わせることで、建設現場のDXを加速化し、改正法の施行を控えた建設業界への課題解決に取り組んでまいります。
1.背景
スパイダープラスは、自社で開発提供する建設DXサービス「SPIDERPLUS」において、2017年よりRICOH THETAと機能連携しており、RICOH THETAで撮影した360°画像を施工記録写真として撮影・保存・登録できる機能を備えています。
現在の機能連携ではRICOH THETAのデバイスに保存された360°の画像データを「SPIDERPLUS」にそのまま取り込みます。
実際に活用している顧客からは「画像がさらに鮮明なものになれば、現場に行かなくとも遠隔で検査できる。」、「報告資料に撮影画像をそのまま使える。」、「360°画像の部分切り取りに時間を要するため効率化してほしい」などの業務効率化及び検査品質向上に関する要望があがっており、機能連携や使い勝手について更なる向上に取組む予定です。
また、スパイダープラスは3次元図面と物件のライフサイクル全体に付加された情報を活用する「BIM(Building Information Modeling)」を取り入れたDXサービス開発にも従来より取り組んでおります。3次元図面と画角内の空間を見渡すことを可能にする360°画像との融合により、さらなる現場業務の効率化に貢献できると考えております。
本協業では、「SPIDERPLUS」が抱えていた360°画像の使い勝手の更なる向上と、「3次元図面(BIM)×360°画像」を活用した新たな施工管理サービスの創出の両方に貢献すべく取り組んでまいります。
2.本協業における主な取組予定事項
(1)「SPIDERPLUS」の360°カメラ機能を強化
「AI超解像度/AI明るさ補正機能」「AI画像切り出し機能」など、「RICOH360」プラットフォームの機能を「SPIDERPLUS」に活用することについて、検証を開始いたします。
これらの機能を連携できる場合、「画像の鮮明度」「360°画像を加工する手間」など、従来の360°カメラ活用における「SPIDERPLUS」の課題を解消することができます。
(2)BIMを活用した開発中の新機能と360°画像を組み合わせたさらに精緻で直感的な3次元施工管理機能の開発検討
建設業界において官民が一体となって推進する「BIM(※Building Information Modelingの略)」を、360°画像と組み合わせて、3次元施工管理機能を活用していくことを検証してまいります。
「3次元図面(BIM)×360°画像」によって、デジタル空間と現実空間がリンクする「デジタルツイン」が実現します。「3次元図面(BIM)×2次元画像(一般的な写真)」の組合せだけでは実現できない、360°画像の画角に、BIMによる部分ごとのコスト、部材の属性、施工の「情報」が加わることにより、可視範囲の直感的な状況把握をさらに精緻にすることがかないます。
従来の2次元画像だけでは把握し得なかった情報を360°の画角内に伴うことで、施工管理業務の効率化、建設ライフサイクルを見越した包括的な管理にも一層寄与するものと考えております。
(3)「SPIDERPLUS」と連携予定のAIコンテンツ
スパイダープラスは「SPIDERPLUS」に「RICOH360」プラットフォームが有するAIコンテンツ等の独自機能を連携することを検討しています。
「SPIDERPLUS」で活用が検討されている主なAIコンテンツは以下のとおりです。
(※2022年8月2日現在予定している取り組み事項であり、内容は予告なく変更される可能性があります。)
【AI超解像度/AI明るさ補正機能】
“AI 超解像 /AI 明るさ補正機能”によって ノイズを自動で除去したり、 明るさを補正
【AI画像切り出し機能】
“AI画像切り出し機能” によって360°画像からAIが自動で平面画像を切り出し
【株式会社リコー リコーフューチャーズBU Smart Vision事業センター 所長 大谷渉氏 コメント】
「リコーは2013年のRICOH THETA発売以来、ハードウェアと360度画像活用サービスの展開を進めてきました。ここ数年は不動産から建設へと360度画像をワークフローに組込む例が増えてきており、RICOH THETAとサービスの連携をより深めることで業務に活用しやすいプラットフォームとして提供することを決めています。
その第一弾として、建設DXのスパイダープラスとの協業を通じて、スパイダープラスの建設業界における業務の効率化、デジタル化による新たな価値創出を実現し、それを支えることでRICOH THETA×サービスの価値を高めていきます。」
【スパイダープラス株式会社 代表取締役社長 伊藤謙自 コメント】
「RICOH THETAとは2017年より機能連携をし、顧客の生産性向上を目的に活用されてきました。近年2〜3年では、国内はもとより、アジア市場でも建設DX活用が広がり、シームレスな情報共有と、可能な限り多い情報量が直感的に伝わる重要性も増してきています。既にグローバル市場で豊富な実績と知見を備えるリコー社との協業により、2024年4月に迫る改正働き方改革法案の施行という大きな課題に対して、より高い次元でサービスのブラッシュアップに直結していくような取り組みをしていこうと考えています。」
■会社概要
会社名: スパイダープラス株式会社
代表者: 代表取締役社長 伊藤 謙自
本社所在地: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目2番1号 住友不動産虎ノ門タワー 27階
設立年月: 2000年2月
事業内容: 建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」の開発・販売
公式サイト: https://spiderplus.co.jp/
プロダクトサイト: https://spider-plus.com/
【RICOH THETA、RICOH360について】
リコーは、2013年に世界初(*1)の全天球カメラとしてRICOH THETAを発売し、写真・映像表現の可能性を広げるツールとして、さまざまな分野で利用されています。また、ハードウェアだけでなく360度の画像・映像を中心とした業界横断型プラットフォーム事業をRICOH360として展開し、デバイス、ソフトウェア、クラウドサービスの連携により、撮影からデータ活用までのワークフロー全体を効率化し、よりよいユーザー体験を提供しています。
具体的な提供サービスとして「RICOH360 Tours/Projects」といった関連クラウドサービスでは、360°の画像・映像の取得から保存・共有までをワンストップで実現するとともに、AIによるコンテンツ生成など360°カメラに関連するさまざまな技術・ノウハウを培ってきています。
直近では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止と経済活動の両立が求められる中、特に不動産物件や自動車販売における事前のリモート閲覧や、建築・建設現場での記録撮影・進捗管理などを中心に、360°のコンテンツがビジネスにおける営業活動の促進や業務効率を向上させる重要な手段として浸透しています。
*1コンシューマー製品において、水平方向や半天球だけでなく、撮影者を取り巻く空間全てをワンショットでキャプチャーできる点において(2013 年 10 月時点。リコー調べ)
■RICOH THETAを活用するメリット
施工前〜施工中まで記録でき、現場に行かなくても進捗状況を一目で把握することができる
【SPIDERPLUSとは】
現場作業の中で抱いたふとした疑問から、たくさんの紙や持ち帰り仕事の多い現場にITの力を投入することを思い立ち、自社で開発した建設DXサービス『「SPIDERPLUS」(スパイダープラス)』を提供開始。
2022年4月現在、日本全国1,200社超、50,000以上のユーザーの間で導入されています。
現場生まれのサービスだからこそ、日々の仕事をITの力でラクにするお手伝いを実現いたします。