4年ぶりに会場開催となる今年のATCには2日間でのべ約650名の方が来場し盛況のうちに終了しました。初日の基調講演にはソフトバンク株式会社 今井 康之 氏、日本マイクロソフト株式会社 横井 伸好 氏が登壇し、デジタルの社会実装やAIトランスフォーメーションについて語ったほか、業界を横断したパネルディスカッションではAI導入に関する各社の施策や工夫を議論しました。また、2日目は産学官の様々な領域のエキスパート50名以上による最新事例の講演に、来場者が熱心に耳を傾けていました。
ウェブサイト:https://events.altair.com/atc-japan-2023/
パネルディスカッション「フリクションレスAIの未来を創る」の様子
■ATC Japan 2023 概要
会期 |
2023 年8 月24 日(木)~25 日(金) |
アジェンダ |
Day1(8 月24 日) 13:00 基調講演 15:30 パネルディスカッション「フリクションレスAI の未来を創る」 17:30 ネットワーキングパーティー Day2Day2(8 月25 日) 10:00 ユーザー講演、Altair RapidMiner AI コンテスト) |
会場 |
虎ノ門ヒルズフォーラム |
主催 |
アルテアエンジニアリング株式会社 |
■ATC Japan 2023 基調講演概要
ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 今井 康之氏
「テクノロジーの新境地 〜社会実装されたDXがここに」
現在、世界では最先端テクノロジーが台頭しています。テクノロジーがビジネスにもたらす効果として「圧倒的な業務効率化」と「新たな価値創出」があります。日本こそテクノロジーを積極的に活用し、企業の成長や課題解決をに取り組むべきです。
ソフトバンクが取り組むテクノロジー活用の一例として、『生成AI』と『デジタルツイン』の2つを紹介します。
『生成AI』はグループ企業全体で積極的に活用しており、ECサイトの商品キャッチコピーをAIで素早く作成してクリック率を向上させたり、コンタクトセンターのオペレータが対応している複雑な問い合わせにAIが対応できるよう開発を進めています。
『デジタルツイン』は、都市・工場・エネルギー・教育・交通など様々な産業のあらゆる課題を解決する原動力であります。例えば「都市のデジタルツイン」では、街から生まれるあらゆるデータを活用し、顧客の滞在や購買を促す施策の創出、災害時の混雑回避シミュレーション、自動運転の遠隔監視の自動化などの実証実験を進めています。また、「工場のデジタルツイン」では、工場のデータを収集し、最適な搬送ルートを提示したり、人の動きを可視化することで作業の効率化や安全管理を行うなど、省人化や自動化に繋げています。
また、製造業のDXが進むと、『セキュリティ対策』がより重要になります。日本に対するサイバー攻撃の数は10年間で約30倍にも増加しています。その特徴は、サプライチェーンの一角を担う中小企業が標的になり、被害がサプライチェーン全体に波及することです。関係会社を含めたセキュリティ対策が急務となっており、ソフトバンクは業界団体や大手企業と連携し、勉強会の開催、チェックシート策定、ソリューション紹介など、中小企業のセキュリティ対策を推進しています。
DXに向けて、『生成AI』と『デジタルツイン』を活用した効率化や生産性向上に加え、サプライチェーン全体の『セキュリティ対策』を含めた両輪で取り組むことが重要です。
日本マイクロソフト株式会社 執行役員常務インダストリアル&製造事業本部長 横井 伸好 様
「Microsoft Cloudで加速する製造業のAIトランスフォーメーション」
ChatGPTの発表後、わずか3か月でユーザー数が1億人を突破し、インターネットや、スマートフォンによる、歴史的なテクノロジーシフトを経験して以来の、大きな変革が起きています。GDP成長率は技術革新に併せて成長しています。生成AIの登場後、国家レベルで議論が活発化し、多くの企業が生成AIを自社に導入、プロンプトエンジニアリングに脚光があたるなど極めて大きな反響を世の中に与えました。
今後もAI Innovationの加速は必要不可欠です。マイクロソフトはOpenAIと提携し、OpenAIで提供しているサービスをマイクロソフトでも提供可能になりました。最高経営責任者(CEO)のサティア・ナデラ氏は「マイクロソフトのあらゆる製品に、製品を一変させるようなAI機能を搭載していく」と述べています。
お客様と実現したいOpenAI活用シナリオとして、責任あるAIと安全なAIを軸においています。顧客接点、ソリューション・製品、オペレーション、従業員の4項目に対して、AI活用によるDo more、with lessの実現を目指します。
マイクロソフトは、製造業への取り組みとして「変化に強く、持続可能な、製造業の未来をつくる」ことを目指しています。具体的には、新しいやり方でお客様とエンゲージする、もっと俊敏な工場を構築する、もっとレジリエントなサプライチェーンをつくる、イノベーションを加速し新しいサービスを提供する、という4つのイニシアティブを掲げており、4つ目のイニシアティブ「イノベーションを加速し新しいサービスを提供する」に対し、マイクロソフトはアルテと戦略的パートナーシップを結んでいます。Altair PBS ProfessionalとMicrosoft Azureによるハイパフォーマンスコンピューティングのワークロード管理とジョブスケジューリングソフトウェアの展開を進め、設計開発業務の生産性の改善とAI活用を進めて参ります。
これからはクラウド化、DX、そしてAIデファクトの世界へと変容していきます。世界はデジタルスペースへかつてないほど速く移行しているのです。
■アルテアエンジニアリング代表取締役社長 加園 栄一のコメント
4年ぶりの対面開催のATCにご参加いただき、心より御礼申し上げます。来場者の皆様より大変好意的な感想をいただき、非常に嬉しく思っています。私自身、皆様と直接お会いし有意義な対話をする貴重な機会となりました。この成功は、弊社製品をご愛用いただいているお客様や、パートナーの皆様の継続的なご支援の賜物と深く感じております。今後も、更なるサービス向上に向け尽力してまいりますので、引き続き弊社製品をご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
■ATCとは
ATC(=アルテア テクノロジーカンファレンス)は、業界を越えたお客様が一堂に会し、シミュレーション、HPC、AIに関する最新ソフトウェアテクノロジーの発表を通じて、これからの計算科学と意思決定を議論するテクノロジーイベントです。業界トレンドの把握、知識の共有、ネットワーキングの絶好の機会となっています。
■会社概要
【アルテアについて(Nasdaq:ALTR)】
アルテアは、シミュレーション、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、データ解析、AIに関するソフトウェアおよびクラウドソリューションを提供する、計算科学と人工知能(AI)の分野をリードするグローバル企業です。アルテアは、あらゆる業界の企業がより効果的に競争し、接続が強化された世界でより賢明な意思決定を行うことを可能にし、さらに環境に優しく持続可能な未来を創造します。詳細は、https://www.altairjp.co.jp/をご覧ください。
■アルテアエンジニアリング株式会社
設立 :1996年2月
代表取締役社長 :加園 栄一
事業内容 :製品開発、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、人工知能(AI)に係わる
ソフトウェアおよびクラウドソリューションの開発、販売、サポートおよび受託サービス
東京オフィス :東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン14階