国立循環器病研究センター(以下、「国循」という)では、循環器病の予防・治療につながる減塩に地域ぐるみで取り組んでいただくために、2014年の第1回を嚆矢とし、過去5回にわたって「S-1g(エス・ワン・グランプリ)大会」を開催してまいりました。(S-1gとは、“Salt(塩)を1食1g減らそう(-1g)”を表したものです)
第6回S-1gグランプリは、前回に引き続き、医薬基盤・健康・栄養研究所(以下、「NIBIOHN」(ニビオン)という)との共催となります。今回は、多様化している食生活の状況に鑑み、第5回までの「一食分の献立」を改め、「まずは1品から!おいしく減塩お惣菜コンテスト」として、1品から応募でき、誰もがおいしく手軽に食べられるお惣菜レシピを広く全国から募集します。
最終審査(実技)は、リアル会場で熱戦を繰り広げていただく企画となっています。(決勝は後日オンライン配信を予定しており、熱戦の模様を全国の皆様にもご覧いただけます。)
また、応募があった減塩お惣菜レシピの中から、「国循賞」(国循の病院食として一部アレンジして採用予定)、「おうちで簡単にできるで賞」(家庭で手軽に調理できるお惣菜)、「医薬健栄研・災害栄養賞」(災害時や緊急時に役立つレシピ)を選んでそれぞれ表彰します。
1. 実施の背景
食塩の摂り過ぎは高血圧、更には脳卒中や心臓病といった循環器病発症のリスクを高めることが知られています。循環器病が国民の医療費に占める割合は第1位です。また、介護が必要となった原因に占める割合でも、循環器病が第1位となっています。国民ひとりひとりが循環器疾患(心疾患・脳血管疾患・高血圧など)の予防に取り組むことで、国民自身の生活の質の向上ばかりでなく、国家財政の改善につながります。
高血圧に起因する循環器病を予防するためには、食塩の摂取量を減らすことが必要です。これまでの研究の結果から、食塩摂取量を1g減らすと血圧が0.5~1mmHg下がることが明らかになっています。日本人の平均的な食塩摂取量は、成人1人1日当たり平均 9.9g(男性 10.8g、女性 9.1g:令和元年 国民健康・栄養調査)であり、過去 10 年間で約1g 減少しているものの、国の目標摂取量である成人男性 7.5g、女性 6.5gをいまだに大きく上回っています。
そこで、国循では減塩による循環器病予防啓発の取り組みの一環として、「かるく塩を使っておいしさを引き出す」という「かるしお」調理法の開発・普及に取り組んでいます。国循で開発された「かるしおレシピ」の書籍は、単なるレシピ本としてだけではなく循環器病予防における減塩の重要性を啓発する役割を担っています。
こういった「かるしお」活動に加えて、国民の皆様から、おいしい減塩食レシピを募集し、優秀なレシピを全国規模で推奨するイベント「S-1g(エス・ワン・グランプリ)大会」を過去5回開催してまいりました。
第6回S-1gでは、減塩活動が更に大きな広がりとなるようにとの願いを込めて、テーマを「まずは1品から!おいしく減塩お惣菜コンテスト」とすることで応募のハードルを下げ、多くの方々が応募しやすい企画としました。
減塩をはじめとする食生活改善は継続が難しいところですが、本コンテストを通じて創意工夫を凝らしたレシピが沢山集まり、楽しくおいしい食生活改善がより一層浸透することを期待しています。
2. 概要
・主催:国立研究開発法人国立循環器病研究センター
・共催:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
・スケジュール
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レシピ公募期間: 2023年9月1日(金)から2023年10月31日(火)正午まで
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一次審査(書類審査): 2023年12月上旬
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最終審査(実技審査): 2024年2月18日(日)
・実技審査会場:学校法人大和学園ラ・キャリエール クッキングスクール
(京都市中京区河原町三条上ル)
・賞および受賞特典
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国循賞(国循の病院食として一部アレンジして採用予定)
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おうちで簡単にできるで賞(家庭で手軽に調理できるお惣菜)
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医薬健栄研・災害栄養賞(災害時や緊急時に役立つレシピ)
受賞特典:賞金(最高20万円)授与、国循HP掲載、グッズ授与など
S-1g大会ロゴ
「国循のかるしおレシピ」(NHK出版)
過去大会の様子