会期中の6月29日(木)にアデランス共催のセミナーが実施され、大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授の河野 洋平先生が講演し、大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授の猪股 雅史先生が座長を務めました。
セミナーテーマは「最適な抗がん剤脱毛治療を探る」で、抗がん剤治療による脱毛を抑制する研究に関する知見が報告され、セミナー会場は満席の大盛況となりました。
日本乳癌学会は「乳がんに関する基礎的ならびに臨床的研究を推進し、社会に貢献するとともに、社員及び会員である医師等の乳がんの研究、教育及び診療の向上を図ること」を目的に、10,000人にも及ぶ会員数を擁する一般社団法人で、医師のみならず看護師も多く参加する学会です。第31回を迎える今回の学術総会は、「今輝き、未来を拓く~Evolution and Innovation~」をテーマに開催され、アデランスが本学会にセミナー共催するのは7回目となります。
■アデランス共催ランチョンセミナー 講演概要
テーマ
「最適な抗がん剤脱毛治療を探る」
座長
大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授
猪股 雅史先生
演者
大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授
河野 洋平先生
演題
毛包周囲環境から考える抗がん剤脱毛治療戦略
講演内容
がん治療の進歩により生存期間が延長し、働きながら外来で治療を続けるがん患者や、がん経験者が増加している現代では、治療に伴う外見変化に対するサポートを行い、QOL向上を目指す取り組みがますます重要になっている。大分大学ではこれまで抗がん剤脱毛の治療開発研究を中心としてがん患者のルックスケアに取り組んでおり、今回抗がん剤脱毛の現状とこれまでの研究成果について報告する。
抗がん剤脱毛の病態について、抗がん剤投与により毛包周囲では血管もダメージを受け、その透過性が亢進することで抗がん剤が毛包周囲へ漏出し、さらに毛包へダメージが拡がる。特に毛細血管が豊富な頭皮は影響を受けやすいものと考えられる。この病態に対し我々が注目するαリポ酸誘導体は毛包周囲の血管内皮細胞アポトーシスを抑制し、抗がん剤による血管透過性亢進を軽減する。さらに毛包周囲の酸化ストレスを軽減し、脱毛回復を促す可能性を示している。一方、現在最も臨床応用されている皮膚冷却法についても抗がん剤投与時に血管を収縮し透過性亢進を軽減する作用により、同様に脱毛予防または回復を促す作用を示すと考えている。
今後はこれらの有用な治療を組み合わせることにより、最適な抗がん剤脱毛治療が開発されることを期待している。
アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携でも毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社の CSR(企業の社会的責任)であると考えております。
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学会概要
学会名称:第31回日本乳癌学会学術総会
会期 :現地開催 2023年6月29日(木)~7月1日(土)
事後オンデマンド配信 2023年7月5日(水)~8月31日(木)予定
会場 :パシフィコ横浜 ノース(神奈川県横浜市)
※Web配信とのハイブリッド開催
会長 :がん研究会有明病院 副院長・乳腺センター長 大野 真司先生
※アデランス共催のセミナーは、6月29日(木)に開催しました。
※アデランスは会期中、企業展示コーナーにブース出展し、共催セミナーに関する質疑にお応えしました。また、ブースでは医療用ウィッグや外見ケア商品をご紹介しました。
株式会社アデランスは、おかげ様で2023年をもって創業55周年を迎えます。新時代を表す「NEXT ADERANS」として掲げ、創業当初からの理念「世界のブランド アデランス」を目指し、毛髪・美容・健康・医療・衛生のグローバルウェルネスカンパニーとして夢と感動を提供し続けていきます。