ISSとグラスルイス、三京化成の社長再任及び買収防衛策に反対を推奨

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議決権行使助言会社のISSとグラスルイスは、三京化成の定時株主総会における代表取締役の小川和夫氏の再任及び買収防衛策の更新に、取締役会の独立性担保等の観点から、反対を推奨しています。

三京化成株式会社(以下、「三京化成」)は6月28日に株主総会を開催し、代表取締役である小川和夫氏の再任や買収防衛策の更新等について決議を行う予定です。世界的大手の議決権行使助言会社であるISSとグラスルイスは、代表取締役の小川和夫氏の再任及び買収防衛策の更新にそれぞれ反対を推奨しています。主な理由としては、①取締役会の独立性が十分でないこと、②政策保有株式が多すぎること、③買収防衛策は経営者の保身手段となっていること等です。

Black Clover Limited(以下、「弊社」)は三京化成の発行済株式19.9%を保有する筆頭株主です。弊社は本年4月に招集請求しました三京化成の臨時株主総会においても主張している通り、以下の理由から、三京化成の企業価値向上のために、代表取締役の解任、買収防衛策の撤廃を訴えており、ISSとグラスルイスの両社とも弊社と同意見であるといえます。

・三京化成の過去5年のROE(自己資本利益率)平均値は1.7%と極めて低い水準であり、直近のPBR(株価純資産倍率)も0.5倍を下回っています。長年の低ROEを改善する経営計画の策定・公表を再三に渡り要請しましたが、それを一切示さない一方で、買収防衛策を導入し、代表取締役の息子を取締役に選任しております。こういった一連の行動はコーポレートガバナンスの観点から問題であると考えます。

・純資産比率で30%を大きく超える政策保有株式を保有する上場企業は極めて稀であり、コーポレートガバナンスコードの原則があるにも関わらず、具体的な定量的な評価も示さずに、特に保有額の大きい花王と大和ハウス工業の政策保有株式を削減しないことは問題であると考えます。またこの過大な政策保有株式が三京化成のROEを低下させる主要因であります。尚、弊社は政策保有株の保有に関する議論が適切に行われたかを確認すべく取締役会議事録の閲覧謄写請求を行い、現在大阪地方裁判所にて裁判中でございます。

・買収防衛策によって、経営陣の緊張感を欠けさせ、株主価値及び株価を高めるインセンティブが働かなくなっております。また株式投資家の売買に制限を与えることで株価上昇を妨げ、低PBRを招く要因でもあります。コーポレートガバナンスの不全を防ぐためにも、買収防衛策の廃止が株主全体にとって有益であると考えられます。

・尚、本年4月に開催されました臨時株主総会に先立ち公開質問状を送付しましたところ、回答準備の時間が足りないとのことで総会にて質問に対し回答すると返信を受けました。しかしながら臨時株主総会においても時間がない等の理由を付けて全ての質問に対しての回答はありませんでした。三京化成取締役会の株主軽視の姿勢は上場企業として果たすべき責任を全うしておらず、極めて重大な問題であると考えられます。

(参考)2023年3月23日 三京化成へ質問状、ガバナンスと資本政策の妥当性を問う(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000118281.html

したがって、ISSとグラスルイスの両議決権行使助言会社が断じているように、代表取締役である小川和夫氏再任への反対、買収防衛策の更新への反対は妥当であると考えます。三京化成の株主の皆様におかれましては、上述の背景と議決権行使助言会社の意見を重く受け止め、適切な議決権行使を行うことを推奨いたします。

《Black Clover Limitedについて》

Black Clover Limited(代表取締役 坂本俊吾 https://jp.blackclover.ae/)は、独立系資産運用会社です。長期的な資産価値向上を目指し、市場の非効率性に注目して独自の運用手法を用いて最大限の収益を追求し、伝統的資産の値動きと異なるリターンを追求します。グローバルな資産運用会社が行う最新の投資手法を用いた革新的な資産運用を実践します。そして、金融市場に流動性を提供し、世界の経済発展に寄与することを目的としております。

《本リリースに関する問い合わせ先》

Black Clover Limited

inquiry@blackclover.ae

《免責事項》

本プレスリリースは、委任状勧誘(議決権の代理行使の勧誘)に関する規則が適用されるような、議決権の代理行使を勧誘する意図はありません。また、弊社は、株主の皆様に対して、共同で議決権を行使することを何ら勧誘・請求するものではありません。

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