沖縄県が抱える課題
トビイカは、かつて昭和40年代には300tを超える水揚げがあり沖縄の食文化として根付いていましたが、近年は30t程と減少しています。その背景としては、モズク養殖やマグロ漁業への漁業転換、またトビイカは他のイカ類より味が落ちることから高値が付かない傾向にあるといったことが挙げられており、今では低利用魚種のひとつとなってしまっています。沖縄県は、水揚げ量の減少と世代交代によって食文化自体がなくなってしまうことを危惧しており、需要と食文化の存続に向けてトビイカの魚食普及を推進したいと考えています。
参照:沖縄県水産海洋技術センター (低利用資源トビイカの漁協事業連携)より
https://www.pref.okinawa.jp/fish/kenkyu/suisankairyo-data/hukyuuh29.htm
フーディソン 商品開発者インタビュー
トビイカは加熱すると固くなったり生では甘みが感じられないといった品質の評価から、商品開発が難しいジャンルのイカでした。本来であればこういったイカを商品化しようと思わないのですが、沖縄県漁連様から相談いただき、なんとかしたい想いでチャレンジしてみることにしました。試行錯誤の末、ひらめいたのがキムチのような味。たまたま食の展示会でバイヤーメンバーが持ち帰ってきた「ピリ辛のタレ」のサンプルが目につき「ピリ辛のタレは、トビイカの負の部分を消して、美味しくなるのでは?これは、キムチのような味だったら合うんじゃないか」と、思いつきました。商品アイディアって会議でうまれるようなものではなくこういった瞬間に舞い降りてくることが多いですね。試作の結果、トビイカのねっとりしたよい食感があり、生でもおいしく食べられる状態に。まだチャレンジは始まったばかりなので、引き続き仕入れ、販売量を拡大していきたいです(当社MDチームマネージャー 星野健一郎)
商品情報
商品名:いちゃキムチ―
名前の由来:いちゃ(沖縄方言のいか)+ キムチ
販売店舗:サカナバッカ全店
店舗情報:https://sakanabacca.jp/blogs/store
*いちゃキムチ―の製造は、青森県八戸市 鮮魚・水産加工品の販売会社「マルヌシ」へ委託
sakana baccaについて
sakana baccaは都内に9店舗(中目黒、都立大学、中延、エキュート品川店、五反田、豪徳寺、エキュートエディション新橋店、グランスタ東京店、グランスタ丸の内店)を展開する魚屋です。日本の豊かな「魚食」の文化を一般の方にも広く伝えたいという想いから、日本の風景から減りつつある街の魚屋をモダンにアップデートし、食べて美味しいだけではなく、魚を知り、体験できるお店作りを目指して、東京ではあまり流通していない魚種や高鮮度の鮮魚を産地や市場から仕入れています。SNSやECなども活用し、オンラインとオフラインを掛け合わせた新しい購買体験を提供することで魚離れの進む若い世代も含め幅広い世代にご利用いただいています。
魚ポチについて
URL:https://uopochi.jp/
魚ポチは飲食店向けに全国の産地や中央卸売市場から仕入れた商品をインターネットを介して卸売りするサービスです。飲食店は各店コンセプトやメニューが違い、また店頭在庫に応じて日々の仕入れを管理する必要があり、その多くは自ら卸売市場に出向き在庫の補充や当日のメニューを考えていました。魚ポチではあらゆる飲食店の経営者及びスタッフがより店舗運営に集中できるように、日々3,000種類以上の商品をウェブサイト上で販売しており、魚1尾から商品を店頭まで配送しています。現在は登録店舗が25,000店舗を超え、多くの店舗にご利用いただいております。
株式会社フーディソンについて
URL:https://foodison.jp/
note:https://note.com/foodison/
創業メンバーとして上場まで果たした医療介護系の会社を辞めた山本徹が、ある三陸のサンマ漁師から「船のガソリン代も稼げない」「息子には漁師を継がせたくない」という話を聞いたのをきっかけに水産業に問題意識をもち、2013年4月に当社を設立しました。現在は「生鮮流通に新しい循環を」というビジョンを掲げ、飲食店向け生鮮品EC『魚ポチ』、いつも新しい発見のある街の魚屋『sakana bacca』、フード業界に特化した人材紹介サービス『フード人材バンク』を展開しています。