SyntheticGestalt、独自AI技術により東京工業大学と新規PET分解酵素4種を発見

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本日、SyntheticGestalt株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:島田 幸輝、以下「SyntheticGestalt」)は、国立大学法人東京工業大学(所在地:東京都目黒区、学長:益一哉、以下「東工大」)との共同研究にて、4種の新規PETase(PET加水分解酵素)を発見したことを発表いたします。この発見は、SyntheticGestaltの新酵素発見AIプラットフォームを利用した結果となります。

本プロジェクトでは、約2.3億件の機能未知のアミノ酸配列データの中から、新規性のある(既知の酵素とアミノ酸配列の相同性が75%未満である)PETaseの発見を目指し、AIプラットフォームを用いて探索を進めてきました。その結果、4種の新規PETaseの発見に成功しました。

PETは人間の大量生産により自然界に広く存在するようになり、微生物がそれに適応進化した結果としてPETaseが発生したと考えられています。したがって、PETaseを持つ微生物は僅かしか発見されておらず、その制約の下に新規酵素を発見することは難易度の高い課題でした。弊社独自のAIプラットフォームを利用した、この新規酵素発見は大きな成果であると言えます。

具体的な成果として、今回は進化的に別系統のものだと考えられているPETase(Type1・Type2)の両方から新酵素を発見し、東工大・地球生命研究所(ELSI)の藤島皓介准教授と共同で、それぞれ異なる物理的形状や結晶度のPETポリマーに対して基質特異性を持つことを実験にて確認しました。これらの特性は、既存技術では再利用が困難なPET廃棄物(例:食品トレイ)をも再利用可能にすることを示唆します。

PETaseによるPET分解技術は、現行のリサイクル技術(ケミカル方式・メカニカル方式など)と比較して、低コスト・低炭素・高純度なリサイクルを可能にし、持続可能な社会の実現への貢献が期待できます。

SyntheticGestaltはAI創薬を始めとするライフサイエンス領域に特化した人工知能の研究開発企業です。創薬による人類への貢献に限らず、独自に開発した人工知能技術を利用した有用物質の発見を重点分野として研究開発を進めています。本研究の当該AIプラットフォームはクラウドベースでスケーラブルな構造を持っており、数億件にわたる膨大なアミノ酸配列ライブラリに対して予測を行うことができ、PET分解のみならず様々な酵素機能を予測することが可能です。公的機関や民間企業との共同研究を広く募り、オープンイノベーションを推進しています。

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