協働運搬ロボット【サウザーライト】を新発売。“歩行補助車等”に該当する国内初の自動追従ロボット

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株式会社Doog(茨城県つくば市、代表取締役社長:大島章、以下「当社」という。)は、2021年1月に発表いたしました「サウザーライト」の日本国内販売を開始することをお知らせいたします。
サウザーライト(型番:RMS-ECO1)は倉庫や商業施設などで運搬業務用に使用されることを想定した協働運搬ロボットです。道路交通法が定める“原動機付きの歩行補助車等”に該当する設計であり、様々なフィールドで活用しやすい車体サイズや最高速度です。当社のラインナップでもっともシンプルな用途と機能の製品のため、簡単に導入していただけます。「作業者が誰でもロボットを使いこなせて、ロボットが人の重負荷を肩代わりする」という高い協働性によって、現場の生産性向上や雇用・労働環境の改善を実現できます。作業者が先導することで交差路での視認性がよく、ロボット自身も広視野なレーザセンサで周囲の人との衝突を回避します。このため、カートを手押しする従来の運用よりも安全性向上に繋がります。

■活用シーン

サウザーライトは荷台の上に直接荷物を載せる他にも、現場で使用している既存の作業機器を固定することで追従式の作業カートを構築することができます。操作者の後ろをスムーズかつスピーディについてくるため、作業と移動を繰り返す場合の効率を高めたり、2倍以上の容量を運搬することができます。軽い物は人が手押しカートに載せて運び、重量物はロボットの荷台に載せて追従させる分担によって作業負荷を下げることもできます。また、操縦スティックが常に手元にあり、自動追従機能と操縦機能をすぐに切り替えて操作することができる使い勝手は既存製品からご好評いただいております。
サウザーライトは工場や倉庫などの事業者の専用空間における使用だけでなく、商業施設などサービス現場でも下記のように効果の高い活用シーンが見込まれます。 

① ピッキング作業者は手押しカート+サウザーライトによって大容量な作業ができる
② 施設内の清掃・ゴミ回収がスムーズで軽負荷な作業になる
③ EC配送や館内配送で駐車場と配達先の往復回数を減らして作業時間を短縮できる

サウザーライト活用シーンサウザーライト活用シーン

■製品開発の背景と実績
2015年から販売している協働運搬ロボット【サウザー】には、発売当初から自動追従機能が備わっており、工場や倉庫を中心として多くの現場に導入が広がっています。発売から7年間でサウザーは「カスタマイズ性に優れ、個別の現場向けソリューションを構築できる【サウザーEシリーズ】のミニ・スタンダード・ジャイアントの3機種」と「買ってそのまま使えるパッケージ製品の【サウザーベーシック】」としてラインナップを充実させてきました。
この度、さらに多くのお客様でご活用していただけるよう、お求めやすく手軽に使えて簡単に導入できる製品として【サウザーライト】が加わりました。自動追従機能と操縦機能のみで荷物を積載して運搬するサウザーライトは当社のラインナップにおけるもっともシンプルな製品です。

また、2021年4月のつくば市リリース(※1)の通り、当社の自動追従機能を有するロボットは所定の要件を満たすことで“原動機付きの歩行補助車等”に該当することを警察庁交通局交通企画課に確認しました。これは令和3年(2021年)2月5日付、警察庁交通局交通企画課理事官名の事務連絡において新たに解釈が示されたものです。当社では、運搬業務用の自動追従ロボットとして国内で初めて確認を受けました。歩行補助車はナンバー不要・免許不要で誰でも歩道で使用することができる機器です。このため例えば、歩道を横断する必要のある現場作業や、トラックの駐車場所から現場までに歩道の通行が必要な場合の運搬業務でも手軽に使用することが出来ます。サウザーライトは原動機付き歩行補助車等の要件に基づき、最高速度や車体サイズや停止機能を設計しました。なお、無人で運用するための高度な自動走行機能は非搭載となっています。
サウザーライトは当社のシンガポール子会社がコンセプト試作を担当し、2021年1月に香港に拠点を持つパートナー事業者が病院内のスタッフの配送サポートに試験導入をした実績があります。また、製品化のための改良を継続し、2022年4月の三井不動産株式会社の発表(※2)において、東京ミッドタウン八重洲で運用されることも決定しています。また、サウザー既存製品で自動追従機能を活用する例としても、シンガポールのチャンギ国際空港内のフロア内配送(※3)など多数の実績があります。 

※1 https://www.city.tsukuba.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/829/2021NO15.pdf
※2 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000272.000051782.html
※3 https://www.sbbit.jp/article/cont1/33699

■仕様の概要
荷台は長さ80cm×幅60cmであり積載重量は100kgまでです。サウザーEシリーズ(スタンダード・RMS-10E1)やサウザーベーシック(RMS-10B1)と比べると荷台は長さ方向に5cm広くなっていますが、車体前方を円形にして操作部を薄く配置したことで全長は短くなりました。また、荷台の高さは約36cmであり約10cm低くなりました。このため積載運搬の専用ロボットとして、容積を増加しながらコンパクトで小回り性が向上しています。最高速度は6km/hに設定されており、複数の速度モードを選択できるため運用シーンに応じて安全に配慮できます。
タイヤはライトグレー色で、床にタイヤ痕が残りにくい/目立ちにくいことを配慮しています。段差踏破は2cmまで可能で、点字ブロック/グレイチング/エレベータの扉の隙間などを走破できます。斜面は6度まで対応するため、バリアフリーの環境などを走行することができます。防水性はIPX2で、上からの水濡れに対して故障しないほか、路面に水濡れがある場所で走行した場合でも電気系統が故障しないことを保証します。操作者の特定や障害物の検知に使用するレーザセンサは昼夜を問わず安定した計測が可能です。センサの視野は車両のほとんど全周をカバーするため、横に居る人も検知します。これらの走行環境性能は、屋内外の様々な現場の使いやすさに繋がります。
電池は着脱容易なバッテリーパックで、本体に搭載した状態でも取り外した状態でも充電ができます。また、交換用バッテリーパックを用意しておくことで、より長時間な運用でも対応できます。無人で運行するための高度な自動走行機能(ライントレースやメモリトレース)を有さないことから、当社の既存製品と異なり非常停止ボタン、バンパーセンサ、警報装置などは標準搭載しないシンプルな構成です。
なお、サウザーライトの荷台サイズが65cm×55cmのコンパクト版(型番:RMS-ECO2)の仕様は、荷台サイズを除いて共通です。 

■操作方法の概要
サウザーライトの正面に操作者が立ち、手元の押しやすい位置にある操作部のボタンを押すとすぐに自動追従機能が開始されます。操作者の歩く速度に応じて、停止距離を調整して後ろを走行します。
※自動追従機能の参考動画(https://youtu.be/8-CcklPzvyo
注意:既存製品の動画です。サウザーライトは牽引に使用できません。

 

安全設定として自動追従機能は操作者がサウザーライトから2mよりも離れた位置ではアラートを鳴らして走行を停止して待機します。スティックを倒すとすぐに操縦機能に切り替わり、スティックを倒した方向へ走行します。
例えばエレベータなど狭い場所で切り返しをしてサウザーライトを積み込む必要がある場合でも、手元で機能がすぐに切り替えられて扱いやすいことから使い勝手の良さを実感していただけます。操縦状態になってスティックを動かしていない場合には、30分で自動的にシャットダウンする電源切り忘れ防止機能があります。また、電源を入れなおす場合でも約10秒の短時間で起動します。

■別売りの機器
1.交換用バッテリーパック
電池劣化時の改修や、長時間の運用ができます
2.予備充電器
付属充電器で本体を充電しながら、同時にバッテリーパック単体も充電できます
3.無線停止ボタン
離れた位置からでも操作者が直ちに自動追従機能を停止できます
4.荷物留めプレート4枚セット
荷物のはみ出しや落下を防ぐために、ネットやロープやバンドを固定できます 

■お問い合わせ
本リリースに関してご不明な点および価格や納期については、当社ウェブサイトのお問い合わせフォーム(https://doog-inc.com/general/)よりご連絡ください。また、サウザー取扱事業者やECサイトからもご購入を検討いただけますが、この場合でもお問い合わせの内容等によって回答に少々お時間をいただく場合がございます。導入時には取扱説明書の注意事項等を確認し、安全な運用のためのリスクアセスメントを行い、各現場において運用ルールを策定してご利用ください。段差、斜面、濡れた路面では走行が不安定になる恐れがあるため、軽量または低重心な積載物や、低速での運用をしてください。歩道を横断・通行して運用する場合には、最新の道路交通法および関係文書の状況を確認し、ロボットの操作および挙動を十分に熟知した操作者が周囲の安全に配慮してください。また、実施内容によって道路使用許可申請などが必要な場合がありますので、公道での運用についてご不明点がある場合には必ず最寄りの警察署へご確認ください。なお、サウザーライトは本発表時点で型式認定を取得しておりません。

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