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調査サマリー
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調査概要
調査概要:大企業における発達障害のある社員の対応実態に関する調査
(※発達障害とは、神経発達に関連する状態の総称であり、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)などが含まれます。)
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年4月10日〜同年4月11日
有効回答:大企業(従業員数1,000名以上)の人事担当者104名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「株式会社メンタルヘルステクノロジーズ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
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発達障害のある社員を、採用の段階で把握できているのは半数
「Q1.発達障害や適応障害のある社員を、採用の段階で把握できていますか。」(n=104)と質問したところ、「かなりできている」が17.3%、「ややできている」が32.7%という回答となりました。
・かなりできている:17.3%
・ややできている:32.7%
・あまりできていない:21.2%
・全くできていない:8.7%
・わからない/答えられない:6.7%
・採用に関わっていない:13.5%
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半数以上が「雇用後に、社員に発達障害や適応障害があると判明した経験」あり
「Q2.雇用後に、採用した社員に発達障害や適応障害があると判明した経験はありますか。」(n=90)と質問したところ、「何度もある」が14.4%、「数回程度ある」が38.9%という回答となりました。
・何度もある:14.4%
・数回程度ある:38.9%
・一度だけある:14.4%
・一度もない:24.4%
・わからない/答えられない:7.8%
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発達障害や適応障害のある社員への対応、約半数が「マニュアルや規定」が未整備
「Q3.発達障害や適応障害のある方への対応についてのマニュアルや規定が整備されていますか。」(n=104)と質問したところ、「非常に整備されている」が5.8%、「やや整備されている」が27.9%という回答となりました。
・非常に整備されている:5.8%
・やや整備されている:27.9%
・あまり整備されていない:31.7%
・全く整備されていない:17.3%
・わからない/答えられない:17.3%
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発達障害や適応障害のある社員への対応、「より丁寧な業務指示をする」、「必要な配慮を明確にする」など
「Q4.発達障害や適応障害のある社員に、どのような対応を心がけていますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「より丁寧な業務指示をする」が47.1%、「必要な配慮を明確にする」が46.2%、「定期的に面談を実施する」が40.4%という回答となりました。
・より丁寧な業務指示をする:47.1%
・必要な配慮を明確にする:46.2%
・定期的に面談を実施する:40.4%
・時間に余裕を持った業務を振り分ける:37.5%
・日々の状態・調子の変化を観察する:33.7%
・相手に寄り添ったフィードバックをする:23.1%
・その他:0.0%
・特にない:8.7%
・わからない/答えられない:17.3%
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その他の心がけ、「寄り添う指導」や「厳しく叱らない」など
Q4で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.Q4で回答した以外に、発達障害や適応障害のある社員に、心がけている対応方法があれば自由に教えてください。(自由回答)」(n=86)と質問したところ、「寄り添う指導」や「厳しく叱らない」など51の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・40歳:寄り添う指導。
・63歳:相手と時間をかけて話す事で、気持ちをほぐすよう努めている。
・27歳:メンバーからの直接の連絡をなくす。
・45歳:毎日の業務の進捗状況を報告してもらう。
・60歳:定期的に産業医面談を受診させる。
・55歳:基本的にはお客様対応をさせず、内勤で事務職を担当させる。
・44歳:厳しく叱らない。
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発達障害や適応障害のある社員への対応、産業医に相談できているのは56.8%
「Q6.発達障害や適応障害のある社員への対応に関して、産業医に相談できていますか。」(n=104)と質問したところ、「かなりできている」が21.2%、「ややできている」が35.6%という回答となりました。
・かなりできている:21.2%
・ややできている:35.6%
・あまりできていない:14.4%
・全くできていない:10.6%
・わからない/答えられない:18.3%
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発達障害や適応障害のある社員への対応、6割以上が課題を実感
「Q7.発達障害や適応障害のある社員への対応について、課題を感じていますか。」(n=104)と質問したところ、「かなり感じている」が23.1%、「やや感じている」が37.5%という回答となりました。
・かなり感じている:23.1%
・やや感じている:37.5%
・あまり感じていない:15.4%
・全く感じていない:5.8%
・わからない/答えられない:18.3%
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具体的な課題、「発達障害や適応障害についての正しい理解ができていない」や「細かい配慮ができていない」など
Q7で「かなり感じている」「やや感じている」と回答した方に、「Q8.発達障害や適応障害のある社員への対応について、感じている課題を教えてください。(複数回答)」(n=63)と質問したところ、「発達障害や適応障害についての正しい理解ができていない」が55.6%、「細かい配慮ができていない」が46.0%、「効果的なフィードバックができていない」が44.4%という回答となりました。
・発達障害や適応障害についての正しい理解ができていない:55.6%
・細かい配慮ができていない:46.0%
・効果的なフィードバックができていない:44.4%
・発達障害や適応障害のレベルに合わせた対応ができていない:42.9%
・適切なマネジメントに関する相談相手がいない:39.7%
・適切なタスクのアサインができていない:39.7%
・発達障害や適応障害があるかどうかがわからない:15.9%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.6%
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「現場の理解が進まない」や「マニュアル通りにいかない」などの課題も
「Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。Q9で回答した以外に、発達障害や適応障害のある社員への対応について、感じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=62)と質問したところ、「現場の理解が進まない」や「マニュアル通りにいかない」など41の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・49歳:現場の理解が進まない。
・63歳:リフレッシュできる環境をつくれていない。
・27歳:かかっている負荷について把握しきれない。
・32歳:マニュアル通りにいかない。
・56歳:職務振分け。
・60歳:業務量の配慮や、適切な異動。
・29歳:グレーゾーンの人がおり、対応に困っている。だからと言って上司が何か対応や配慮をしてくれる気配はない。誰も悪者になりたくなく、結局放置で現場の人間が困っていて心を病む。
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まとめ
今回は、大企業(従業員数1,000名以上)の人事担当者104名を対象に、大企業における発達障害や適応障害のある社員への対応実態に関する調査を実施しました。
大企業の人事担当者は、社員が発達障害や適応障害があるかどうかについて、採用段階で把握できているのは半数にとどまることが判りました。また、半数以上は雇用後に社員に発達障害や適応障害があると判明した経験があり、雇用する前の把握はかなり困難である実態が明らかとなりました。さらに、発達障害や適応障害を持つ社員への対応マニュアルや規定に関しても、約半数が未整備と回答し、現場では丁寧な業務指示や、必要な配慮を明確にするなど、人事担当者個人の裁量に任せた対応になっていることが判りました。この状況に6割以上が課題を実感しており、発達障害や適応障害についての正しい理解ができていないことや、細かい配慮ができていないことが浮き彫りとなりました。
今回の調査では、大企業の人事担当者の6割以上が、発達障害や適応障害のある社員に対する日頃の対応に頭を悩ませている実態が明らかとなりました。人事としてできる限りの対応をしても現場の理解が進まない、マニュアルがあってもその通りにいかないことがあり、現場に合わせたマニュアルや規定の策定が急務です。対応に関して産業医に相談しているのは全体の約半数にとどまっており、今後は積極的に産業医の意見を取り入れることも有効だと言えるのではないでしょうか。
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メンタルヘルスソリューションサービス「産業医クラウド」
「産業医クラウド」は、従来産業医が行っていた産業医業務を整理し、産業医のみが実施できる業務と保健師等の産業医以外の専門家やスタッフ、及びクラウドサービスに置き換え可能な業務に切り分け、企業における産業医業務に係る事務負担とコストを引き下げつつ従業員の健康管理の質を高めるというサービスです。これまでに1,300社以上の企業でお使いいただいています。
月額3万円(税別)からはじめられ、厚生労働省が提唱する4つのメンタルヘルスケアをサポートすることはもちろん、企業の健康経営を推進するためのクラウドサービス「EPLIS(エルピス)シリーズ」などさまざまなサービスを利用可能です。
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会社概要
『ウェルビーイングのスタンダードを創る』をビジョンとし、クラウドの活用と企業における最適なメンタルヘルスケア体制の構築によって「心身の健康問題を考えることが身近になる世界」を実現することを目指す企業です。産業医及び保健師等による役務提供サービスと労働者の心身の健康管理に関する各種クラウド型サービス「ELPIS(エルピス)」をパッケージ化した「産業医クラウド」を提供しています。
企業名 :株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
代表 :代表取締役社長 刀禰真之介
設立 :2011年3月
所在地 :東京都港区赤坂3-16-11 東海赤坂ビル4階
事業内容 :メンタルヘルスソリューション事業 (親会社、子会社)
デジタルマーケティング事業(親会社、子会社)
メディカルキャリア⽀援事業(子会社)
連結子会社:株式会社Avenir(アヴェニール)
株式会社ヘルスケア DX(ディーエックス)
株式会社明照会労働衛生コンサルタント事務所