インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍に対するペマジール(R)(ペミガチニブ)の適応追加承認を取得

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米国デラウェア州ウィルミントン、東京―2023年3月27日―インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社(本社:東京都千代田区、ジェネラルマネージャー:ローター・フィンケ、以下「インサイト・ジャパン」)は本日、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤であるペマジール(R)(ペミガチニブ)について、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療薬として適応追加承認を取得したことを発表しました。FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍は、骨髄細胞(骨組織)が過剰に増殖し、急速に急性骨髄白血病に進行することもあります。

米国デラウェア州ウィルミントンに本社を置くインサイト・コーポレーション(以下「インサイト」)のアジア地域を統括する、インサイトのバイス・プレジデントおよびインサイト・ジャパンのジェネラルマネージャー、ローター・フィンケ(M.D., Ph.D.)は、次のように述べています。「ペマジール(R)は日本で初めて承認されたFGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療薬です。今回の厚生労働省の承認は、この希少疾患に苦しむ日本の患者さんに治療薬をお届けする重要な一歩となります。FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍はこれまで世界でも患者の報告が100名に満たない大変希少な疾患ですが、当社はこのような活動を通じ、重大なアンメット・メディカル・ニーズの解決策を導き出すことにコミットして参ります。」

今回の承認は、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍患者41名を対象とし、ペマジール(R)の安全性と有効性を評価する国際共同、非盲検、単群、第II相FIGHT-203試験のデータに基づくものです。本試験の被験者は、連日投与または間欠投与でペマジール(R)13.5 mgを1日1回経口投与されました。主要評価項目とした治験担当医師の判定に基づく完全奏効率は62.5%(95%信頼区間:45.8-77.3)であり、連日投与集団の完全奏効率は66.7%(95%信頼区間:46.0-83.5)でした。

ペマジール(R)を投与された患者の中で最も多く見られた副作用は、高リン血症(70.7%)、脱毛症(56.1%)、下痢(43.9%)、口内炎(43.9%)でした。

ペマジール(R)は、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けております。厚生労働省は、国内患者数が50,000人未満で、メディカルニーズが高い希少疾患の治療薬として開発中の化合物に対し、希少疾病用医薬品の指定を付与します(1)。希少疾病用医薬品に指定された医薬品は、製造販売承認の優先審査の対象となり、医療現場へのより迅速な提供が図られます(1)。

FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍は、きわめてまれな血液がんの1つで染色体のFGFR1遺伝子が存在する領域(8番染色体短腕11-12領域:8p11-12領域)が切断され、別の染色体の断片(遺伝子)と融合した染色体異常(転座)によって引き起こされます。さまざまなパートナー遺伝子がFGFR1チロシンキナーゼの活性化を誘導し、その結果、がん細胞の増殖と生存に影響を及ぼします。これらのがんは、その臨床症状により二つの段階に大別され、骨髄増殖性疾患または骨髄異形成症候群と診断された場合は慢性期、急性白血病と診断された場合は急性期に分類されます。予後は不良で、治癒あるいは長期寛解が期待できる治療選択肢は、現在、造血幹細胞移植のみとされておりますが、標準治療は確立されておりません。 

FIGHT-203試験について
FIGHT-203試験は、18歳以上のFGFR1融合遺伝子陽性 骨髄性又はリンパ性腫瘍患者を対象とした国際共同の第II相臨床試験です。インサイト主導の本試験では、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍成人患者に対するペマジール(R)の安全性と有効性を評価しました。被験者は、21日間のサイクルで、連日投与(FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍患者に対し承認されている投与スケジュール)または間欠投与(FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍患者に対し承認されていない、14日間投与後に7日間休薬する投与スケジュール)により、ペマジール(R)13.5 mgを1日1回投与されました。同剤は、疾患の進行または許容毒性を超えるまで、あるいは造血幹細胞移植を受けることができるまで投与されました。本試験の詳細は、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03011372 をご覧下さい。

ぺマジール(R)(ぺミガチニブ)について
ペマジール(R)は、米国では、米国食品医薬品局(FDA)承認の検査法によって FGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成が検出され、治療歴を有する、治癒切除不能な局所進行性または転移性の成人胆管がんを適応症として承認されているキナーゼ阻害剤です(2)。本適応症は、同剤が示す全奏効率および奏効期間に基づき、迅速承認制度により承認を取得しました。

ペマジール(R)は、再発性あるいは難治性のFGFR1再構成を伴う成人骨髄性又はリンパ性腫瘍に対し、米国において初めて承認を取得した標的治療です。

日本では、がん化学療法後に増悪した FGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん、およびFGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療薬として承認を取得しています。

欧州では、1サイクル以上の全身療法後に増悪した、FGFR2 融合遺伝子陽性または遺伝子再構成を認める局所進行性または転移性成人胆管がん治療薬として承認を取得しています。

ペマジール(R)はFGFR1、2、3に対して強力かつ選択的な阻害作用を有する経口阻害剤であり、非臨床試験ではFGFR遺伝子異常を伴うがん細胞に対し選択的薬理活性を示しています。

ペマジール(R)は、米国、欧州、および日本で製造販売されています。

インサイトは、ペマジール(R)の中国本土、香港、マカオ、台湾での血液・腫瘍領域における開発・販売の権利を Innovent Biologics, Inc.に付与しています。これらの国・地域を除き、米国外でのペマジール(R)の開発および販売に関する権利は、すべてインサイトに帰属します。

ペマジール(R)(Pemazyre (R))はインサイトの登録商標です。

インサイトについて
インサイトは、米国デラウェア州ウィルミントンに本社を置く、グローバルなバイオ医薬品企業です。自社開発治療薬の創薬、開発、販売を通じて、最も重要なアンメット・メディカル・ニーズへのソリューションの追及に全力を尽くしています。インサイトに関する詳細な情報は、当社ウェブサイト( http://www.incyte.com/ )または当社ツイッター( https://twitter.com/ )をご覧ください。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社に関する詳細は、 https://www.incyte.jp/ をご覧ください。

将来の見通しに関する記述
本プレスリリースに記載されている過去の情報を除き、本プレスリリースに記載されている事柄には、ペマジール(R)がFGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療選択肢となる可能性やその時期、またはペマジール(R)のさらなる開発に関する記述など、予測や推定、その他の将来の見通しに関する記述が含まれます。

こうした将来の見通しに関する記述は、当社の現時点での予測に基づくもので、リスクや不確実性から、実際の結果が大きく異なる場合があります。またそうしたリスクや不確実性には、予想外の展開およびリスクとして、予期しない遅滞、今後の研究開発や臨床試験結果が薬事基準を満たすことまたは開発継続を保証することに失敗するか不十分なものとなる可能性、臨床試験のための十分な症例数を予定どおりに組み入れる能力、米国食品医薬品局(FDA)、厚生労働省やその他規制当局による決定、提携パートナーとの関係への当社の依存度、当社の製品や提携パートナーの製品の有効性および安全性、当社の製品や提携パートナーの製品の市場における受容度、市場における競合状況、販売・マーケティング・製造・流通の要件、予想を上回る経費、訴訟や戦略的活動に関連する経費、米国証券取引委員会に提出した報告書(2022年12月31日締めの年間報告を含む)で随時詳述したその他のリスクがあります。当社にはこうした将来の見通しに関する記述を更新する意図はなく、その義務も負いません。

免責事項本プレスリリースに記載された医薬品の情報は、インサイトの企業情報の開示を目的としたものであり、開発中の医薬品を含むいかなる製品の広告や販売促進を意図するものではありません。

参考文献
1 「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要」、厚生労働省の
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html
2 ペマジール(R)(ペミガチニブ)[添付文書]、米国デラウェア州ウィルミントン、インサイト、2020年

【プレスリリースはこちらのPDFでもご覧になれます。】
https://prtimes.jp/a/?f=c-60544-2023032711-dc5d8f91fe966b6ef59644073e823779.pdf

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