【イベントレポート】「サステイナブルな食と農の未来を加速する:急成長するグローバルなアグリ・フードテックのスタートアップシーンと日本」

この記事は約8分で読めます。
株式会社SDGインパクトジャパンは、AgFunder SIJ Impact Fundのローンチを記念して「サステイナブルな食と農の未来を加速する:急成長するグローバルなアグリ・フードテックのスタートアップシーンと日本」を開催。リアルでは60名、オンラインを合わせると100名を超える方々に参加いただきました。三部構成のセミナーでは、AgFunderの取り組みと日本のアグリテックスタートアップへの期待、食品業界の大企業がスタートアップとアグリテック領域に取り組む意義などを議論しました。
株式会社SDGインパクトジャパン(共同代表取締役:小木曽 麻里、ブラッドリー・ブセット、以下「SIJ」)は、AgFunder SIJ Impact Fundのローンチを記念して、リアル・オンラインのハイブリッドイベント「サステイナブルな食と農の未来を加速する:急成長するグローバルなアグリ・フードテックのスタートアップシーンと日本」(以下「本イベント」)を開催しました。

リアルでは60名、オンラインを合わせると100名を超える方々に参加いただき、セミナー後の交流会も大幅に延長しての終了となりました。

SIJと、シンガポールのベンチャーキャピタルAgFunder Asia Pte Ltd.はアグリテック及びフードテックに投資するインパクトファンド「AgFunder SIJ Impact Fund」を今年3月18日付けでファーストクローズいたしました。明治ホールディングス株式会社とアサヒグループホールディングス株式会社により総額10百万ドルの出資を受け、持続可能な食糧システムを実現する可能性を持つ優れたスタートアップをグローバルに発掘・投資活動を行なっています。

■イベントの様子
【第一部】AgFunder及びAgFunder SIJ Impact Fundの紹介

第一部ではAgFunderの創業者兼マネージングパートナーであるMichael Deanより、オンラインでAgFunderとAgFunder SIJ Impact Fundの紹介を行いました。
 

アグリテックに特化したメディア企業としてのAgFunderと、ファンド事業に至る変遷、そして今回AgFunder SIJ Impact Fundの設立にまでの道のりを紹介しつつ、AgFunder SIJ Impact Fundのファンドコンセプト、投資を通じてどのような形でインパクトを創出していくかなどについて話しました。

 【第二部】パネルディスカッション♯1
「グローバルなシーンにおける日本のアグリ・フードテックへの期待とAgFunder」
第二部では、現在AgFunderの投資ポートフォリオ唯一の日本企業であるインテグリカルチャー株式会社のCEO 羽生 雄毅氏及び、AgFunderのアジア地域を統括するAgFunder Asia, Executive Director、John Friedmanがパネルとして参加し、食と農に特化したコンサルティング会社である株式会社メロス 代表取締役の小倉千沙氏のモデレートの下で行われました。

インテグリカルチャーは、今年1月のシリーズAラウンドで7.8億円を調達し、AgFunderを含む海外VCからの出資を受け入れました。羽生氏より、海外VCから出資を受け入れることがどのような事業への変化をもたらしたかお話しいただきました。特にAgFunderなどが持つ海外VCのネットワークやリソースが海外展開へのステップに貢献した点を強調されていました。

 AgFunder AsiaのJohnからは海外VCからの調達を進めるにあたり、ファンドの投資方針や過去のポートフォリオなどの下調べの重要性が提起されました。

 【第三部】パネルディスカッション # 2
「急成長するグローバルなアグリ/フードテック投資とESG/インパクト」

第三部では、SIJ 共同代表取締役の小木曽麻里がモデレーターを務め、AgFunder SIJ Impact FundのLPである、明治ホールディングス 価値共創センター センター長 長田 昌士氏、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ 新規事業開発部 部長 前田 匡毅氏に加え、ESG投資の専門家 ニューラル 代表取締役CEO 夫馬 賢治氏を迎えてのパネルディスカッションを実施しました。

今回出資を決めた明治HD、アサヒHDの両社ともに、AgFunder SIJ Impact Fundへの出資を通じた自社の新規事業や研究開発への貢献を期待するとともに、サステイナブル投資やインパクト投資の領域への関心が高く、本ファンドを通じて、企業としてサステナビリティへ取り組みのレベルアップにつなげることを期待していました。

夫馬氏からは、食品・農業の業界が、サステナビリティにおける「解」をまだ持ち合わせていない点についてコメントがありました。例えばエネルギー業界における水素や太陽光、自動車業界におけるEVなどは、サステナビリティを考慮した代替ソリューションが生み出されつつあるのに対し、食品や農業の産業では明確なソリューションが未だ見えておらず、より積極的な解探しへの取り組みが必要ではないかとの指摘がありました。

■イベント概要
サステイナブルな食と農の未来を加速する:急成長するグローバルなアグリ・フードテックのスタートアップシーンと日本
【日時】 5月11日(水)18:00-20:30(セミナー18:00-19:30, 交流会19:30-20:30)
【主催】 株式会社SDGインパクトジャパン
【共催】 AgFunder , 株式会社メロス

 <登壇者ご紹介>
AgFunder, Founder & Managing Partner, Michael Dean 氏:
2013年にAgFunderを共同創業。大規模な環境・持続可能性プロジェクト等へ助言する弁護士としてのバックグランドを持ち、西アフリカの社会的インパクト投資アグリビジネスSeedRock Africa Agricultureの創業者兼CEOも務める。

インテグリカルチャー株式会社 CEO 羽生 雄毅 氏:
2010年、University of Oxford Ph.D (化学)取得。東北大学 PD研究員、東芝研究開発センター システム技術ラボラトリーを経て、2015年10月にインテグリカルチャーを共同創業。

AgFunder Asia, Executive Director, John Friedman 氏
ハワイ出身で英国で学び、Morgan StanleyとDeutsche Bankで投資経験を積む。現在、AgFunder AsiaとGROW Imact Acceleratorの統括を務める。東南アジア全域でより持続可能なフードシステム構築に資することをテーマに、エンジェル投資家としても活躍。

株式会社メロス 代表取締役 小倉 千沙
食・農分野の貿易・国際政策等を専門とするコンサルタントとして15年以上活動後、グローバルなアグリフード領域に特化して、ビジネス展開や投資活動を支援するメロスを2016年6月に日・米・欧のメンバーで共同創業。

明治ホールディングス株式会社 価値共創センター センター長 長田 昌士 氏
明治乳業(現 明治)で乳児用粉乳等のニュートリション開発研究、米国カリフォルニア大学デービス校客員研究員等を経て、商品開発部長を担当した後、明治HD 価値共創センターでセンター長を務める。岩手大学非常勤講師や、食品の国際規格Codexの専門委員等も歴任。

アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社 新規事業開発部 部長 前田 匡毅 氏
協和発酵で医薬、食品素材の発酵生産プロセスの研究開発や海外営業、シンガポールやイタリアの海外駐在として活躍。京都大学にて産学連携活動に従事したのち、2019年よりアサヒクオリティーアンドイノベーションズにて新規事業開発活動を推進中。

株式会社ニューラル 代表取締役CEO 夫馬 賢治 氏
サステナビリティ経営・ESG金融コンサルタント。著書『超入門カーボンニュートラル』(講談社)他多数。ESGニュースサイト「Sustainable Japan」編集長。ハーバード大学サステナビリティ専攻修士。環境省、農林水産省、厚生労働省のESG分野有識者委員等を歴任。

株式会社SDGインパクトジャパン Co-CEO 小木曾 麻里 
世界銀行、ダルバーグジャパン、ファーストリテリングのダイバーシティ担当部長・人権委員会事務局長を経て、2021年にSDG Impact Japanを共同創業。2017年には国内初のジェンダー投資ファンド「アジア女性インパクトファンド」を設立。

SDGインパクトジャパン会社概要
社名    株式会社SDGインパクトジャパン
所在地   東京都渋谷区渋谷1-12-2クロスオフィス渋谷704
代表者   小木曽麻里、ブラッドリー・ブセット
設立時期  2021年1月
事業内容  インパクトファンドの設立・運営推進、SDGsアドバイザリー
URL     https://sdgimpactjapan.com/jp/

以上

タイトルとURLをコピーしました