テレワーク勤務やテレワークを活用した副業という新しい働き方の普及は、東京に隣接し、自然豊かな埼玉県への移住の促進や関係人口の創出にとって追い風となっています。
都内から日帰りで訪れることができる埼玉県には、その強みを生かして、関係人口を呼び込み、地域の担い手を確保できる可能性が広がっています。
そこで、東京・神奈川・千葉の企業の社員及びフリーランスの方が、県内市町村でテレワークを体験しながら滞在先の市町村で地域課題の解決(地域ミッション)に取り組んでいただく、「テレワーク・副業×地域ミッション事業」が実施され、当社(株式会社URリンケージ)が事務局を務めました。
本事業を通じて期待される効果として
・市町村は地域の課題解決に民間(企業・フリーランス)のアドバイスが得られる
・企業・フリーランスの方は、行政との連携による地域課題解決を通じて、地域でのビジネスチャンスの創出につながる
・テレワークで滞在する地域の方との新たな関係交流のきっかけになる
・地元の事業者や様々なステークホルダーとの新たな事業・サービス開発の検討の機会になる
などが考えられます。
また、参加者は、勤務時間後や休日に、市町と一緒に地域課題の解決に取り組み、関係人口として地域に携わります。
令和4年度は行田市、羽生市、横瀬町の3市町で実施しました。
◇テレワーク・副業×地域ミッション事業概要
実施期間:令和4年4月-令和5年3月
実施地域:行田市、羽生市、横瀬町
参加企業・フリーランス各社最大10週間程度、1市町村当たり3名程度
宿泊場所:ホテル、旅館、など
テレワーク場所:コワーキングスペース、喫茶店など
◇令和4年度の取組み
〇行田市
□地域ミッション□
【来場者も出展者も楽しめる「行田はちまんマルシェ」の実現】
行田市では、市内で生産される野菜をはじめ、加工品、特産品など行田市内の逸品を
販売する「行田はちまんマルシェ」を毎週日曜日の午前中に開催しています。
また、近年会場周辺にある行田八幡神社や協力店舗等では、手水鉢に花を浮かべた花手水(はなちょうず)を軒先に飾る「花手水week」を開催しています。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響等により「行田はちまんマルシェ」の来場者が伸び悩んでいるという課題があります。
□地域ミッションの目的□
「花手水week」といった新たなコンテンツを活用するほか、外部の方の新鮮な視点による情報発信を行い、来場者や出展者など「行田はちまんマルシェ」に関わる方がより楽しめる、地域に根付いた活気あるマルシェを実現することを目指します。
また、行田市の特産品である「行田在来枝豆」の食品加工などの商品開発に取り組んでいただきます。
□地域ミッションの成果□
ミッション参加者が地域コンテンツの視察及びテレワーク体験を行い、誘客に繋がるキラーコンテンツに加え、リピートしたくなる要素やテレワーク環境など改善が必要な部分について、アイデアを提案しました。
「行田はちまんマルシェ」を集客コンテンツの一つとして捉えたミッション参加者が、は
ちまんマルシェ専用SNSの開設を提案したところ、実際に行田市がSNSを開設し、情報
発信を開始しました。
このSNSを活用し、行田はちまんマルシェや行田の特産品、農産物を広くPRしていきます。
また、行田はちまんマルシェへの集客のため、市外のイベントなどに出店し、外部の人の認知度を上げることで、出店者のモチベーション向上を図ることとなりました。
また、行田はちまんマルシェに足を運んでいただくためのきっかけの一つとして、行田市の特産品「行田在来枝豆」を活かした食品メニューの開発に取り組みました。
〇羽生市
□地域ミッション□
【商店街と地域との繋がりを生かした持続可能なまちづくり活動の加速】
羽生市では、市内中心部の商店街及びその周辺の魅力づくりに取り組んできました。こうした取組の中で、地元有志を中心とするワーキンググループの発案により、商店街活性化を目的に活動するプロジェクトチーム「MALL DESIGN実行委員会」が生まれ、商店街の活性化に向けて活動しています。
□地域ミッションの目的□
市内の商店街等では空き店舗が増加傾向にあるという課題があります。そのため、今回の事業では、空き店舗の貸店舗化や「MALL DESIGN実行委員会」と連携した商店街等の更なる魅力づくりに取り組みます。地域ミッションの参加者には、地域に滞在する中で、外部目線での商店街等の魅力を発掘していただき、課題解決のためのアイデア出しやその実現に向けて一緒に取り組んでいただきます。
□地域ミッションの成果□
地域ミッション参加者との街歩き(市内・商店街等)、MALL DESIGNで行うワークショップやイベント、空き店舗調査、企画打合せなどの対話を通じ、新たな知見に触れ、メンバーの視野が広がりました。
また、外部人材が入ったことをきっかけに、地元ショッピングモール、NPO、新たな空店舗オーナーとも関係を構築できました。
今後は、地域の方等とのネットワークを活かし、商店街に人を呼び込むため、イベントの開催などに取り組んでいきます。
〇横瀬町
□地域ミッション□
【テレワーク拠点を活用した地域資源の新たな魅力発見と商品開発】
横瀬町には、町民と横瀬町に関わる人たちが交わる“交差点”として作られた「オープンアンドフレンドリースペース Area898」や 宿泊や人との交流もできるコワーキングスペース「LivingAnywhere Commons横瀬」があり、交流拠点やテレワークスポットといった環境が充実しています。また、町では様々な農産物を生産しており、コロナ禍前は観光客に大変好評でした。しかし、コロナ禍で町を訪れる人が減った影響で、地元農産物の売上が減少しているという課題があります。
□地域ミッションの目的□
本事業では、地域ミッションの参加者が「オープンアンドフレンドリースペース Area898」などの施設でテレワークをしながら、施設利用者や地域住民とともに、地元
農産物を使った、横瀬ならではの商品を生み出し、町の新たな地域資源にすることを目
指します。
□地域ミッションの成果□
地域ミッション参加者や地域の方が、横瀬町で食品開発に向けて活動している立教大学や十文字学園女子大学など、横瀬町ならではの商品開発について活動するきっかけを作ることができました。
地域ミッション参加者と意見を交わすことで地域の方も刺激を受け、商品開発においてこれまでとは異なった発想や視点を持つことができました
具体的な横瀬ならではの商品開発については、地域ミッション参加者が横瀬産の大豆とレシピに着目し、味噌づくりキットの商品化に向けて現在取り組んでいます。
また、地域ミッション参加者が地元農産物のそば粉と、プラムを使用したそば粉のガレット~プラムソースがけ~を提案し、試作を進めています。
〇きっかけ探しは埼玉で!事業報告会&交流会
本事業では3市町の事業報告会と交流会を兼ねたイベントを2月中旬都内にて開催しました。
事業報告会の様子は専用webページ上で動画として公開しております。
また、参加者のインタビュー動画も公開しておりますので、ご覧ください。
きっかけ探しは埼玉で!専用webページはこちら
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0106/telework_fukugyo_chiiki-mission.html
〇SNSで地域ミッションの状況を公開中
きっかけ探しは埼玉で!ではSNSを活用し、#きっかけ探しは埼玉で!で地域ミッシ
ョンの最新情報を投稿しております。
きっかけ探しは埼玉で!のアカウントはこちら
埼玉ものがたり(@saitama_story) / Twitter
☆☆本件に関する問い合わせ☆☆
株式会社URリンケージ
アセットソリューション本部
地域活力共創部
担当:小玉、鈴木、上原、室伏
TEL(代表)03-6803-6200