温かみのある学級づくりに生かそうと、校内の教員と市内の小・中学校の教員約80人が参加し、示範授業や講演会などを通じて、教師力を高めました。
数々の崩壊した学級を立て直した実績を持ち、多くのメディアでも取り上げられています。
研修会では、2年生、5年生の学級で菊池氏さんが示範授業を行いました。
5年生では、30人の児童を前に「笑顔の45分にしましょう」と呼びかけ、道徳の授業をスタート。
お笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行さんを例に挙げながら、「他人肯定力」について教えていきます。
プロ野球選手と芸人の二刀流で活動する高岸さんの合言葉「やればできる!」を、「やればできる」という言葉を使わず児童に説明してもらったり、野球の試合中にホームランを打たれ、相手チームに拍手を送る投手・高岸さんの心情を予想したりしていきます。
途中、元気のいい児童に菊池さんは「教室はみんなで勉強する場所。君は、こういう公の場にふさわしい、態度、行動、仕草、振る舞い、言葉の使い方で学習に参加できるのが素晴らしい」と握手しながら伝えます。
他にも、「さすが5年生」「すてき」などの言葉を随所で言います。
また、発表した児童に対してクラス全員で拍手を毎回送り、たたえ合います。
さらに、わざと一人の児童に対して小声で話したり、黙ったり、思わず引き込まれるような話し方をしていく菊池さん。
児童が自由に集まり相談する時間もたびたび設け、ディベートを取り入れながら授業を進めます。
「先生が出す問題には大きく2つあって、一つは正解がある問題。それは調べたら分かります。今みたいに考えて自分で作った意見は、一人一人違っていい、間違いがないということ」と菊池さんは話します。
これを聞いた児童たちは次々と挙手し、授業は大盛り上がりでした。
続いて、教員向けに開かれた講演会では、「一人も見捨てない! 菊池学級12か月の言葉かけ」をテーマに教育観を語りました。
菊池さんは、一人の子がクラスメートからほめ言葉を浴びる「ほめ言葉のシャワー」の様子を動画で流したり、学級の成長4段階を図で解説したりしていきます。
授業で話す言葉には、一方的に教員が指導する「授業内容伝達言葉」と教員の感動からくる「自己表現的言葉」の大きく分けて2つがあるとし、「教室の学びの雰囲気には、教師の自己表現的言葉が大きく影響している」と話しました。
子どもたちのコミュニケーション力の育成にも熱心に取り組む菊池さんは、独自の公式として
『コミュニケーション力=(内容+声+態度+α)×相手への思いやり』
を紹介。
さらに、授業づくりに必要な教師のパフォーマンス力についても、先ほどの授業を例に挙げながら説明しました。
会場の教員は次々に質問し、熱心にメモを取っていました。
松山小学校の白井利樹校長は「百聞は一見にしかず。直接、菊池先生の授業を見て、講演会を聞いて、真似してみようと思ってもらえたと思う」と締めくくりました。
豊橋市は人づくりNo.1のまちを目指し、今後も取り組んでいきます。