病院経営の現場は今、通常医療のほか新型コロナウイルス感染拡大の対応などもあり、経営にかかわる各種データ作成の時間を確保するのが難しい状況です。院内に散らばるデータを各部署から集約し、それらを集計した上で何が必要なデータかを選別し、それらを経営会議などで利用する資料に落とし込むのは、かなりの時間と労力がかかります。定期的に国へ提出義務のあるデータ作成も経営現場の負担になっています。
無料の新サービス「病院ダッシュボードχ ZERO」を用いることで、費用も予備知識もなく、病院経営の現場で用いる主要なデータを瞬時に確認できるようになります。病院経営の関係者は、患者の診療プロセスなどを記録した「DPCデータ ※2」などのデータを当社に提出すると、当社からのサービス提供の準備が整い次第、インターネット経由でサービスを利用できます。確認したい経営項目をクリックするだけで、瞬時に該当データが表示され、必要なデータをPDF出力し、会議資料などとして活用できます。
確認できる経営データは、700病院超の経営を支援してきた当社コンサルタントが開発した経営支援サービス「病院ダッシュボードχ ※3」の中から、経営会議でよく使われる経営指標や国や自治体などに報告義務がある各種データを厳選。病院の経営改善活動を始めるために必要な情報を網羅しており、病院経営に詳しくない人でも確認すべきデータが直感的に分かるようサービス内容を再編集しました。経営の初心者でもサービスを使いこなせるようウェブセミナーやレポートを通じたサポートにも注力しています。
3つの強みで病院の「ゼロ」を支援
具体的な機能・サービスは、(1)会議対応の労力ゼロ(2)提出データ作成の手間ゼロ(3)ゼロからコンサルが支援――の3つのコンセプトに紐づいています。一部の機能・サービスから提供を開始し、2023年1月、同年春と順次、提供する機能・サービスを拡充していきます。
(1)の「会議対応の労力をゼロ」では、課題発見の時間を大幅に削減します。患者数や患者単価などの主要経営指標のほか、主に重症患者を診る急性期病院の機能を評価する指標の一つ「機能評価係数II」の分析にも対応。急性期を脱して容態が安定した患者を診る「地域包括ケア病棟」や「回復期リハビリテーション病棟」、長期療養の患者を診る「療養病棟」、初診や自宅通院での経過観察を診る「外来診療」の状況までを俯瞰できます。
(2)の「データ作成の手間をゼロ」は、入院患者のうち重症患者の割合を示す「重症患者割合」(システム上では「看護必要度」と表記)や、新薬(先発医薬品)より比較的安価な「後発医薬品」の使用割合である「後発医薬品割合」など、都道府県や厚労省に提出しなければならない各種データを自動抽出します。
(3)の「ゼロからコンサルが支援」では、予備知識ゼロでも「病院ダッシュボードχ ZERO」を使いこなせるよう▽万全のサポート体制▽データ分析セミナー開催▽行政動向解説▽コンサルの解説動画▽経営分析レポート▽コンサルの診断レポート――など多角的な視点からコンサルタントがサポートします。
当社は今後も通常医療とコロナ対応の両立などで多忙な病院経営の現場を支援するとともに、医療の質向上や病院経営の効率化に資する各種サービスや情報発信をしていきます。
(※1)株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中、「質の高い医療を最適なコストで」の理念を実践する具体的な手法として、米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み、広めたパイオニアです。http://www.ghc-j.com/
(※2)DPCデータ
包括支払い方式で入院医療費を請求する「DPC(診療群分類別包括払い)制度」の対象病院が作成を義務付けられているデータ。DPC制度は、従来型の出来高制度と比較して、1日当たりの報酬が決まっているため、過剰な診療の抑制や必要なコスト削減を促すことが期待できる。主に病床数が多く、重症患者を診療する急性期病院の多くが導入している。対象病院は1764病院(2022年4月時点)。
(※3)病院ダッシュボードχ
700病院を超える病院経営コンサルティングで培ってきたノウハウをベースとする多機能型経営分析ツール。高度急性期病院の4割への導入実績がある。「DPC分析」を軸とする基本サービスのほか、「チーム医療Plus」などのオプションサービスで構成される。https://www.ghc-j.com/dashboard/