セルージョン、中国を代表する製薬企業Fosun Pharmaの細胞再生医療プラットフォーム子会社Celregen社と中華圏におけるCLS001の製造・開発および商業化に関する独占的ライセンス契約を締結

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‐ 中華圏において数百万人が角膜疾患により失明しており、その数は年10万人ほどのペースで増加と報告されている。
‐ Celregen社は中華圏におけるCLS001の製造・開発および商業化に関する独占的ライセンスを取得し、セルージョンは他の地域での権利は維持する。
‐ 本契約は契約一時金、薬事的および売上マイルストーン、段階的ロイヤリティで最大総額 1億米ドル以上となる。
 

iPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す独自技術で世界の角膜移植待機患者問題の解決をめざす株式会社セルージョン(本社:東京、代表取締役社長:羽藤 晋、中国語表記:赛锐明、以下、”セルージョン”)は、Shanghai Fosun Pharmaceutical (Group) Co., Ltd. (本社:Shanghai, CEO: Wen Deyong、中国語表記:上海復星医薬(集団)股分有限公司、以下、“Fosun Pharma”)が本件に際しNew Drug Fund of Fosun Health Capital (本社:Shanghai, CEO: Cui Zhiping、“Fosun New Drug Fund”)を介して新たに設立した細胞再生医療プラットフォーム子会社Hangzhou Celregen Therapeutics Ltd. (本社:Hangzhou, 会長: Cui Zhiping、中国語表記:杭州星赛瑞真生物技术有限公司、以下、“ Celregen” )と中華圏のCLS001※1の製造・開発および商業化に関するライセンス契約を締結したことをお知らせします。

 

今回の契約において、Celregen社は独占的に中華圏におけるCLS001の製造・開発および商業化を主導します。

 

中華圏では角膜疾患により数百万人が失明しており、その数は年10万人ほどのペースで増加とも報告されています。その多くの患者は角膜移植により、視力を回復できると予想されておりますが、角膜ドナー不足により移植件数は2万件未満に留まっていることが課題と報告されています。セルージョンはCelregen社の中華圏での開発を支援すると共に、その他地域は引き続き自社での開発を進めます。

本契約により、Celregen社はセルージョンに契約一時金、CLS001プログラムの進捗に応じた薬事的および売上マイルストーンとして1億米ドル以上の対価に加え、段階的ロイヤリティを対価として支払う可能性があります。

[Celregen会長 Fosun PharmaVC投資部門チーフコンサルタント兼Fosun New Drug FundCEOCui Zhiping氏のコメント]
「iPS細胞技術を活用した角膜内皮再生のリーディングカンパニーであるセルージョンと業務提携できることを嬉しく思います。中華圏における細胞治療の中長期的基盤を作るうえで、本契約はとても重要な意味を持ちます。両社の強みを生かしたこの提携により、多くの中華圏の患者さんに新しい再生医療製品をお届けすることができるようになります。」

[株式会社セルージョン 代表取締役社長 羽藤 晋のコメント]
「本契約締結により、セルージョンがこれまでに培ってきたiPS細胞技術と、中華圏における革新的新薬の創出に取り組んできたFosun Pharma及びその細胞再生医療プラットフォーム子会社Celregen社の開発・商業化ノウハウを融合して、CLS001の開発に取り組んでいけることを嬉しく思います。中華圏はドナー角膜不足により水疱性角膜症に苦しむ患者さんが多数おられる地域です。CLS001の速やかな上市に向けて、両社で協力してプロジェクトを推進してまいります。」

[Celregenについて]
Celregen(中国語表記:杭州星赛瑞真生物技术有限公司)はFosun Pharma傘下のFosun New Drug Fundが保有し、インキュベートする幹細胞関連技術の集積と転換に特化した細胞再生医療プラットフォームです。 製品導入、独自開発、グローバルトップ企業や科学者との協業を通じて、中国における再生医療プラットフォームのリーディングカンパニーに急成長することが期待されています。

[Fosun Pharmaについて]
Fosun Pharma(中国語表記:上海復星医薬(集団)股分有限公司)は、1994年に設立された中華人民共和国を代表するヘルスケア企業グループです。医薬品製造・研究開発、ヘルスケアサービス、医療診断、医療機器製造・販売、医薬品流通・小売など、ヘルスケア産業のバリューチェーンにおける重要なセグメントを戦略的にカバーし、人々の健康増進に貢献しています。健康への革新とより良い未来の創造を目指し、FOSUN Pharmaは今後も“organic growth, external expansion and integrated development,”という戦略的発展アプローチを持ち、世界のヘルスケア市場におけるリーディングカンパニーとなることを目指しています。

[Fosun New Drug Fundについて]
Fosun New Drug Fund(中国語表記:復健資本新薬創新基金)は、Fosun Pharmaが立ち上げた新薬分野におけるVCファンドです。 このファンドは、健康分野における革新的で急成長ポテンシャルのある、立ち上げ期及び成長期のバイオ医薬品をベースとしたプロジェクトに投資し、大学や研究機関から品質の高いプロジェクトをインキュベートするとともに、国外の優れたバイオテクノロジー技術や製品を中国に導入・連携させることに重点を置いています。

[水疱性角膜症(よみ:すいほうせいかくまくしょう)について]
水疱性角膜症は、白内障などの目の手術や遺伝性の要因により角膜の一番内側で角膜内の水分を適切な量に調節している角膜内皮細胞が減り、その機能に不具合がおきることで、角膜が水膨れし、混濁により視力障害を起こす病気です。この病気は進行性で、治療せずに放っておくと失明にいたります。現在は正常な機能を持つ角膜内皮細胞を角膜移植で補う治療でしかこの病気を治療することはできません。しかしながら、他の臓器移植同様、角膜移植も深刻なドナー不足問題に直面しています。日本にも1万人以上の患者がいると推定されており、また2013年に行われた世界的な調査では、世界中に1300万人ほどの角膜移植待機患者がいると報告されています。

※1[CLS001(よみ:しーえるえすぜろぜろいち)について]

CLS001(水疱性角膜症治療を目的とした再生医療等製品)は、さまざまな種類の細胞に分化することが可能なiPS細胞をセルージョンが持つ独自の技術により効率的に分化させて作り出した角膜内皮細胞の代替となる細胞です。セルージョンは「iPS細胞が有する優れた増殖性」と「簡便な手技で属人的技術を不要とする細胞移植法」を組み合わせ、角膜移植適用症例の半数以上を占める水疱性角膜症に対する治療用再生医療等製品として、CLS001の開発を進めています。2021年7月に慶應義塾特定認定再生医療等委員会、および厚生労働省の厚生科学審議会からヒトでの安全性を評価する医師主導臨床研究の実施承認を得ており、現在、慶應義塾大学病院では当該研究の参加者募集を開始しています。また、セルージョンは自らが主体となって行う日本での企業治験とグローバル地域での治験準備を進めています。

[セルージョンについて]
セルージョン(中国語表記:赛锐明)は慶應義塾大学医学部眼科学教室発の再生医療ベンチャーです。iPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す独自技術などの特許技術を基に、世界の角膜移植課題をはじめとした、現在の医学が抱えるアンメットメディカルニーズ※2の解消を最先端の細胞治療技術により解決し、全世界の健康福祉向上への寄与をめざしています。

※2 アンメットメディカルニーズ:いまだ満たされていない医療ニーズのことで、有効な治療方法が現在もない疾患などがその代表例

商号 :株式会社セルージョン
代表者 :代表取締役社長 羽藤晋
所在地 :東京都中央区日本橋小舟町8番6号
設立 : 2015年1月
URL : https://cellusion.jp/

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