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マッスルスーツGS-BACK® 開発の経緯
「生きている限り自立した生活を実現する」ことをミッションに掲げるイノフィスでは、より多くの方が生涯にわたって活躍し続け、健やかに暮らせるよう、創業当初の2014年より装着型の作業支援ロボットを開発・上市してきました。現在は腰補助用「マッスルスーツEvery(エブリィ)」や、上腕補助用「マッスルスーツGS-ARM(アーム)」をラインナップしています。
このたびイノフィスがマッスルスーツGS-BACK®を開発・発売するに至った経緯は、さまざまな業界の作業現場に足を運ぶなかで、「腰の負荷をほどよく軽減しつつ、歩いたりしゃがんだりする連続作業に、より役立つアシストスーツ」の必要性を感じたからでした。イノフィスの開発技術により、優れた性能とほどよい補助力で、身体の一部のように軽やかな動きを実現する新しい腰補助モデル マッスルスーツGS-BACK®をみなさまにご案内いたします。
※「マッスルスーツ」ならびに「GS-BACK」は株式会社イノフィスの登録商標です。国際特許出願中 国際出願番号PCT/JP2021/019922
- 8月4日より販売開始
マッスルスーツGS-BACK®は8月4日より、イノフィスへの直接お問い合わせに加え、契約している販売代理店様をメインの販売チャネルに想定し、メーカー希望小売価格159,500円(税込み)で販売を開始してまいります。また、マッスルスーツブランドサイト内のECショップでもご購入いただけます。
● マッスルスーツGS-BACK® 紹介ページ: https://musclesuit.co.jp/gs_back/
● 【公式】マッスルスーツオンラインストア: https://shop.musclesuit.co.jp/
- 記者発表会の様子
記者発表では、イノフィス代表の折原をはじめ、イノフィス創業者・取締役であり東京理科大学工学部教授の小林 宏が登壇、マッスルスーツGS-BACK®の企画・開発・今後の戦略等についての説明がありました。その後は闊達な質疑応答が行われ、参加メディアの方々のアシストスーツ全般ならびに マッスルスーツGS-BACK®に対する関心の高さがうかがわれました。
- 株式会社イノフィス 代表取締役社長: 折原 大吾
イノフィスは、少子超高齢社会において発生する現場の労働力不足や介護の負担増といった社会問題を解決していくための、新たな製品やその新たな用途価値を提案する企業です。
2019年にマッスルスーツEveryを発売し展開していくなかで、製品の特徴を存分に活かせる業界とそうでないところが見えてきました。マッスルスーツGS-BACK®は、マッスルスーツEveryで攻略が難しかった業界や用途を補完する新しい腰補助モデルの製品として開発したものです。
パワフルかつ補助力を可変できるEveryに対して、GS-BACK®はほどよい補助力で、より軽く動きやすい、機動性を重視したアシストスーツとして、Everyとは違う顧客セグメントを狙っています。当初は物流の現場や製造業での入出庫作業など、歩く・しゃがむ等の動作が多い業務での使用を想定して製品を企画しましたが、製品のプレ営業や実証試験をするなかで、物流・製造業以外でも良いフィードバックをいただく場面が多く、農業や介護などにおいても、Everyと棲み分けながらの可能性が見えてきました。直近で17の国と地域で製品展開していますが、GS-BACK®についても国内のみならず、アジア・欧州など海外でも積極的に販売していきます。
- 東京理科大学 工学部教授: 小林 宏(マッスルスーツGS-ARM開発者)
ガススプリングを使用した腰補助のアシストスーツは、Every上市前の2018年1月からすでに開発を始めていました。その後12モデルほど改良を重ね、今回のGS-BACK®販売に至ります。
これまでの腰補助用マッスルスーツは、すべて人工筋肉を採用してきましたが、人工筋肉の特性により「腰の補助は十分だが、歩きにくい」「深くしゃがめない」というご指摘をいただいていました。そこで、今回のGS-BACK®では、ガススプリングと引張バネを併用することで、「歩きやすさ」と「しゃがみやすさ」を実現しました。すなわち、歩くときは引張バネの比較的弱い力を使って滑らかな歩行を実現し、しゃがむとガススプリングにより強い補助力を発生し、さらに深くしゃがんだ際には、ガススプリングの補助力が弱まる構造にしています。
また、人工筋肉に対してガススプリングを使用する場合、補助力を変更できないというデメリットはありますが,大きさが1/4程度になるため、コンパクト化も実現できました。
補助力はガススプリングの強さ次第ではあるのですが、今回はEveryとの差を明確にするために、約半分の出力に設定しました。
- 質疑応答(一部)
質問①)「マッスルスーツEvery」と「マッスルスーツGS-BACK®」の具体的な用途の違いは? 同じ業界でも併用可能とのことだが。
回答①)たとえば物流でいえば、扱うものの重量が目安になります。Everyは強い補助力が大きな特長で、重量物の持ち上げや長時間の中腰作業で効果を発揮するが、長い距離を歩いたりしゃがみ込んだりの作業は難しい部分があります。一方で、扱う物が比較的軽量で、歩行移動が多かったり、しゃがみ込んで物を取り上げたりの作業にはGS-BACK®がより適合するでしょう。作業シーンによる使い分けができるということです。GS-BACK®の市場という意味では物流・製造のほうがターゲットとしてより適合しやすいとは思いますが、すでにEveryが多く普及する農業や介護などでも、強いアシスト力より動きやすさを重視したい現場・作業であれば十分に活用できる余地があると考えています。
質問②)アシストスーツ市場の今後の展望は?
回答②)使用場面、認知の広がりなど、アシストスーツ市場は間違いなく立ち上がっている肌感があります。ただ、今後はどのセグメントでどのように伸びているか、注力してみていく必要があると考えています。高価格帯のアクティブ型で積極的に制御するものが席巻していくのか、あるいは我々のようなパッシブ型・外骨格型の、お手軽に使えるものが延びていくのか。我々はパッシブ型かつ低価格で魅力的な製品の開発を目指しており、このあたりの市場が今後もさらに延びていくと考えています。
- 装着体験会
記者発表を終え、撮影会の後、出席された多くの方々にマッスルスーツGS-ARMの装着体験をしていただきました。「移動がしやすい」との声が圧倒的で、ほかにも「軽いし、動きやすい。物流業界は課題が多いので、あと一歩、きっかけがあれば普及するのではないか」、また土木工事の経験のある方から「基礎工事などでブロックをまたぐ際にもこれであれば問題なくできそう!」などさまざまな感想をいただき、盛況のうちに装着体験会は終了しました。
- マッスルスーツGS-BACK®について
●特長
【電力不要】
ガススプリングによるサポートで、電力不要。
屋内外問わず、さまざま作業シーンで使用できます。
【軽くてスリム】
3.3kg(カバー含む)でさらなる軽量化を実現。
背面もスリムで、狭い場所でも活用できます。
【歩きやすい、しゃがみやすい】
歩く、しゃがむ、立ち上がる動作を軽やかに行え、
高い機動性を必要とする手荷役の作業現場で活躍します。
●こんな作業に
歩く・しゃがむ・立ち上がる動作をより自由にし、腰への負担を軽減する『マッスルスーツ GS-BACK®(バック)』は、さまざまな現場の作業でお使いいただけます。
・物流・倉庫業:荷捌きや倉庫管理・運搬作業に
・運送業:積み込み・積み下ろし作業に
・製造業:商品移動やピッキング作業に
・小売業:バックヤードから店頭への品出し作業に
・農業:畝(うね)を跨(また)いで行う収穫作業に