大正・昭和の福岡・香椎がカラーに蘇る。AI高画質化し、手作業で高精度カラー化 音楽とともに展示|福岡市香椎公民館にて白黒古写真カラー化展 開催

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白黒写真カラー化・写真修復専門店「monokara.(モノカラ.)」(運営:青藍デザイン事務所)と福岡市香椎公民館は、2023年11月29日(水)から2日間、香椎公民館にて、白黒古写真カラー化展を開催する。大正期~昭和期の福岡・香椎とその周辺地域(名島・雁ノ巣など)の庶民生活等を写した白黒古写真 30数点以上をAIで高画質化、手作業で高精度カラー化し、展示。木造型の西鉄電車や疾走する国鉄の蒸気機関車、名島水上飛行場に降り立った冒険家チャールズ・リンドバーグとの集合写真、香椎高校の学生らと校歌を創る小説家火野葦平など、レトロ溢れる当時の古写真が自然なフルカラーに蘇る。
 展示では、現在地を写した写真も展示し、街の移り変わりが比較できるようになっている。さらに、心揺さぶる名曲などが会場内に流れる工夫がされる。再開発が著しい香椎やその周辺地域。薄れゆく地域の文化・歴史に多くの人が興味・関心を向けていただくきっかけづくりとして開催する。

  • 展示詳細

展覧会名:白黒古写真カラー化展「カラーに蘇る福岡・香椎 〔大正発→令和行〕」
会期:2023年11月29日(水)13:00-17:00|11月30日(木)10:00-17:00
会場:福岡市東区 香椎公民館 講堂(〒813-0013 福岡県福岡市東区香椎駅前2丁目17−19)

入場料:無料

主催:福岡市香椎公民館

協力:白黒写真カラー化・写真修復専門店「monokara.(モノカラ.)」(運営:青藍デザイン事務所)

  • 展示概要

 名作推理小説 松本清張「点と線」の舞台である「香椎」。福岡市東区に位置し、東部副都心として市の発展に大きく貢献してきた。歴史は古く、神功皇后の縁深い勅祭社 香椎宮があり、さらに「カシヒ」という地名は既に古事記や日本書紀に綴られているほどだ。香椎地区は、平成に始まった市の再開発によって、下町からマンション街へ大きく転換し、当時の面影を失いつつある。そこで、街を築いた、街を守り抜いた地域住民の活動や地域文化・地域史を視覚的に楽しみながら知っていただき、より地域に興味・関心を向けていただくきっかけづくりとして開催する。

 写真の展示枚数は、白黒古写真とカラー化した写真、現在地を写した写真など合わせて100枚以上に上る。香椎の由来や歴史、1900年代以降の30年ごとに撮影された航空写真などの解説パネルや、さらに当時使用していた蓄音機などの物品も展示する。会場では、心揺さぶる名曲の「時代」や「サライ」、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のBGMなど、展示に合わせた数十曲の楽曲が流れる。

  • カラー化の特徴

 本展では、AI(人工知能)の高画質化技術と、旧技術「デジタル手彩色」技術の2技術を用いて制作された。制作では、写真修復専門店monokara.の写真修復士が時代考証をした後、1枚1枚手作業で修復・カラー化。その後、AIで高画質化した。より自然で、カラー写真と見間違うリアルな表現になっている。

 AIカラー化技術では、空や草・木といった自然物の処理が得意である一方、服や車・建物などの人工物が不得意であることが研究によって判明している。このことから、なるべく的確な色味を表現、細かな編集ができるように、旧技術を用いた。瞬時にカラー化できるAIに対し、デジタル手彩色技術は写真1枚最短5分~最大8時間と時間が掛かるが、色味を比較するとその差は歴然だ。

 monokara.は、2020年に九州産業大(福岡市)芸術学部の地域研究として始動し、これまで九州や満州、中国、韓国の庶民生活を写した白黒古写真をカラー化した実績がある。今年4月、香椎に店舗として開業し、事業化した。

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