力石 咲はこれまで、ものや人、まちとの「つながり」に関心を注ぎ、編むことをコミュニケーションのメディアとした作品を多く手がけてきました。しかし、近年の不確実な世界情勢を目の当たりにして、ふたたび自分自身と関わることへと立ち戻り、異なるつながり方を見出そうとします。
「この世界に糸と自分だけになったら、どうやって生き延びるか」。これは、力石が新たに掲げるテーマです。力石にとって、繊維はもはや単なる作品の材料ではなく、なじみ深く、自らの生存をも確実に支えるものといえます。糸はどんなときも力石の手にあり、たしかにここにある術(すべ)なのです。
本プログラムでは、このテーマのもと、力石が時には来場者と交わりながら、「残糸」を用いて作品を制作、展示を行い、最終日には作品をほどくパフォーマンスを行います。また会期中にはワークショップやアーティスト・トークなどの関連イベントも開催します。
「この世界に糸と自分だけになる」ことを、まず一緒に想像することから始め、繊維がつむぐ自分や他者、世界とのつながりを見つけてみませんか。
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概要
<企画名>力石咲 滞在制作・展示「ファイバー! サバイバー! ここにある術」
<会期>2023年11月11日(土)- 12月24日(日)
【滞在制作】2023年11月11日(土)- 12月14日(木)
【展示】2023年12月16日(土)- 12月24日(日)
※滞在制作期間中も、会場をご覧いただけます。ただし、作家がいない日や時間があります。
<開館時間>午前11時 - 午後7時
<休館日>月曜日、12月15日(金)
<会場>東京都渋谷公園通りギャラリー 交流スペース
<入場>無料
<主催>(公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
<協力>大垣化染株式会社
<ウェブサイト>https://inclusion-art.jp/s/FiberSurvivor
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作家プロフィール
力石 咲 CHIKARAISHI Saki
1982年埼玉県生まれ。2004年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業。編み解く行為によって変容し循環し続ける繊維素材に関心を寄せ、人やもの、世界の始まりやその変移などと結びつけながら制作を行う。近年の主な展示に、「アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.13 力石咲」(岐阜県美術館、岐阜、2023年)、「開館25周年記念 全館コレクション展『これらの時間についての夢』」(宇都宮美術館、栃木、2022年)などがある。また、「吉祥寺ダンスLAB. vol.4『エコトーン ECHO-TONE』」(吉祥寺シアター、東京、2022年)などの舞台も手がける。
[参考画像]
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関連イベント
■ファイバー! ワークショップ![手話通訳付]
繊維でサバイブする方法を、一緒に考えましょう。
<開催日時>2023年11月11日(土) [1]午後1時 - 午後2時30分、[2]午後4時30分 - 午後6時
<対象>中学生以上
<定員>各回5名[事前申込制/応募者多数の場合は抽選]
<申込期間>2023年10月10日(火)- 10月31日(火)
<申込方法>申込フォームに必要事項をご記入ください。
※申込フォームはイベント公式サイトからご確認いただけます。
※申込フォームのご利用が難しい場合は問い合わせの電話または、メールでご連絡ください。
■アーティスト・トーク[手話通訳付]
滞在制作や完成した作品について、うかがいます。
<開催日時>2023年12月16日(土) 午後2時 - 午後3時
<定員>20名程度[事前申込不要/先着順]
■ほどくパフォーマンス
展示された作品をゆっくりとほどいていきます。
<開催日時>2023年12月24日(日) 閉館時間(午後7時)までの間に随時
パフォーマンス中、自由にご覧いただけます。[事前申込不要]
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東京都渋谷公園通りギャラリーとは
2020年2月にグランドオープンした当ギャラリーは、アール・ブリュット等の振興拠点として、アートを通して、ダイバーシティの理解促進や包容力のある共生社会の実現に寄与するため、アール・ブリュット等をはじめとするさまざまな作品の展示や、新設した交流スペースを活用した対話的で創造的な交流プログラムを展開しております。