本取り組みは、日本リウマチ学会とファイザー株式会社による医学教育プロジェクト助成「診断未確定リウマチ性疾患の病診連携モデル構築プログラム2022」において、千葉大学が採択された「小児リウマチ専門施設と非専門施設の病診・病病連携」プロジェクトの一環です。
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取り組み内容
千葉大学大学院医学研究院特任准教授であり、日本小児リウマチ学会 副理事長である井上祐三朗が主導する「小児リウマチ専門施設と非専門施設の病診・病病連携プロジェクト」の中で、MediiのE-コンサルの仕組みを活用し、小児リウマチ性疾患に関する臨床疑問を専門医にオンライン相談できる医療体制を構築します。
関東地域の中で小児リウマチ専門医が不在の小児医療機関を対象に、E-コンサルを通じて、小児リウマチ性疾患の診断・治療方針について、専門医にオンラインチャットで症例相談ができる仕組みを提供します。症例相談には、MPRC※に所属する小児リウマチの専門医が回答します。
※MPRC(Metropolitan Pediatric Rheumatology Conference)は、関東の小児リウマチ専門医によって2014年に設立された、小児リウマチ性疾患に関する基礎及び臨床医学の研究成果を発表・討議し、専門知識の普及と技術の交流に貢献することを目的とした団体です。
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背景
小児リウマチ性疾患は、小児期に発症するリウマチ性疾患の総称です。成人発症のリウマチ性疾患とは異なる症状や経過を示し、成人よりも患者数の少ない希少疾患ですが、近年の医学の進歩により、適切な治療で生命予後や機能予後が改善できることがわかっています。そのため、発症早期における適切な診断と初期治療が極めて重要となります。しかしながら、小児科を基本領域とするリウマチ専門医は非常に少なく、適切な診断と初期治療の提供が可能な医療体制が整っていないという課題があります。
この課題に対して、千葉大学では「小児リウマチ専門施設と非専門施設の病診・病病連携プロジェクト」を推進しています。このプロジェクトは、日本リウマチ学会とファイザー株式会社の「診断未確定リウマチ性疾患の病診連携モデル構築プログラム2022」で採択されました。
Mediiでは希少疾患や難病領域を中心に、限られた専門医の知見や経験を必要としている医療現場に届けるため、医師専用オンライン専門医相談サービス「E-コンサル」を提供しています。
Mediiと千葉大学は、E-コンサルの活用を通じて、小児リウマチ専門施設と非専門施設の連携を強化することで、小児リウマチ性疾患の適切な診断と初期治療が可能な医療体制の構築を目指しています。この度の連携により、小児リウマチ性疾患の早期発見と適切な治療の提供に向けて、共同で取り組んでまいります。
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E-コンサルとは
E-コンサルは患者の診断や対応に悩む医師が、近くにいない専門領域の専門医に症例相談ができる完全無料のオンラインマッチングサービスです。診断が難しい症例や自身の専門外の症例をE-コンサル上のチャット機能を通じて匿名で相談が可能です。各領域の医師にご推薦いただいた1,000名以上のエキスパート専門医に協力いただき、相談医からの質問内容に応じて、最適なエキスパート専門医へ通知が届きマッチングされます。地域偏在の課題が大きく知見が行き渡っていない免疫難病や希少疾患を中心に全ての専門領域を扱っています。
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会社概要
Mediiは「専門医偏在問題の解決を目指す」をミッションに掲げ、特に課題の大きな希少難病を中心とした専門医知見をオンラインで拡げる事業を展開しています。多くの専門医の先生のご協力ご支援の元、臨床疑問を専門医にオンライン相談できる「E-コンサル」を主軸として、過去の症例スライドを集合知化した「症例バンク」、診断困難症例を参加型で疑似体験できるオンラインイベント「E-カンファ」を無料で提供しています。代表の山田は現役のリウマチ膠原病専門医であると同時に免疫難病患者でもあり、医師と患者の双方向の視点で医療構造を本質的(Medii:ラテン語)に仕組みから変えていきたいという思いが社名に込められています。どんな地域に住んでいてもより良い医療を全ての人が受けられる世界の実現を目指し、医療の本質を追求した取り組みを進めています。
会社名:株式会社Medii
所在地:東京都新宿区新宿5丁目14-12-202
設立:2020年2月20日
代表者:代表取締役医師 山田 裕揮
事業内容:専門医知見シェアリングサービスの提供
URL:https://medii.jp
※E-コンサル、症例バンクは、株式会社Mediiの登録商標です。