2023年3月11日に2022年度小児医学川野賞贈呈式・記念講演会、助成研究成果発表会を開催しましたので、その様子をご報告します。
- ※小児医学川野賞について https://kawanozaidan.or.jp/prize/
- 2022年度小児医学川野賞受賞者コメント
●基礎医学分野
国立国際医療研究センター研究所疾患ゲノム研究部 部長 三宅紀子先生
「単一遺伝子疾患の新規疾患責任遺伝子の同定と病態解明」
大変栄誉ある小児医学川野賞(基礎医学研究)を賜ることができ、誠に光栄に存じます。今回頂きました賞を励みに、今後も単一遺伝子疾患の患者さんやご家族、医療の現場に貢献できるような研究を継続・発展させていきたいと思います。
●臨床医学分野
国立成育医療研究センター臨床研究センターデータサイエンス部門 部門長 小林徹先生
「川崎病における新規治療法開発」
私が取り組んできた川崎病分野における大規模多施設共同臨床研究は一人の力で完遂できるものではなく、たくさんの医師やメディカルスタッフのご協力の下に一つ一つ丁寧に時間をかけて紡いだまさに汗と涙の結晶です。故川崎富作先生をはじめとした多くの関係者の皆様に重ねて御礼申し上げると共に、今後も臨床研究・社会実装活動に引きつづき尽力して参りたいと存じます。
●社会医学分野
岡山大学学術研究院医歯薬学域 准教授/岡山大学病院小児医療センター小児心身医療科 科長
岡田あゆみ先生
「小児心身医学を通した子どもとその家族への支援を目的とした研究」
この度は栄誉ある⼩児医学川野賞を頂戴し誠に光栄です。これまでご指導・ご支援くださった皆様に感謝申し上げます。“There is no such thing as an infant. ”「⼀⼈の⾚ん坊はいない」は、英国の⼩児科医であり精神分析家でもあったWinnicott,D.の⾔葉です。⼦どもと家族、そして⼦どもを取り巻く社会とのつながりを想いながら、貴財団が掲げるように 「みんなでのりこえる」ための⽅法を今後も探していきたいと思います。
当財団では、小児疾患の原因究明・治療・予防などに関する研究の発展を支援するため、1990年から小児医学研究者に対して助成金の交付を行っています。2007年には、若手研究者の活躍を後押しするために40歳以下の研究者を対象とする若手枠も設けました。一般枠は1人300万円、若手枠は1人100万円を上限として、助成金を交付しています。一般枠交付者は毎年3月に研究の成果を口頭発表することとなっています。
小児医学・医療に関する研究の幅が広がり続けているとともに、年々研究費の獲得が難しくなっていることもあり、事業開始から現在に至るまで、応募者数、交付者数は増え続けています。2022年度までで、交付人数はのべ650件以上、交付総額は約10億円となります。
- 2022年度助成研究成果発表者一覧
- 交流会について
川野賞贈呈式・記念講演会の後には、小児医学を志す当財団の奨学生3名を交え、研究者の先生方との交流会も実施しました。
奨学生の皆様が、先生方に熱心に質問し、目を輝かせて話を聞く様子がみられ、短い時間ながら交流を深めていただく時間となりました。
<財団概要>
財団名: 公益財団法人川野小児医学奨学財団
所在地: 〒350-1124 埼玉県川越市新宿町1-10-1
理事長: 川野 幸夫(株式会社ヤオコー 代表取締役会長)
事務局長: 川野 紘子
設立: 1989年12月25日
行政庁: 内閣府
URL: https://kawanozaidan.or.jp/
TEL: 049-247-1717
Mail: info@kawanozaidan.or.jp
事業内容: 研究助成/奨学金給付/小児医学川野賞/医学会助成
小児医療施設支援/ドクターによる出前セミナー