株式会社ティラド(本社:東京都渋谷区代々木3-25-3)は、「すぐれた熱エネルギー変換技術とサービスの提供により
地球環境にやさしい持続可能な社会の実現に貢献する」ことを経営理念として事業を進めております。
「カーボンニュートラルを実現する企業」「顧客に喜ばれ選ばれ続ける企業」の企業ビジョンのもと
新たなエネルギー変換技術・製造業×ITなど新規ビジネスに挑戦しています。
「ティラドの技術を応用したCO2削減ソリューションの提供」の一環として熱電発電による温泉発電の実現に取り組んでいます。
この度、株式会社陣屋コネクト(本社:神奈川県秦野市鶴巻北2-8-24)の新規ブランド旅館である株式会社湯村温泉 緑屋(本社:兵庫県美方郡新温泉町湯1326)のご協力を得て旅館の温泉を使用した温泉発電実証試験を行ってまいります。
<背景>
高温の温泉が湧出する温泉地では、浴用などに使用する場合に井水を入れる、熱交換するなどで適温になるまで冷やしております。
そこでティラドは、熱電発電を使って温泉を適温まで冷やしながら発電する「温泉熱電発電」の開発に取り組んでまいりました。
また、兵庫県美方郡新温泉町湯村温泉(以下湯村温泉)では古くから温泉熱による熱電発電に取り組んでおり
熱電発電へのご理解もあり、湯村温泉緑屋に温泉発電モデル機を設置させていただきました。
<温泉発電システム概要>
ティラド温泉発電システムは、ティラドが培った熱交換技術により高効率でコンパクトな温泉発電器を搭載しています。
開発中の温泉発電器は、熱電モジュールを200枚(※1)使用し、温水層-熱電モジュール-冷水層の積層構造とすることでコンパクト化を図っています。
温泉発電器1台で、温度差65℃(※2)により約100Wの発電が可能です。
本温泉発電システムは、この温泉発電器1台を使用し、湯村温泉緑屋の温泉水と水道水で発電を行う仕様となっています。
発電した電力は、12Vバッテリーに充電しAC100Vインバータによりディスプレーなどの電力機器に使用します。
実証試験では、ティラドのIoT技術により発電出力、温泉温度情報など各種データーが本体及び遠隔地でモニター可能となっており、そのデータはクラウド上に保存されます。
また流量調整などのシステム制御を行うことも可能です。
本技術は温泉のみならず、100℃以下の各種冷却水等からの排熱回収に展開可能な技術であり、データモニターの技術はいろいろな分野のモニター技術として利用可能となっています。
<温泉熱電発電コンセプト>
ティラドの温泉発電では、高温の温泉水を、河川や井水を冷却水として使い発電する構想です。
適温に冷却された温泉は、浴用などの給湯や、空調などに使用します。
<温泉熱のポテンシャル>
湯村温泉の総湯量(2300L/min)を仮に全量90℃としたとき、ティラド温泉発電器を複数連結したシステムによる発電出力は90kW(※3)となり、CO2換算で年間1.1万トンの削減が可能となります。(※4)
小出力の場合でも無騒音で24時間発電可能なことから、バッテリーなどへの蓄電により非常用電源化も可能となっています。
<今後の展望>
温泉発電実用化を目指し、熱電発電に適する温泉地の探索や、システムの発電実証試験を温泉地・温泉旅館の皆様と共に取り組んでいきたいと考えております。
また、熱電発電技術の展開として温泉発電以外に廃熱回収などのアプリケーションの適用拡大にも取り組んでまいります。
<熱電発電とは>
熱電発電とは熱電素子に温度差を与えると、熱エネルギーを電力に変換するゼーペック効果を用いた発電方式です。
熱電モジュールの両面に温度差を与え、熱エネルギーを直接電力として取り出します。
熱電発電は、無騒音、24時間稼働可能など、廃熱回収や再生可能エネルギーとして実用化が期待される技術です。
※1:熱電モジュールは市販品を使用
※2:湯村温泉の源泉「荒湯」の夏場(温泉90℃-冷却水25℃)に相当する温度差
※3:弊社試算値
※4:東京電力公開の2023年CO2換算係数(4.57kg/kWh)による
<株式会社陣屋コネクトプレスリリース>
「世界的庭園デザイナー石原和幸氏監修の温泉旅館「湯村温泉 緑屋」が2023年4月1日(土)にグランドオープン!」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000114733.html
<連絡先>
株式会社ティラド 〒257-0031神奈川県秦野市曽屋937
担当者 カーボンニュートラル推進室 柳澤 満
Mail yanagisawam@trad.co.jp
TEL 070-4560-6636(直通)