町のキャッチフレーズが「ずどーん」に決定!(北海道奈井江町)

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人口約5,000人の北海道の小さなまち・奈井江町。まちづくりの取り組みの一つとして、町民とクリエイターが一緒に町のキャッチフレーズづくりを行いました。「ずどーん」というユニークなキャッチフレーズに決まった過程やコンセプトなどにも是非ご注目ください。

 

北海道奈井江町は、空知地方の中心部(札幌と旭川のほぼ中間地点)に位置する、人口約5,000人の町です。 国道12号線(総延長156.8kmの北海道の大動脈と言える道路)が町の中央を南北に縦貫し、美唄市から奈井江町を通り滝川市までの29.2kmが、日本一の直線道路となっています。そのちょうど中間地点に位置するのが奈井江町です。
 

人口減少や少子高齢化が進む中でも、誰もが生きがいや役割をもって、生き生きと活躍できるまちづくりを実現すべく、さまざまな課題解決に取り組んでいます。
まちづくりの取り組みの一つとして、町のキャッチフレーズづくりを行い、「ずどーん」に決定しました。
 

  • 町のキャッチフレーズが「ずどーん」に決定

「ずどーん」は、日本一の直線道路のまち奈井江町に由来しながら、広がる田園風景、雄大な山並み、大らかな奈井江町気質、この町が有する有形無形のさまざまな資源が共鳴するパワーを表現しています。
これまで、町民とともに、奈井江町の魅力を発見し、「“ないえらしさ”とはどういうことか?」を考えるワークショップをライターやデザイナーを交えて行い、キャッチフレーズの募集なども経て、「ずどーん」が誕生しました。

◎「ずどーん」決定までの道のり
http://www.town.naie.hokkaido.jp/kankou/kyattifurezu/kyattifurezu-mitinori/

  • ユニークなキャッチフレーズになった理由

奈井江町のキャッチフレーズは、“たくらむまち奈井江町”(奈井江町がおもしろい町になっていくための計画を企むという意味)を合言葉に、単に役場の職員の名刺や封筒の肩におさまったりするものではなく、その言葉を使ってワクワクするような“たくらみ”がぞくぞくと湧いてくるような言葉にしたいという思いからはじまりました。
「健康と福祉のまち」や「音楽のまち」、「ゆめぴりかの里」といった奈井江町の取り組みの中であったり、特産品のラベルやお店のショーウィンドウ、学校やイベントなどでも。「ずどーん」は、町民や事業所、団体それぞれのアイデア次第で、さまざまな場面で使っていくことで、奈井江町が他のまちとは違う独自の見え方になっていくことを目指しています。

 

(町民や事業所、団体からの使い方の相談なども受け付けます。)
*奈井江町役場「ずどーん」決定のページ http://www.town.naie.hokkaido.jp/kankou/kyattifurezu/
*一般社団法人ないえ共奏ネットワーク [奈井江町のまちづくり会社] https://www.naie-kyousou.net/
 

  • コンセプト

「ずどーん」は、まちのみんなの遊び道具。
「ずどーん米」があってもいい。「ずどーんトマトジュース」があってもいい。「ずどーんアイス」があってもいい。「ずどーんラーメン」があってもいい。「ずどーん丼」があってもいい。「ずどーんコンサート」があってもいい。「ずどーん運動会」があってもいい。「ずどーん祭り」があってもいい。
朝の挨拶は「今日も良いずどーんですね!」でいいじゃないか。
じゃんけんの合図は「ずどーんで、ポイ!」でいいじゃないか。
「ずどーん」をまちのみんなのコミュニケーション・ツールにしたい。
だから、「こう使っちゃいけない」というような縛りはなるべく無くしたい。「こう使ったら、もっと面白いよ」とみんなが言い合える雰囲気をみんなでつくっていきたい。デザインに目が行きがちですが、「ずどーん」という言葉をまちに溢れさせることにこの企画の本質があります。

使える、たのしめるデザイン
奈井江町のコミュニケーションデザインには、伸び縮みする「ずどーん」のタイポグラフィと、まちの景色やひとびとの多様性を抽象化したさまざまな造形があります。この造形は陶芸家の藤本美歩さんがまちからインスピレーションを受けて創作した造形です。「ずどーん」のコピーとデザインは、まちのひとたちがイベントや商品パッケージ、販促などに使うことができます。またステッカーをスマホやパソコンに貼ってたのしむこともできます(インスタではトイレットペーパーホルダーに貼っている人も!)。まち中に「ずどーん」の言葉とデザインがあふれることで、まちのイメージが醸成されていきます。これまで「札幌と旭川の真ん中にあるまち」という説明をしていた奈井江町から、「ずどーんなまち」奈井江町と言えれば話しも早いですし、デザインの認知が高まれば説明さえ不要になります。そんなねらいをデザインに込めました。
 

  •  ノベルティ、ステッカー等の展開

町の成人式でノベルティ(トートバッグ、マグカップ)を新成人にプレゼントしたほか、ステッカーを町内の公共施設で無料配布するなど、「ずどーん」のデザインがさまざまなところで展開し始めています。

 

  • オンライントークイベント開催

奈井江町のキャッチフレーズ「ずどーん」が、町内外で少しずつ広がりはじめています。
デザイナーの浪本浩一さん、コピーライターの田中有史さん、そして町の職員として、このプロジェクトに携わってきた井上健二さんとともに、「すどーん」というキャッチフレーズとデザインが出来上がるまでの経緯や、「ずどーん」を通した、これからの奈井江町のまちづくりなどについてお話します。
 

ずどーんと、語ろう。「北海道奈井江町のキャッチフレーズ」はなぜ、ずどーんなの?
日時:2023年3月1日(水)19:00~20:30 *Zoom開催(オンラインのみ)
登壇者:浪本浩一(グラフィックデザイナー)、田中有史(コピーライター)、
井上健二(奈井江町役場 企画財政課 課長補佐)
◎参加費無料/要事前申込(Peatixサイトから https://naie-zoodooon-230301.peatix.com/
 

  • クリエイター紹介

浪本 浩一/Koichi Namimoto
アートディレクター、グラフィックデザイナー。株式会社ランデザイン 代表取締役。
京都芸術大学芸術学部 芸術教養学科卒業。ヴィジュアル・デザイン研究所修了。
企業、商品、まちのブランディングやデザインを手がけている。ものづくりの人たちとの交流も多く、デザイナーと職人をつなげ新たな広がりを生み出す「KRAFKA」「扇町マテリアル会議」などの活動を行っている。最近は、地域課題、社会課題に対して、デザインの力を使って新たな価値を創造することにも取り組んでいる。
2014年、『モリサワタイプコンペティション』和文書体部門 金賞、欧文書体部門 銅賞、明石賞。2015年、個展「デザインの思考と試行」開催。2020年、グッドデザイン賞(奈義町多世代交流広場)。日本グラフィックデザイナー協会正会員。成安造形大学非常勤講師。大阪パッケージアカデミー講師。

田中 有史/Yuji Tanaka
クリエイティブディレクター、コピーライター。
同志社大学法学部法律学科卒業。広告代理店・制作会社を経て1992年よりフリーエージェント。コンセプトとキャッチフレーズに力点を置いたクリエイティブワークを展開することでブランドイメージを醸成していく、長期視点のクリエイティブディレクションを得意としている。試験に例えると60点以上、野球だと3割打者を目標にアベレージとクォリティーの高い仕事を目標にしている。
朝日広告賞、電通賞、新聞広告賞、ニューヨークADC賞その他広告賞の受賞多数。TCC年鑑、OCC年鑑、ADC年鑑、JAGDA年鑑その他主要広告年鑑への掲載多数
神戸親和女子大学客員教授・「広告論」元非常勤講師。とっとり県中部発信プロジェクトクリエイティブディレクター。大阪コピーライターズ・クラブ顧問。宣伝会議「コピーライター養成講座」講師。
これまでの主な仕事に、Panasonic、SHARP、JR 西日本、京阪電車、阪急百貨店、阪神百貨店、阪急三番街、NAVIO 阪急、MIZUNO、コンバースウエア、FM COCOLO、神戸市立須磨海浜水族園、NU 茶屋町などがある。

藤本 美歩/Miho Fujimoto
1969年生まれ。京都市在住。京都市立芸術大学デザイン科卒業後、読売テレビ入社。番組セット、広告、ブランディング、ロゴタイプ、衣装、イベントステージ、ツール等、多岐にわたるテレビデザインを行う。40歳を過ぎて、陶芸のワークショップにて土の面白さを知る。50歳で読売テレビ退社、築100年を越える古民家の土間に電気窯を置き、トホとしての作陶活動を開始。

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