次戦は、決勝戦で斎藤慎太郎八段と対局予定。
タ イ ト ル: 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 準決勝第二局
日 程: 2022年11月6日(日)
場 所: ポートメッセなごや 第3展示館(住所:愛知県名古屋市港区金城ふ頭2-2)
【JTプロ公式戦結果】
対 局: 藤井聡太 竜王(先手)対 稲葉 陽 八段(後手)
結 果: 133手にて藤井竜王の勝ち
【「JTプロ公式戦」今日のハイライト】
藤井竜王が2年連続の決勝進出
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が3枚で藤井竜王の先手と決まる。角換わりの出だし。後手の稲葉八段は右玉に構えて先手の腰掛け銀をけん制。先手はどこから仕掛けるのかがポイントだったが、封じ手の▲5六角から1筋を絡めて手を作る。対する稲葉八段も9筋から開戦し攻め合いとなるが、敵陣一段目に成った龍が厳しい。▲7一角以下は先手の攻めが止まらず、そのまま快勝で藤井竜王が2年連続の決勝進出を決めた。
【対局前の両者のコメント】
藤井竜王「昨年に続いてこの東海大会で対局できることをうれしく思います。稲葉八段は非常に鋭い手が多く、また早指しでは決断良く、時間のペース配分に長けているという印象があります。対局に際しては、取捨選択をしながら指すことが大事だと思っています。多くの方に見ていただけるのでいい将棋をお見せしたいです。」
稲葉八段「『JTプロ公式戦』は持ち時間が短いので決断が求められますが、急所の局面では考えないといけません。そのためには時間を使うメリハリが大事になります。藤井竜王は将棋の完成度が高く、棋士の中でも一番ミスが少ない棋士です。最近は序盤も工夫されて、勝つのが大変な相手。私がいい将棋を指して熱戦にできればと思います。」
【勝利棋士 藤井竜王のコメント】
右玉にされて、こちらも▲5六歩の形なら▲6八銀~▲6七銀と組み替えて指す順もあったのですが、▲5六歩を突いていない利点を生かして▲5六角を選択しました。▲1一飛成と成り込んで優勢になったと思いましたが、後手玉が特殊な形なので、距離感がつかめていない感じでした。途中難しい変化もありました。(113手目▲8五桂に対し△8一飛ならアベマの評価値が50-50になったという件を伝えると)え、▲6二角成△同金▲8一龍だと△9七角ですか。なるほど、それはやられていたら困っていたかもですね。(2年連続の決勝進出と聞かれ)昨年は封じ手直後に間違えてきわどい将棋にできませんでした。今年はその反省を生かして勢いのある将棋をお見せしたいです。
講評
角換わりになりましたが、後手の稲葉八段は先手の腰掛け銀に備えて右玉にしました。では先手はどこから攻めるのかというところですが、▲5六角と7筋と1筋の両にらみの角を打ちました。先手が1筋を、後手は9筋をという攻め合いになりましたが、先手が▲1一飛成と成り込んだところで、△3一歩といったん底歩で受けて▲3三歩△9八歩の攻め合いならまだ大変だったようでした。95手目▲7一角が予想以上に厳しく勝負ありました。でも水面下では△9七香成をどうするかとか、両者は相当難しいところまで読んでいたようです。結果だけを見ると藤井竜王の快勝ですが、稲葉八段の充実ぶりも窺えた一局だったと思います。 三浦弘行九段談
【投了図】 藤井聡太 竜王(先手)対 稲葉 陽 八段(後手)
【棋 譜】 藤井聡太 竜王(先手)対 稲葉 陽 八段(後手)
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲3八銀 △3三銀 ▲3六歩 △6二銀 ▲7八金 △7四歩 ▲4六歩 △7三桂 ▲6八玉 △6四歩 ▲4七銀 △5二金 ▲3七桂 △9四歩 ▲9六歩 △6三銀 ▲4八金 △6二玉 ▲6六歩 △8一飛 ▲7九玉 △5四歩 ▲5八金 △7二玉 ▲8八玉 △4四歩 ▲2九飛 △4二銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △4三銀
▲5六銀 △3三桂 ▲4八金 △6二金 ▲2九飛 △5二金 ▲6七銀 △6二玉 ▲5六角 △5五歩 ▲4七角 △8四飛 ▲5六歩 △同 歩 ▲同 角 △5五歩 ▲1五歩 △同 歩 ▲1四歩 △5四銀右 ▲1三歩成 △同 香 ▲1四歩 △同 香 ▲3五歩 △同 歩 ▲1四角 △3六角 ▲同 角 △同 歩 ▲2五桂 △同 桂 ▲同 飛 △8六桂 ▲6八金 △9五歩 ▲1五飛 △3七歩成 ▲同 金 △9六歩 ▲1一飛成 △9七歩成 ▲同 桂 △9八歩 ▲7一角 △6二角 ▲同角成 △同 金 ▲5一龍 △5二金 ▲7一角 △6三玉 ▲6一龍 △6二角 ▲6五桂 △同 桂 ▲同 歩 △同 銀 ▲4七桂 △5四銀引 ▲6六香 △7二桂 ▲8五桂 △同 飛 ▲8六銀 △8三飛 ▲6五歩 △同 歩 ▲6四歩 △同 桂 ▲6五香 △同 銀 ▲5五桂 △5三玉 ▲6二角成 △同 金 ▲7一角 △7三角 ▲4三桂成 △同 金 ▲6二角成 △同 角 ▲5二金 まで133手で先手の勝ち
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