■背景
MSA生命は生命保険事業を展開する中で、長年にわたり様々なデータを取得・蓄積してきましたが、具体的な利活用は現場主導で行われており、全社的な活動には昇華されていませんでした。また、全社で推進するにあたり、様々な分析テーマを推進する人財・基盤にも課題がありました。
現在、多くの企業でデータやAIの活用が取り組まれる中、データ分析は現場の部門、人財育成は人事部門といったように、部署単位での個別の活動にとどまることが多く、データ利活用プロジェクトがなかなか全社活動として受け入れられないという課題を抱えている企業も散見されます。
MSA生命は中期経営計画(2022~2025年度)の基本戦略の一つである「DX」を実現するため、デジタルイノベーション部(以下、DI部)を創設。「データ分析人財の育成」や「データ基盤の整備」に取り組み、「データ分析プロジェクト」を推進されています。
このような中、TDSEはMSA生命の「DX戦略」における様々な取り組みを伴走型で支援できるパートナーとして選定いただきました。
■MSA生命の取り組み
1. データ分析人財の育成:
データ分析を用いてビジネス課題を解決するデータアナリストの育成(図.1参照)
2. データ分析プロジェクトの推進:
業務知識を持つ社内データアナリストと外部データサイエンティストが協力してデータ分析を実践
3. データ基盤の整備:
セキュリティを確保した中で社内外のビッグデータを蓄積・分析できる基盤
図.1 MSA生命におけるデジタル人財定義
中期経営計画初年度に当たる2022年度は、6名のデータアナリストを育成し、5テーマのデータ分析プロジェクトを推進されました(図.2参照)。
図.2 人財育成及びデータ利活用における支援の流れ
■TDSEのご支援内容
MSA生命のDX実現に向けてTDSEはデータ分析人財の育成とビジネス課題解決のためのデータ分析プロジェクトをご支援してきました。
人財育成では、育成プログラムの中でまず受講者に基礎研修と実務研修を受講していただいています。次に受講者は実業務のデータを用いて自身の業務にまつわる課題をテーマとしてTDSEが伴走支援しながらデータ分析を行いました。このように、データ分析の知識・スキルを学ぶための研修と、実業務での課題をテーマとしたデータ分析プロジェクトの実践を組み合わせることで、実際の現場で活かせるデータ分析の知識・スキルを身に付けることが可能になるのです。
またデータ分析においても、業務知識があり研修によってデータサイエンスの知識・スキルを持つ社員がプロジェクトに参画することは、効率的な分析と価値ある洞察を得ることに繋がります。
この取り組みにより、データ分析人財の育成とともに、どのように分析したのかという過程も含めたノウハウ・知見がMSA生命の社内に蓄積され、データ利活用の真の内製化が可能になります。
具体的な支援内容
①育成プログラムとスキルチェック
1. 知識や技術、事例についての基礎研修(他社のサービスも活用)
・データサイエンスの基礎知識や分析事例についての集合研修、Eラーニング
・BIツールの操作研修
2. 実業務ですぐに活用可能な実践研修
・分析プロジェクトでの実践を念頭に置いた、分析の進め方、データ加工手法、統計手法、機械学習、精度検証方法などの分析技術の講習
・仮想的なビジネステーマを用いた実践的なデータ分析研修
3. 研修で学んだ知識・技術を分析プロジェクトの中ですぐに使い、定着させる(詳細は②を参照)
・適切にビジネス課題を抽出・整理し、目的を明確化する
・ビジネス課題をデータ分析の課題に変換し、分析設計を行う
・学んだデータサイエンスの知識に業務知識を活かした分析を行い、分析結果を適切に評価する
以上のような支援を経て、最終的に候補者6名全員がデータアナリストとして認定されました。
・すべての研修カリキュラムを修了
・TDSEデータサイエンティストがスキルチェック※を実施し、認定要件を充たすことを確認
※TDSEからのノウハウ提供によりMSA生命が独自にスキルを定義
・分析プロジェクトの取り組みを役員・部長が参加する報告会で発表
認定されたデータアナリスト6名は23年度においても、所属部署にて新規の分析を設計する、22年度テーマの分析を継続する、次年度候補者のメンターを務める、など各人活躍されています。今後もDI部と連携し、データアナリスト自身が行う分析やレベルアップのための継続教育を支援して参ります。
②データ分析プロジェクトの推進
2022年度、MSA生命では、本社の5部門から6名のデータアナリスト候補が選抜されました。
初期研修を受けた後、データアナリスト候補は、自部門のビジネス課題をTDSEデータサイエンティストの支援の受けながら自ら整理し、データ分析のテーマとして設定しました。
その分析テーマを、TDSEデータサイエンティストとデータアナリスト候補が協力しながら分析を行う体制でプロジェクトを推進しました。
<データ分析テーマ>
・コンタクトセンター部門
要員配置適正化による業務効率化、応答率安定化による品質向上を目指した入電量の予測モデル作成
・コンプライアンス部門
不祥事件の未然防止に向けたデータ分析
・経営管理部門
より適切な経営数値を設定して管理するための経営数値の予測精度向上
・営業推進部門
お客さまへのより適切な情報提供やフォローアップを目指したアンケート分析
・新契約事務部門
業務変革に向けた契約申込み時の不備発生傾向の分析
いずれのテーマにおいても具体的な成果や新たな知見を獲得できています。特に入電量予測に関しては、目標精度を達成するAIモデルを開発しました。今後は、現場での試験運用を行い、業務に組み込むことを目指しています。
中期経営計画2年目に当たる23年度は、9名のデータアナリストの育成を進め、9個の分析プロジェクトに取り組むことを計画されています。
TDSEはデジタル人財の継続的な育成や各部門のビジネス課題解決に向けた分析プロジェクトの推進を通して、MSA生命の「DX」の実現を支援して参ります。
以上
■会社概要
本社: 東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー27階
設立: 2013年10月17日
代表取締役社長 東垣 直樹
資本金: 8億3318万円
■本件に関する問い合わせ先
TDSE株式会社
〒163-1427 東京都新宿区西新宿 3-20-2 オペラシティタワー27階
E-mail:info@tdse.jp
24 時間受付WEB:https://www.tdse.jp/
※現在全社テレワーク導入のため、お問い合わせはメールにて受け付けております。