2022年度「国際交流基金地球市民賞」受賞団体決定

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国際交流基金(JF)は、1985年より国際文化交流を通じて日本と海外の市民同士の結びつきや連携を深め、知恵やアイディア・情報を交換し、ともに考える団体に対して「国際交流基金地球市民賞」(以下「地球市民賞」)を贈呈しています。(地球市民賞とこれまでの受賞団体につきましては公式ウェブサイトをご参照ください https://www.jpf.go.jp/j/about/citizen/index.html

このたび、第38回となる2022年度の受賞団体に、応募総数98件から、特定非営利活動法人アレッセ高岡(高岡市)、特定非営利活動法人PEACE CULTURE VILLAGE(広島市)、特定非営利活動法人地域サポートわかさ(那覇市)、の3団体が決定しました。

2022年度受賞団体

■特定非営利活動法人アレッセ高岡
<多様性を地域の力に 外国人散在地域における多文化共生のモデル的活動>
富山県高岡市、代表:青木 由香

■特定非営利活動法人PEACE CULTURE VILLAGE
<テクノロジーと若者の参画で平和の尊さを後世につなぐ>
広島県広島市、代表:スティーブン・リーパー(専務理事 住岡 健太)

■特定非営利活動法人地域サポートわかさ
<ともに考え、住民の活動を創造的に後押しする地域づくりの要>
沖縄県那覇市、代表:上原 廣保
 

※受賞団体の略歴や授賞理由などの詳細は、以下をご覧ください。

■特定非営利活動法人アレッセ高岡
【所在地】 富山県高岡市守山町35 ニッセンビル402
【代表者】 理事長 青木 由香
【設立】    2010年
【ウェブサイト】  https://www.alece.org/

<授賞理由>
アレッセ高岡とは、外国ルーツの青少年が、日本とルーツ国の架け橋や地域社会の一員として活躍する人材となるよう、学習支援等の事業を推進する団体である。高岡市では1990年頃より多くの外国人労働者を受け入れており、外国ルーツの子どもたちが日本の学校で学ぶようになった。様々な課題解決を目指し、2010年に同団体が設立された。2020年度からは、こうした外国ルーツの子どもの「支援」という枠組みを超え、地域のすべての人々が互いの違いを理解・尊重し、多様性を真に受けとめる市民となっていくような教育プログラムを展開。外国人散在地域であるだけに実務的課題は多いが、多文化共生社会の実現に向けて努力を重ね、地域活性化にも貢献している。

<授賞コメント>
人も金も不足し保守的な地方、しかも、外国ルーツの子どもの存在自体なかなか認識されない外国人散在地域。全く光が当たらない暗闇の中で、ただただ子どもたちの可能性を信じて活動を続けてきました。そんな私たちの活動に地球市民賞が光を照らしてくれたと感じています。それは、外国ルーツの子どもたちの可能性を照らす光でもあると思います。受賞をきっかけに、多様な子どもたちが市民として切り拓く、自らの、そして、地域の未来への視座を、地域の多くの人と共有したいと思います。

■特定非営利活動法人PEACE CULTURE VILLAGE
【所在地】 広島県三次市甲奴町福田26 (※広島市に定款変更予定)
【代表者】 代表 スティーブン・リーパー(専務理事 住岡 健太)
【設立】 2014年
【ウェブサイト】 https://www.peaceculturevillage.org/

<授賞理由>
世界から広島を訪れる人々への平和ガイドや対話プログラムを提供するPEACE CULTURE VILLAGEは、原爆投下から77年が過ぎ、多くの団体が語り部の高齢化や組織の維持に悩むなか、オンラインツアーやXRといったテクノロジーを活用し、若い世代も参画する新たな取り組みを展開してきた。コロナ禍で経営的にも危機を迎えるなか、広島を直接訪れることができない人に何ができるかをスタッフたちが考え、旅行会社と連携しオンラインツアーや授業を企画。また若者が有償で仕事として参画するしくみを構築し、平和文化の分野に留まらず、これからの国際交流活動のあり方にも新たな可能性を示している。

<授賞コメント>
この度は名誉ある賞へ選定を頂きありがとうございます。 
私たちにとって「地球市民」という概念は大きなものです。 
被爆者の田中稔子さんが私たちへ「世界中に友達を作ってください」と伝えてくれます。「もしも世界中に友達がいれば、戦争が起きた時に友達の顔が浮かぶでしょう。その時に平和が自分ごとになる」と。 
「世界中へ友達を作る」は大きな夢ですが、地球市民の立場で友達と力を合わせ、より良い未来を創造していきたいと思います。

 

■特定非営利活動法人地域サポートわかさ
【所在地】 沖縄県那覇市若狭2丁目17番8号2階 若狭2丁目自治会事務所内
【代表者】 理事長 上原 廣保
【設立】 2005年 ※2007年にNPO法人に認証
【ウェブサイト】 https://cs-wakasa.com/

<授賞理由>
地域サポートわかさは、沖縄県那覇市若狭地域で住民主体のコミュニティ形成を担うNPO法人である。住民の宝である那覇市若狭公民館の民営化に際し、管理運営を担うべく近隣住民が協力して2005年に設立。住民自治を尊重し、地域住民の自発的な活動を後押しする一方、アーティストとの協働などユニークな視点で企画する質の高いプログラムや細やかな情報発信に定評があり、全国的にも注目の存在となっている。 
「誰一人取り残さない」をモットーに、地縁組織に属さないひとり親世帯や様々な家庭環境にある子どもたち、在留外国人も意識し、セーフティネットの役割も果たす。近年は増加するネパール人住民の活動も支援し、住民との交流と相互理解に一役買っている。

<授賞コメント>
この度は、栄えある国際交流基金地球市民賞に選考いただき感謝申し上げます。若狭公民館開館30周年の記念の年にこのような大きな賞をいただき、喜びもひとしおです。 
「誰一人取り残さない地域社会の実現」を目指して、多くの機関・団体、そして地域住民の皆さまと共に学び合いながら日々模索しています。協働パートナーとの喜びの分かち合いを励みとしながら、さらに前進できるよう尽力していきます。

 

 

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