※元記事:https://www.whitecross.co.jp/articles/view/2754
【調査背景】
患者の治療内容だけでなく、セルフケアの状況や生活習慣などを日々記録するサブカルテですが、多くの歯科医院では、いまだに紙カルテを用いた記録が主流となっています。
一方で、近年は医療法人化する歯科医院が増え、チームで患者情報を共有することが増えている中で、サブカルテの管理および患者情報の引き継ぎをスムーズに行えている歯科医院はどれくらいあるのか、調査するため今回WHITE CROSSは開業している歯科医師200名に対してインターネット調査を行いました。
【調査概要】
調査方法:WHITE CROSS会員の歯科医師に向けたインターネット調査
調査期間:2023年5月30日のみ
有効回答:歯科医師200名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
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歯科医院でデジタル化したい業務、「紙のカルテ(サブカルテ)」が51.0%で最多
「Q1:クリニックにおいて、デジタル化により利便性を高めたい・効率化したいと思う業務を教えてください(複数選択可)」(n=200)と質問したところ、「紙のカルテ(サブカルテ)」が51.0%、「患者の医療データの管理」が40.5%、「機材・材料の発注・在庫管理」が39.5%という回答となりました。
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8割以上が紙のカルテのデジタル化を進めたほうが良いと回答
「Q2:紙のカルテ(サブカルテ)のデジタル化についてどう思っていますか」(n=200)と質問したところ、「デジタル化は必須だと思う」が27.5%、「デジタル化を進めた方がよいと思う」が30.0%、「どちらかというとデジタル化を進めた方がよいと思う」が25.0%という回答にとなりました。
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5割以上がデジタル化に向けたツールの導入を考えていると回答
「Q3:紙のカルテ(サブカルテ)のデジタル化について、クリニックの状況を教えてください」(n=200)と質問したところ、「すでに導入をしている」が6.5%、「導入を予定し、選定を始めている」が3.0%、「導入したいと考えているが、具体的なアクションはしていない」が45.0%という回答になりました。
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6割以上が「保管する場所が足りない」と回答
「Q4:紙のカルテ(サブカルテ)の利用でどのようなことでお困りですか(複数選択可)」
(n=200)と質問したところ、「保管する場所が足りない」が60.5%、「翌日のカルテの準備に時間がとられている」が35.0%、「手書き文字を他の人が読むことができない」が23.0%という回答になりました
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院内のチームワーク活性を図るためにも、サブカルテのデジタル化は有効?!
「Q5:クリニック内のチームワークや患者サービスについて該当するものを教えてください(複数選択可)」
(n=200)と質問したところ、「スタッフ間での日々の情報共有の時間が十分にとれていない」が38.5%、「治療計画を患者さんと共有・合意ができているかどうか不安」が33.5%、「患者さんからの急な問い合わせに即座に回答ができない」が30.0%という回答になりました。
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まとめ
今回は、開業している歯科医師200名を対象に、紙のカルテのデジタル化に関する歯科医師の実態調査を実施しました。
歯科医院において特にデジタル化したい項目は、「患者の医療データの管理」を抑え、「紙のカルテ(サブカルテ)」が最も多い結果となりました。
約8割以上が紙のカルテのデジタル化を進めた方がよいと回答し、半数以上がデジタル化に向けたツールの導入を検討していることから、紙のカルテ(サブカルテ)のデジタル化を希望する声が多くあがりました。
今後、紙のカルテがデジタルになることによって、スタッフ間の情報共有がより円滑になったり、患者からの急な問合せに即座に回答できるようになることで、治療を受ける患者に対してもよい影響がでると予想され、紙のカルテや患者データなどのDXが必要不可欠になっていくのではないでしょうか