デブリ問題や宇宙のサステナビリティの最先端を学べる「オービタリウム」、 アストロスケール新本社内(墨田区)に7月5日オープン

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持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信、以下「アストロスケール」)は、創業10周年を迎えた今年5月に移転した墨田区の新本社内に、デブリ問題や宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)の最先端を学べる一般見学施設「オービタリウム(英語表記:Orbitarium)」をオープンします。2023年7月5日(水)の正式オープンを前に、本日、予約受付を開始いたしました。

通信やGPSなど、現代の日常生活や経済活動に不可欠な人工衛星は、宇宙の「軌道」で運用されています。例えると、軌道は自動車が走る高速道路のような存在です。宇宙は想像もできないほど広いとはいえ、地上の活動を支える衛星の運用に適した高度、人気の軌道があります。そして、宇宙開発が加速するにあたり衛星やデブリの数が増加し、軌道の混雑化が進んでいます。結果として、衛星とデブリのニアミスや衝突が発生しているのです。また、今年5月のG7科学技術大臣コミュニケとG7広島首脳コミュニケにおいては、宇宙空間の安全かつ持続可能な利用に対するコミットメントが表明され、デブリ問題への取り組みが強く奨励されています。こうした軌道の現状と、スペースサステナビリティの実現に向けた取り組みをより多くの方に知っていただくため、新本社内に一般向け見学施設として「オービタリウム」を開設する運びとなりました。

オービタリウム(Orbitarium)について

日常生活ではあまり感じることのできない宇宙の「軌道」について、見て、感じて、知っていただくとともに、スペースサステナビリティの実現に向けたアストロスケールの取り組みをご覧いただける施設です。「軌道」をコンセプトに、地球と宇宙、軌道や人工衛星の関係性を感じていただけるよう、円をモチーフとした空間デザインを取り入れました。施設に入ると、地球の模型を取り囲むように設置した曲面モニターに映像が流れ、地球を取り囲む衛星の「軌道」、そして「スペースサステナビリティ」について体感的に学べます。また、その最先端の取り組みとして、衛星の製造や部品の試験を行うクリーンルームでの開発の様子を見学できるスペースも設けています。

名称の由来

本施設のコンセプトである「軌道」を意味する「オービット / orbit」と、ラテン語を語源として「〜に関する場所」という意味を持つ「〜アリウム / ~arium」を組み合わせたものです。

主要コンテンツ

  • 地球と宇宙のつながりについて感じることのできる円形シアター

  • 軌道環境やスペースサステナビリティの取り組みについて知ることのできる展示エリア

  • 衛星の製造や部品の試験を行うクリーンルームでの最先端の開発を見学できるスペース

  • ここでしか手に入らないアストロスケールオリジナルグッズの販売

施設概要

名称:オービタリウム(英語表記:Orbitarium)

所在地:〒130-0013 東京都墨田区錦糸4-17-1​ヒューリック錦糸町コラボツリー2階

オープン:2023年7月5日(水)/予約開始:2023年6月30日(金)

営業日:水曜日・金曜日(要予約)

予約枠:11:00~12:00、15:00~16:00

入館料金:8月末まで無料

URL: https://orbitarium-astroscale.com

※15名以上の団体・法人向けには11月より案内開始予定(予約は8月から)

※クリーンルームは8月以降に稼働開始予定です。

※製造や試験の状況によっては開発の様子をご覧いただけない場合があります。

※競合の企業に所属される方など、事業上の理由によってご予約後でも入館をお断りさせていただく場合もございます。あらかじめご了承ください。

アストロスケール創業者兼CEO岡田光信コメント

「アストロスケールは2023年5月で10周年を迎えました。2013年の創業当時、デブリ除去を含む軌道上サービスは『市場がない』、『誰も技術を作れたことがない』、『民間ましてやスタートアップのやることではない』など、否定的なご意見をたくさんいただきました。しかし今では、デブリ問題はG7の首脳コミュニケに盛り込まれるほどにまで重要性の高い喫緊の問題となり、また当社の取り組みも国内外で注目そして評価されるようになりました。みなさまの継続的なご支援に感謝するとともに、宇宙経済の持続可能な未来を開拓するにあたり、この新しい本社でみなさまと共にさらに前進していくことを楽しみにしています。そして、より多くの方に宇宙のサステナビリティについて考えていただく機会を創出するため、オービタリウムを開設できることを嬉しく思います。」

新本社について

アストロスケールは、今年5月に墨田区錦糸町のヒューリック錦糸町コラボツリーに本社を移転しました。これは、グローバルで高まるスペースサステナビリティに関しての意識と当社の軌道上サービスへの需要に応え、開発を加速するとともに、従業員の増加に対応するためのものです。この新拠点にはアストロスケールとその日本子会社が入居し、5カ国に拠点を展開するアストロスケールのグローバル本社として機能しています。

ヒューリック錦糸町コラボツリーのテナントとして、アストロスケールは1階に515平方メートルの広さを誇り、衛星の製造や部品の試験を行うクリーンルーム、2階にはミッション管制室とオービタリウム、そして3階に、社員数200名以上を想定したオフィスエリアを設けています。

アストロスケール について

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む世界初の民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去(EOL※1)、既存デブリの除去(ADR※2)、寿命延長(LEX※3)、故障機や物体の観測・点検(ISSA※4)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエル、フランスとグローバルに事業を展開しています。https://astroscale.com/ja/

※1 EOL:End-of-Lifeの略称

※2 ADR:Active Debris Removalの略称

※3 LEX:Life Extensionの略称

※4 ISSA:In-Space Situational Awarenessの略称 

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