人工流れ星衛星3号機ALE-3のエンジニアリングモデルが完成

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「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」をミッションに掲げる株式会社ALE(東京都港区、代表取締役/CEO:岡島礼奈、以下ALE)は、人工流れ星衛星3号機(ALE-3、以下3号機)のエンジニアリングモデルが2023年3月に完成しましたのでお知らせします。ALEはこの3号機を2024年後半に打上げ、2025年に世界初の人工流れ星を実現させることを目指しています。なお、打上げロケットや初回イベントなどにつきましては、決定次第発表いたします。

人工流れ星衛星3号機(ALE-3) エンジニアリングモデル人工流れ星衛星3号機(ALE-3) エンジニアリングモデル

■3号機の主要スペック(現時点)
◇流星源(人工流れ星の素となる粒)の搭載粒数…1,000粒(初号機・2号機は各400粒ずつ)(1,000粒の内、商用利用するのは900粒)
◇ミッション機器…人工流星放出機
◇本体寸法…812 x 812 x 1300 mm
◇質量…200 kg

 これまでの衛星と比べ3号機を大型化することにより、流星源の搭載粒数が大幅に増加しました。

■3号機開発の特徴
3号機では、2号機で発生した不具合を踏まえて人工流星放出機の設計全体を再確認し、信頼性を高める設計アップデートをしております。さらに、各分野のエキスパートを増員し、社内の開発体制を強化して、さらに質の高い設計、製造、検証を可能としました。初号機と2号機の打上げおよび軌道上運用で培ったナレッジを3号機にも活かし、より確実な開発を行っています。また初号機や2号機と同様に、豊富な知見を有する東北大学と連携しております。なお、衛星や流星源は環境に配慮して設計されています。

■人工流れ星を活用した事業
1)宇宙エンターテインメント事業「SKY CANVAS」
「SKY CANVAS」は、夜空をキャンバスに見立てて彩る宇宙エンターテインメント事業です。まずは、世界各地*の指定された場所で流すことができる人工流れ星で、かつてないスケールの非日常体験を創出します。人工流れ星は地上から宇宙を感じることができる今までにないエンターテインメントであり、あらゆる世代・性別・国籍の人々に楽しんでいただけます。 

人工流れ星は、スポーツ大会や音楽イベント、企業プロモーションイベントなどの各種イベントやプロモーションでご利用いただけます。さらに観光コンテンツとしても活用が期待されており、テーマパークやクルーズのアトラクションとして、また地域振興のコンテンツとして(オーロラが旅行客を引き付けるように、人工流れ星が旅行の目的となり、提供地域への集客を促進します)、ご利用いただくことを想定しています。

2)大気データ事業
人工流れ星を使って、これまで観測が十分にできていなかった地球大気データを高頻度で取得。気象予測精度の向上や、気候変動メカニズムの解明への貢献を目指します。

エンターテインメントとして夜空を流れる人工流れ星は、中間圏(地上60~80㎞)で発光します。これを特殊なカメラや計測器で観測し、大気データを取得します。人工流れ星は素材やスピード等が明らかである為、それを基準にして様々なデータを計測することができると考えています。中間圏は、観測用気球には高度が高過ぎ、また人工衛星の軌道としては低過ぎる為、人工物が対流することが難しく、データの取得が難しいとされてきました。人工流れ星でこの貴重なデータを取得し、気象予測精度の向上や、気候変動メカニズムの解明へ寄与することを目指します。

ALEは3号機の開発により、世界初の人工流れ星を実現し、新たな宇宙エンターテインメントを創り出すとともに、科学発展に貢献する研究を大きく前進させてまいります。

*実施の際には、該当機関などによる許認可が必要になります。また人工衛星軌道により一部地域での実施ができないことがあります。

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