金型部品のパンチ工業、民間企業で世界初の月面探査に挑むダイモンと技術パートナー契約を締結

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パンチ工業株式会社は、2023年5月8日、ロボット・宇宙技術開発ベンチャーの株式会社ダイモン(以下、ダイモン)と技術パートナー契約を締結し、ダイモンが手掛ける月面探査計画「Project YAOKI(ヤオキ)」の一員として参画することとなりました。
月面探査車への3Dスキャナ計測サービスの提供を契機に、金型部品、FA部品・機器の製造で培った技術力を活かし、金属部品加工や金属一体化技術「P-Bas」による新素材開発で、ダイモンとともにProject YAOKIを成功に導くお手伝いをするほか、航空宇宙産業の貢献を目指します。当社は今後も、発展が見込まれる宇宙分野への展開を積極的に進め、事業の成長を図ります。
※FAはファクトリーオートメーション(Factory Automation)の略称

  • 月面探査車計画 Project YAOKI

「Project YAOKI」は、ダイモンが開発した月面探査車YAOKIを月面に輸送し、月面走行および月表面の接写画像データの獲得を行い、資源確保や居住区など人類の活動拠点構築に向けた月面探査を行うプロジェクトです。

2023年には、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)に採択された米国の民間企業インテュイティブ・マシーンズ社のミッションIM-2で打ち上げる月着陸船Nova-Cに、YAOKIが1台搭載されます。YAOKIは、着陸後に月面へ落下して探査を開始する予定です。

●YAOKIの特長―超小型、超軽量、高強度

重量:徹底的に無駄を省き、4輪以上が常識とされる車輪を2輪とすることで、わずか498gと、従来比1/10の超軽量小型を実現。

強度:通常、数回で十分とされる強度解析を100回以上繰り返し、100m落下に耐える高強度を達成。

性能:球形の車輪で本体を覆い、上下対称にする事で、転倒しても走行が可能。「七転び八起き」を由来としてYAOKIと命名。

  • 【株式会社ダイモン】 

2012年に創業したロボット・宇宙技術開発ベンチャーです。月面探査車YAOKIを中核として、月面探査事業、地上ロボット事業、教育エンタメ事業に取り組んでいます。

社名 :株式会社ダイモン(Dymon Co., Ltd.)

代表 :代表取締役/CEO/CTO 中島 紳一郎

所在地:東京都大田区大森南4-10-20(本社)

資本金:8,000万円

設立 :2012年2月

URL   :https://dymon.co.jp

  • パンチ工業の技術でProject YAOKI、航空宇宙産業に貢献

① 製品測定

3Dスキャナによる形状測定サービス「3D計測パートナーズ」の技術を活用し、設計と実機の精度保証や、ケースと本体のクリアランス(隙間)仮説検証などを行います。

当社では、2016年より、現物を3Dスキャナで3Dデータ化して、図面がない部品などを復元する「リバースエンジニアリング」事業に取組んでいます。この3Dスキャナの測定技術を活用したサービス「3D計測パートナーズ」で、NASAから求められている品質保証要件を満たし、月へのYAOKI打ち上げの土台作りに貢献します。また、転倒しても走行が可能という特長を持たせるためには、車輪と本体の間に適切な隙間が必要です。3D計測パートナーズでは、その数値をデータ化し検証することで、最適な寸法を導き出します。

② 新素材開発

「P-Bas」の焼結技術により、 YAOKIの車輪用の、軽量かつ耐摩耗性、耐熱性に優れた新素材を開発します。

「P-Bas(ピーバス:Punch Bonding and sintering)」は、接合(bonding)と焼結(sintering)の技術を意味する当社独自の造語で、どちらも専用の設備で複数の金属部品や金属粉末を加圧・加熱して加工する技術です。

本件では「焼結」の技術を用いて、軽量で耐摩耗性、耐熱性に優れた合金を開発し、YAOKI車輪への使用を目指しています。

③ 金属加工

YAOKIの車輪と本体をつなぐ、モーター軸固定用部品の加工(高硬度アルミ材)でYAOKI開発に貢献します。

 1975年の創業以来、当社が培ってきた、お客様の図面の通りに加工するオーダーメードの「特注品」加工技術の応用で、難易度の高い航空宇宙産業の部品加工も手掛けます。

  • パンチグループの将来像-成長市場の航空宇宙産業に参入

2027年には月面基地建設が開始するとされています。使用されるロボットは、探査車から建機(電動式、超軽量式)になり、2030年には月面基地が建設予定とされています。地下空洞を居住区として利用し、各種ロボットの移動距離も長距離かつ高速が求められる時代が到来すると見込まれています。

当社は、これら予想される未来に対し、先行して宇宙ビジネスに参入し、複合材新素材の活用(建機などの足回り)などで得られた技術を、地球上での既存事業や新規事業に活用すること、また、宇宙ビジネス以外の市場でも活用することで、より社会から必要とされる企業となることを目指します。

パンチグループは、2022年4月から2025年3月を計画期間とする中期経営計画「バリュークリエーション2024」において、ものづくりにおける自動化・省人化需要を新たな成長エンジンにして、常に「お客様の第一候補」であり続けることを「当社のありたい姿」として設定しています。その達成に向けた重点経営課題として「新規・既存事業の拡大」「生産体制の強化」「R&D強化」の3つを掲げるとともに、それらの課題への取組みを支える経営基盤の強化策として「DX推進」「財務戦略」「サステナビリティ」に取組んでいます。

ダイモンとの業務提携により、このうち「新規・既存事業の拡大」の施策の一つである「受注サービスの強化」、また「R&D強化」の取組みの一環である「P-Bas」、「航空宇宙関連の強化」の更なる推進を図ります。

■ 会社概要

社名 :パンチ工業株式会社

代表 :代表取締役/社長執行役員 森久保 哲司

所在地:東京都品川区南大井6丁目22番7号 大森ベルポートE館5階

上場 :東京証券取引所 プライム市場(6165)

創業 :1975年

売上高:393億円(2022年3月期)

従業員数:3,979名

URL  :http://www.punch.co.jp/

事業内容:金型部品の製造・販売及び金型関連の付属品販売

社名に込められた意味:パンチ工業という社名は、創業の製品であるプリント基板用穴あけパンチの「パンチ」と、活力にあふれた「パンチ」の効いた会社という意味が込められています。

会社ロゴマークに込められた意味:ゲンコツマークは、「商品である金型用パンチ/ピンと企業としての勢い」を表現しており、斜線は、「稲妻のごとく業界に新風を送らんとする」意気込みを表現しています。

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