映像コンテンツに対して1つのみ与えられる静的メタデータに対して、シーン毎やフレーム毎に付加される輝度成分などの情報を動的メタデータと呼び、この動的メタデータの付加により、マスタリングディスプレイと異なる性能を持つディスプレイでも、クリエイターの意図を維持した表示が可能となります。
HDR10+は、この動的メタデータ技術の1つで、すでに広く普及しているHDR10と完全な互換性があるという特色を持っています。
他にも、HDR10+には次のような特徴があり、日本国内でも、同技術に対応したテレビ、スマートフォン、プロジェクター、メディアストリーミングデバイスなどが、多数導入されています。
- ロイヤリティフリー
適用に際してロイヤリティは発生せず、フリーでオープンなHDR動的メタデータ規格となっています。
規格は140社以上が参加するHDR10+ LLCによって管理されています。
https://hdr10plus.org/
- データ量が少ない
1フレーム辺りのデータ量は最大でも60バイトで、メタデータ付加による帯域消費が少なく、伝送時やコンテンツサーバーへの負荷が小さい規格となっています。
- HDR10+ Adaptive
設置されている環境の明るさに応じた映像を提供するHDR10+ Adaptiveという規格があり、対応テレビが導入されています。
サムスン電子では、HDR10+技術普及のため、同技術を映像に適用可能な制作ツールを無償で提供しており、日本国内ではSRJが窓口となっています。
提供可能なツールには、以下のようなものがあります。
- HDR10+ メタデータ ジェネレータ
映像の中身を解析して、HDR10+メタデータを生成します。
- HDR10+ メタデータ インジェクタ
HDR10+メタデータをコンテンツに重畳します。
- HDR10+ メタデータ エバリュエーション
映像コンテンツ内のHDR10+メタデータを評価します。
- S.A.L.T. (Samsung Adaptive Luminance Transform)
自動で色空間変換、グレーディング、超解像などを行う機能を持ち、2K映像やSDR映像など、どのような映像コンテンツにでも、HDR10+を適用することが可能です。
HDR10+を適用した映像は、YouTubeにそのままアップロードが可能で、他映像コンテンツとの差別化技術として適用をアピールすることが可能です。
ご興味のある方は、お気軽に下記担当までご連絡ください。
お問合せ先:
- 株式会社サムスン日本研究所 SRJ-Y DD-2 太田 英行
- Email: h.ota@samsung.com