HTBがNICTなどと共同で分散エッジを用いた8K非圧縮映像処理及び配信実証実験に成功

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 HTB北海道テレビは第73回さっぽろ雪まつり雪のHTB広場(大雪像:豊平館)において、2月5日(日)~同月10日(金)に、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、神奈川工科大学、池上通信機株式会社などと共同で、JGN回線*を活用した超広帯域映像伝送実験を実施しました。本実証実験では、分散エッジを用いての超高精細8K非圧縮映像処理(VVF)**を行い、NICT次世代高信頼NFV***を用いてSRv6でカプセル化しSRv6網へ接続して映像配信実験(①)、および超広域でのNMOS運用実験(②)に成功しました。

雪のHTB広場 大雪像「豊平館」(C)HTB雪のHTB広場 大雪像「豊平館」(C)HTB

 

【2023年NICT雪まつり実証実験】

  • ①エッジの連携による超高精細8K非圧縮映像処理による配信実験

雪まつり会場に設置された8Kカメラ(C)HTB雪まつり会場に設置された8Kカメラ(C)HTB

 2030年代のあらゆる産業・社会の基盤になるとされる次世代情報通信基盤Beyond 5G****により、ライブ配信など様々な映像アプリケーションも超高精細8K映像を用いるようになると想定されます。今回、学術情報ネットワークSINET6の相模原データセンタ(神奈川県)に400Gbpsの回線で接続されたエッジ装置を用いて、エッジ装置に複数配置された映像処理機能VVFを連携させ、国内各地(雪のHTB広場、NICT北陸StarBED技術センター(石川県能美市)、グランドフロント大阪内ナレッジキャピタル(うめきた、大阪市北区)、沖縄・宜野座村、神奈川工科大学)から送信される、5種類のライブ映像の無劣化での編集、リアルタイムな非圧縮8K映像処理実験を行いました。

 

  • ②NMOSを適用した4Kカメラのリモートプロダクション実験

 NMOS(Network Media Open Specification)はIPネットワークにおけるベンダーニュートラルな制御の共通規格です。今回の実験では、NMOS運用における映像のスイッチングや割付、各拠点(札幌、大阪)の4Kカメラへの設定適用など、制御信号のルーティングにVRFの仕組みを取り入れ、より実運用に即したL3(レイヤー3)の制御を行いました。また、L3のNMOS運用実現のため、NHK放送技術研究所開発のNMOSリソース共有の仕組みを初めて広域接続に適用しました。 

*JGN(Japan Gigabit Network)回線
NICTが運営する超高速研究開発ネットワーク

**VVF(Virtual Video processing Function)
トランスコードおよびカラーコレクティングの並列処理等により、映像ソースを1映像フレーム(16ms)以内に切り替えての編集が可能となる技術。ネットワークのエッジに配置された複数のVVFを連携させて高速処理することで、従来必要だった編集拠点が不要となる。

***次世代高信頼NFV(Network Function Virtualization)
NFVは、ネットワーク機器やセキュリティ機器の機能を仮想化する技術。NICT次世代高信頼NFVは、性能低下によるサービス障害を防止、障害時の拠点マイグレーションによる高信頼性を実現し、NICT全国10拠点(2022年10月時点)に展開する機能群を組み合わせた検証環境、高速かつ柔軟なネットワーク技術によって実現されたプライベートクラウドサービス環境も提供。

****Beyond 5G
「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」といった5Gの特徴的機能のさらなる高度化に加え、「超低消費電力」「超安全・信頼性」「自律性」「拡張性」といった持続可能で新たな価値の創造に資する機能をもった5Gの次の世代の移動通信システム。

 

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