Craif 技術顧問・共同創業者 安井隆雄による研究成果発表:卵巣がんエクソソームに特異的に存在するタンパク質を同定し、エクソソーム分離方法を開発

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 Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)の技術顧問・共同創業者である安井 隆雄(東京工業大学 生命理工学院教授)と名古屋大学医学部附属病院産科婦人科の横井 暁 病院講師、名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学の鵜飼 真由 医師、梶山 広明 教授、北海道大学大学院工学研究院の猪熊 泰英 教授、国立がん研究センター研究所病態情報学ユニットの山本 雄介 ユニット長、慶應義塾大学薬学部薬物治療学講座の松崎 潤太郎 准教授、東京医科大学医学総合研究所の落谷 孝広 特任教授らの研究グループが、卵巣がんエクソソームにおける特異的な膜タンパク質を網羅的プロテオミクスにより新しく同定し、かつ、エクソソーム分離方法としてポリケトン鎖修飾ナノワイヤを開発した件に関する研究成果が、2023年7月7日付の学術雑誌「Science Advances」に掲載されました。

■ 本研究について

 卵巣がんは日本で年間約1万3000人が罹患し、その約半数が命を落とす予後の非常に悪いがんです。早期スクリーニングが困難であるため、ほとんどの症例は進行期で診断され、5年生存率は45%以下といわれています。そのため、早期発見が非常に重要となりますが、現状では有効なスクリーニング方法が十分に存在していません。そこで、エクソソームを含む細胞外小胞(EV)が注目されています。これらはヒトの様々な体液中に存在し、細胞間コミュニケーションに不可欠な役割を果たします。また、疾患に応じて搭載する分子に変化が生じるため、疾患バイオマーカーとして期待されています。特にEVにおいて、表面に存在する膜タンパク質は、特定のEVを検出したり、それ自体をバイオマーカーとして利用したりするうえで、極めて重要です。しかし、卵巣がんにおける特異的なEV膜タンパク質は分かっておらず、大きな課題となっていました。本研究では、卵巣がんに関連するEVを対象に詳細なタンパク質量解析を行い、卵巣がんEV関連膜タンパク質であるFRα、Claudin-3、TACSTD2を同定しました。また、EVを捕捉する手段の一つであるナノワイヤを応用し、これをポリケトン鎖修飾することでEV結合性を高め、より純度の高いEVを捕捉することを可能にしました。これらの知見を組み合わせることで、卵巣がん患者におけるEVを利用した新しい検出方法を開発しました。これらの研究結果は、卵巣がんに対する新しいバイオマーカーとして期待されます。

■技術顧問・共同創業者 安井 隆雄について

 

東京工業大学 生命理工学院 教授。2014〜2019年ImPACTプロジェクトマネージャー補佐就任、2015〜2019年JSTさきがけ研究員、2019年〜2023年再度JSTさきがけ研究員を拝命。2018~2023年名古屋大学大学院工学研究科・生命分子工学専攻准教授。研究テーマはナノ空間を利用した新奇生体分子解析手法の開発。がん細胞から正常細胞へ輸送されるがん化因子であるエクソソームの定量解析を目指している中で、ナノワイヤを利用して、わずか1ミリリットルの尿からがんを特定する技術を新たに発見。同技術を実用化すべく、代表の小野瀨と共に2018年5月にCraif株式会社を創業。

■ Craifについて

Craifは、2018年創業の名古屋大学発ベンチャー企業です。尿などの簡単に採取できる体液中から、マイクロRNAをはじめとする病気に関連した生体物質を高い精度で検出する基盤技術「NANO IP™(NANO Intelligence Platform)」を有しています。CraifではNANO IP™を用いてがんの早期発見や一人ひとりに合わせた医療を実現するための検査の開発に取り組んでいます。

【会社概要】

社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)

代表者:代表取締役 小野瀨 隆一

設⽴:2018年5⽉

資本⾦:1億円(2023年3⽉20日現在)

事業:がん領域を中⼼とした疾患の早期発⾒や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、がんリスク検査マイシグナル®︎の提供

本社:文京区湯島2-25-7 ITP本郷オフィス5F

URL:https://craif.com/

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