神戸市は、ブルーカーボンに関する取り組みとして、廃棄していたメカブを活用した藻場形成に関する実証実験結果について発表しました。
神戸市は、大気中の二酸化炭素が海藻・海草などの海の生態系に吸収され、固着される炭素で、新たな二酸化炭素の吸収源として注目されているブルーカーボンの拡大について取り組んできました。2022年には、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が創設・運用する「Jブルークレジット」制度において、神戸空港島におけるブルーカーボン生態系の創出活動により吸収・貯留された二酸化炭素の吸収量が認証され、民間企業等により購入されました。
今回は、ブルーカーボンの取り組みとして須磨浦水産研究会と連携し同研究会が実施している「早採りワカメ」株植え付オーナー制度によるワカメ収穫後、これまで廃棄していたメカブ(ワカメの胞子が蓄えられている部分)と茎が残された状態のロープ(以下:メカブロープ)を、2022年2月に須磨海づり公園内の消波ブロック等に設置し、2023年3月にワカメの藻場がどの程度形成されるのかを調査する実証実験を行いました。
実証実験の結果、周辺海域で約4,250㎡、約11.3t-wet(部分的刈取調査により推定)のワカメ藻場が観測されました。
1.実証実験の概要
須磨海づり公園内のメカブロープを設置した消波ブロック周辺で、調査測線を設けて、潜水士によるワカメの現存量を調査
メカブロープの設置イメージ
2.実証実験の結果(部分的刈取調査により推定)
調査水域での藻場繁茂状況(提供:須磨里海の会)
今回の調査結果を踏まえて、神戸市では、これまで廃棄していたメカブロープの有効活用の検討を進めてまいります。また、これらの藻場が大気中の二酸化炭素を吸収し、固着したブルーカーボン量をクレジット化することも検討していく予定です。