“100%土に還る服を作る”Syncs.Earthがアーティスト MIKIKO KAMADAによるフラワーコンポストアートを開始。

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Syncs.Design株式会社が運営する土に還る服のブランド「Syncs.Earth(シンクス アース)」は、4月22日のアースデイから7月20日まで3ヶ月間に渡って渋谷・宮下公園屋上「RAYARD MIYASHITA PARK」(渋谷区神宮前6丁目20−10)にて”コンポスト実験アート”を行っています。

渋谷区が推進する官民連携のオープンイノベーションプロジェクト「Innovation for New Normal from Shibuya」に企業として採択されている一環で、官民連携で実証実験を行うことでイノベーションの創出を促進するプロジェクトとなっています。

「Syncs.Earth」は、服が”土に還す”までの循環をデザインし、自社管理農園にて全ての製造で出た資源や、着古した服を土に還して作物を育てるところまで行っている農的循環型ブランドです。

今回は「Syncs.Earth」と、アーティスト/プランツディレクターであるMIKIKO KAMADAによるフラワーコンポストの生分解実験アート展示を行います。

着古した「Syncs.Earth」の服やハギレと廃棄される切り花が、どのように分解されていくのかを可視化できる展示となっています。

【コンポスト初日】MIKIKO KAMADAによるフラワーコンポスト初日

【分解途中の写真】MIKIKO KAMADAによるフラワーコンポスト14日目

■MIKIKO KAMADA interview

▼フラワーコンポストアートは”共作であり、変化し続ける生命体”

フラワーコンポストは作家自身が制作するというよりも、使用する花の表面に存在する微生物、花を入れる人間の身体表面に存在する微生物、そして空間の空気中に存在する微生物との共作をしていと考えられるので、その作品にしかない固有性をもち、形が同じだったとしても全く違った作品となります。また、それ自身が変化し続け、ある種生命体のように振る舞う点が面白く感じています。コントロール不能な点も作品というよりも生物のようで、常に実験的な制作となります。

また、フラワーコンポストは現在まで何度か実験的な試みとして、参加者に花を入れてもらう機会を設け、参加型作品として展示してきました。都市の中で生きる私たちが、まずは身の回りにある花を探すstep、花を手に持ち会場を訪れるstep、そしてフラワーコンポストに花を入れるstepを経ることで、私たちの意識の中に花が特別な存在として刷り込まれ、愛着が湧くと仮定し、その花をゴミ箱に入れるのではなく、分解のサイクルに入れる。そうすることで、花に自分自身を投影し、自身を循環のサイクルに組み込むような意識が芽生えるのではないかとの考えからですが、これも全て実験の過程だと思っています。

今回も、たくさんの微生物を追加するためにたくさんの人の手から花を入れるという参加型作品にしたいので、途中で花を足すイベントを企画したいと考えています。

▼地球や微生物への思想に共感し、コラボレーションが実現

「Syncs.Earth」との出合いは、友人がメンバーを紹介してくれたことがキッカケでした。それまで微生物の存在を可視化するような作品や微生物の活動熱を発生させる装置を作り、微生物を熱として、そのあたたかさから感じてもらうという試みから作った作品を作っていたので、土に還るという現象やキーワードにすぐ食いつきました。

地球や他種の生物(微生物)への眼差しの解像度が近いのかなとも感じています。大衆というか、今現在の世の中には理解されにくいかもしれない実験的な試みを行動や商品、作品として世に出しているあたり思想が近いと感じ、作品として相性がいいなと思いました。分解する服をデザイン・販売して、捨てる前に回収して、土に埋めるなんて、従来のアパレルの常識から言えばありえない!ってなりますよね。私も私でどんどん変化して分解されて汚い(と思われる)状態になっていく作品を堂々と展示しているあたり、ありえない!と思われる事も覚悟してやっています。

▼テーマは「人工物の埋葬」

今まで異なるテーマで、複数のフラワーコンポストを応用した作品を作ってきていますが、今回のテーマは「人工物の埋葬」としました。地球のルールとして、生物の身体や生物が作り出す物質は他の生物の働きにより分解され土に還り、また別の生物に利用されるという循環サイクルに組み込まれています。この地球上においては、本来はヒトが作り出すモノも、土に還るように終わりまでデザインされていることが自然だと考えています。そのように考えると、人工物であるモノにも埋葬や葬儀という儀式が存在することが必然なのではないかと考え、分解可能な「Syncs.Earth」の製品の葬儀のようなイメージで、今回の作品を構想しました。

3カ月の期間中に、フラワーコンポスト中で完全に分解することは理論上難しいと思っていますが、中に封入した「Syncs.Earth」の洋服や端切れに分解の兆しが見られるといいなと思います。また、一部分解したり微生物の活動した証が反映された洋服を取り出してまた着てみることができたら、それは微生物との共作の洋服にもなるので面白いかなと思っています。ただ、それって、人に置き換えて考えると、一度埋葬した身体がまた生き返るイメージなので、ゾンビ的世界観でちょっと怖いのかなとも思いますね。

▼微生物や他種の生命を作品で伝えていくために。

今まで、ナマの生命の存在を作品の中に感じてもらうことにこだわっていたので、あえて考えていなかったのですが、そろそろ映像作品に挑戦してみたいです。

あとは微生物群のコントロール技術を習得して、作品内で完全なる分解を引き起こせないかなというのは常に考えています。

人間中心の世界の中で、目に見えない微生物や他種の生命について、見る力をインストールすることのできるような作品を作っていきたいと考えます。

■INFORMATION

6月11日宮下パーク屋上にて開催。

フラワーコンポスト展示実証実験約1ヶ月を経て、蓋を開けて中の分解状況を確認します。

分解が進んだフラワーに加え、さらに分解を促進するため新たなフラワーの追加を一般の方々と一緒に行います。

どなたでも参加できますので、フラワーコンポストの祭壇に花を供えてください。

開始時間:6月11日(日)13時~15時

場所:宮下パーク屋上ボルダリング施設前

*追加する花は廃棄される予定の花を使用します。

■オフィシャル素材のダウンロードはこちら

syncs×宮下パーク - Google ドライブ

■「Syncs.Earth(シンクス アース)」

「Syncs.Earth」の商品は最終的に土に還すことができるようにデザインされています。

ご返却いただいた商品は、リペアをしてリユース品として再販いたします。再販できない商品は、自社で運用する農園で土に還して作物栽培に利用します。製造上で生じるハギレはすべて回収し、資源としてリペアキットや小物類の材料として利用します。

HP https://syncs-earth.com/

■MIKIKO KAMADA

アーティスト・プランツディレクター。生命科学のアカデミックなバックグランドを生かし、空間の緑化事業を手がける。現在、千葉大学大学院園芸学研究科博士課程にて「植物とヒトの関係性」の再構築を目指し研究中。同時に検証の一環でもある植物や微生物の存在をテーマにしたインスタレーション、作品を制作している。

Instagram https://www.instagram.com/mikiko_kamada/

■SPECIAL SPONSOR

株式会社島精機製作所

三井住友海上火災保険株式会社

株式会社ヤギ

■問い合わせ先

syncs.press@syncsdesign.com

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