川の水を抜いて効率的に一掃!

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 ⽇本財団(東京都港区、会⻑ 笹川陽平)は、海洋プラスチックごみ削減施策の一環としてこの度、香川県及び宇多津町、丸亀市、坂出市の3市町と連携し、人の立ち入りやごみの回収が難しい川岸にあるごみの効率的な回収を目的とした実証事業を大束川(香川県内2市2町を流れる2級河川)で実施しました。

 高低差や柵があって立ち入りが難しい川岸では、雑草が繁茂する場所に大量のごみが溜まっているケースがあります。今回の一掃作戦は、梅雨入りで雨量が増え、ごみが海に流れてしまう前に回収することを目的として実施しました。大束川の上流の水を農業用水路などに迂回させ、直接海に流して水位を落とした上で、川底に清掃ボランティアらが降り立ち、河岸の約2.0kmに渡って散乱するプラスチックごみなど計約2トンを一掃しました。今回の実証事業で、川岸に散乱するごみの効率的な回収を達成し、アクセス困難エリアにおいても安全且つ効率的に清掃できることが確認できました。

当日は、宇多津漁業協同組合、坂出綾歌淡水漁業協同組合の漁業関係者、用水路の管理などを行う農業関係者、地元消防団や自治会、香川県や基礎自治体の職員、ボートレーサー、学生など、計約350名が参加し、現場を視察した香川県の池田豊人知事と日本財団の海野光行常務理事らと作業しました。日本財団は、今回得られた知見をもとに、引き続き河川や離島などの清掃困難場所におけるより効率的な清掃活動のモデル構築を進めていきます。

清掃前の出陣式の様子清掃前の出陣式の様子

 本実証事業は、ごみの新規流入量7割減・回収量1割以上増を達成して瀬戸内海の海ごみゼロを目指す、香川県など瀬戸内4県と当財団が共同して推進している海洋ごみ対策プロジェクト「瀬戸内オーシャンズX」(詳細は別紙)の一環で実施したもので、ボートレースまるがめ(丸亀市)からの寄付金を活用しました。

<一掃作戦の概要>

 1.主 催:日本財団 共催:香川県

2.協 力:宇多津町、丸亀市、坂出市、瀬戸内オーシャンズX推進協議会、

宇多津漁業協同組合、坂出市綾歌淡水漁業協同組合、長縄手水利組合、聖通寺横井水利組合、日本モーターボート選手会香川支部

3.日 時:2023年6月4日(日)9:30~11:45

 4.場 所:香川県 大束川(宇多津町)

池田知事もごみ回収に参加池田知事もごみ回収に参加

<関係者コメント(一部)>

海野 光行(日本財団 常務理事)

川の水を抜いて、川岸の草むらに散乱するごみを、海に流れ出る前に一気に回収するモデルをつくりたい。次世代に豊かな海を引き継ぐためにも、瀬戸内海・全国・世界にも広げていきましょう。

池田 豊人(香川県 知事)

瀬戸内海の海ごみは、ペットボトルなどのプラスチックが大半を占めており、川などを伝って海に流出したもの。県としても今回の活動を契機として、清掃活動や、ごみの排出抑制の取組みをさらに進めてまいりたい。

<瀬戸内オーシャンズX概要> https://setouchi-oceansx.jp/          

瀬戸内海に面する4県(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)と日本財団が連携協定を締結(2020年12月)し、共同で推進している包括的海洋ごみ対策プロジェクト。外界からの海洋ごみ流入が少ない海域(閉鎖性海域)である瀬戸内海をフィールドに、①調査研究②企業・地域連携③啓発・教育・行動④政策形成の4つの柱で事業を実施。

■日本財団について https://www.nippon-foundation.or.jp/

痛みも、希望も、未来も、共に。

 日本財団は1962年、⽇本最⼤規模の財団として創⽴以来、人種・国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広い分野の活動をボートレースの売上⾦からの交付⾦を財源として推進しています。

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