<6月1日から保険適用開始>日本で約800万人が悩む「変形性膝関節症」の新治療が登場

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アバノス・メディカル・ジャパン・インク(本社:神奈川県横浜市、代表:サミール・シングラ)は、日本で約800万人が患っている「変形性膝関節症」について、「保存療法」と「手術療法」の架け橋となりうる、新たな治療方法『末梢神経ラジオ波焼灼療法』(以下、ラジオ波治療)を発表します。
本治療は、令和5年(2023年)6月1日から保険適用が開始されました。新サービスの『ひざ痛い.jp』を通じて、ラジオ波治療を知り、受診できる病院を探すことができます。

 本治療は、日本で唯一*変形性膝関節症に伴う慢性疼痛の軽減を図る目的で承認を取得した冷却機能付き高周波システムを用いて、超音波ガイド下で手技を行うものです。低侵襲な方法で、長期的に痛みを緩和できる効果が見込まれるため、通院頻度の低減が期待されています。(*2023年4月時点)

■背景

 「変形性膝関節症」は、膝のクッションとして働いている関節軟骨がすり減っていくことにより、骨や軟骨が変形し、擦れて痛みや腫れを生じる病気です。進行すると階段のみならず、平地での歩行にも支障をきたすようになります。

 既存の治療方法としては、大きく2つあります。1つ目が、鎮痛薬やヒアルロン酸関節注射等といった「保存療法」です。「保存療法」は、比較的簡易に行える治療方法ですが、いずれも効果の持続期間が短いことが課題とされています。2つ目は、「手術療法」です。これは、手術による治療ですが、年齢、身体や費用面での負担が大きい方法となります。そこで今回は、より低侵襲な方法で、長期的に痛みの緩和が見込まれる新しい治療法として「ラジオ波治療」を発表します。

本治療の開発にあたっては、近畿大学名誉教授(医学部)赤木將男 医師にご協力をいただきました。

■治療対象

 本治療は、整形外科的な外科的治療の対象とならない変形性関節症に伴う慢性疼痛を有する患者のうち、既存の保存療法で奏効しない患者に対して、末梢神経に高周波電流を供給し、神経を加温・凝固(焼灼)させることによって、疼痛治療を行います。

■臨床成績

  米国で実施したラジオ波治療の臨床試験(治験)では、痛みの程度が半分になったという割合は74%でした。その痛み度合いの平均は10段階(10が一番痛いと感じる段階)のうち3-4でした3,4,5。

■赤木將男医師(近畿大学名誉教授)コメント

 本治療法は、痛み止めや関節内ヒアルロン酸注射などの保存的治療と人工関節などの手術治療の間を埋める立ち位置にあります。保存的治療に比べると疼痛緩和期間が1-2年と長く、インプラントを埋入する人工関節手術に比べると非常に低侵襲で入院も不要です。従来の保存的治療では痛みが十分に取れない患者さんや、手術を受けるには変形の程度の軽い患者さん、内科的な病気により手術のリスクが高い患者さんにとって、新たな治療選択肢となることでしょう。今後の発展が期待される変形性膝関節症の新しい治療法です。

■新登場「ひざ痛い.jp」について

 本日6月1日から、変形性膝関節症による痛み、治療法について知り、ラジオ波治療が受けられる医療機関を『ひざ痛い.jp』を通じて検索することが可能になります。

『ひざ痛い.jp』URL:https://www.hizaitai.jp/

 ■会社概要

 1993年10月にキンバリークラークの日本支社「キンバリークラーク・ヘルスケア・インク」として日本におけるビジネスを開始したアバノス・メディカルは、患者さんの健康を取り戻すため、臨床的に優れかつ画期的なソリューションの提供に重点を置く医療機器メーカーです。その製品の多くは、90カ国以上の国々で高く評価されており、市場でのリーダー的地位を占めています。米国・ジョージア州 アルファレッタをはじめ、メキシコ・フランス・ドイツ・チュニジアなどに拠点を持ち活動しています。

会社名:アバノス・メディカル・ジャパン・インク

日本代表者:Sameer Singla (サミール・シングラ)

設立:1993年10月(名称変更:2019年4月)

住所:〒220-8115 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー15階

URL:https://avanos.jp/

 

 

■医療関係者からのお問い合わせ先

アバノス・メディカル・ジャパン

TEL:045-682-5150

販売名:Coolief 疼痛管理用高周波システム

医療機器承認番号: 30400BZX00198000

製造販売元:アバノス・メディカル・ジャパン・インク

出典

1.    Coolief疼痛管理用高周波システム 電子化された添付文書

2.    津村 弘, “変形性膝関節症の管理に関するOARSI勧告OARSIによるエビデンスに基づくエキスパートコンセンサスガイドライン(日本整形外科学会変形性膝関節症診療ガイドライン策定委員会による適合化終了版),” 日本内科学会雑誌, vol. 106, no. 1, pp. 75–83, Jan. 2017.

3.    Tim Davis, et.al., Prospective, Multicenter, Randomized, Crossover Clinical Trial Comparing the Safety and Effectiveness of Cooled Radiofrequency Ablation With Corticosteroid Injection in the Management of Knee Pain From Osteoarthritis, Reg Anesth Pain Med. 2018 Jan;43(1):84-91.

4.    Tim Davis, et.al., Twelve-month analgesia and rescue, by cooled radiofrequency ablation treatment of osteoarthritic knee pain: results from a prospective, multicenter, randomized, cross-over trial, Reg Anesth Pain Med. 2019 Feb 16;rapm-2018-100051. doi: 10.1136/rapm-2018-100051.

5.    Corey Hunter, et.al., Cooled Radiofrequency Ablation Treatment of the Genicular Nerves in the Treatment of Osteoarthritic Knee Pain: 18- and 24-Month Results, Pain Pract. 2020 Mar;20(3):238-246. doi: 10.1111/papr.12844. Epub 2019 Nov 14.

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