ナイジェリア:女子生徒拉致から9年、北東部で子どもへの暴力・人権侵害続く【プレスリリース】

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12歳の時、ボコ・ハラムに拉致されたダダさんは、戦闘員からレイプされ13歳で娘を出産した。何とか逃げ出したダダさんはカメルーンの軍事キャンプにたどり着き、ボルノ州の避難所で2歳の娘と暮らしている。(ナイジェリア、2017年3月撮影) © UNICEF_UN12歳の時、ボコ・ハラムに拉致されたダダさんは、戦闘員からレイプされ13歳で娘を出産した。何とか逃げ出したダダさんはカメルーンの軍事キャンプにたどり着き、ボルノ州の避難所で2歳の娘と暮らしている。(ナイジェリア、2017年3月撮影) © UNICEF_UN

【2023年4月14日 アブジャ(ナイジェリア)発】

女子学生276人がナイジェリア・チボックの学生寮から真夜中に拉致されて以来9年が経過しましたが、96人の女の子がいまだに捕らわれたままであり、さらに何千人もの子どもたちが重大な権利侵害を受けています。

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2023年4月7日には、ザムファラ州のツァフェ地方行政区で80人の子どもが武装勢力に拉致されたと地元メディアが報じています。このことからも、ナイジェリアの子どもたちを守る緊急の行動が必要であることがわかります。

 

ユニセフ・ナイジェリア事務所のクリスティアン・ムンドゥアーテ代表は「チボックの女の子たちが拉致された恐ろしい事件から9年が経ちますが、悪夢は続いています。子どもたちは今も拉致され、強制的に徴兵・徴用され、殺害され、怪我を負わされ、未来を奪われています。ナイジェリアの子どもたちの苦しみを見て見ぬふりはできません。子どもたちが安全に成長し、教育を受け、持てる力を十分に発揮する機会を得られるよう、私たちは全力を尽くさなければなりません」と述べています。

 

2014年以来、ナイジェリア北東部では2,400件以上の重大な人権侵害が確認され、6,800人以上の子どもたちにその影響が及んでいます。最も多い侵害行為は武装集団による子どもの徴兵または徴用で、700件が確認されています。次いで子どもの拉致が693件、殺害と傷害で675件が確認されています。紛争が教育に与える影響は驚くべきものであり、何世代にもわたって及ぼす可能性があります。ナイジェリア教員認定評議会(TCN)の報告によると、2009年から2022年の間に、教員約2,295人が襲撃で死亡し、1万9,000人以上が避難し、1,500校以上の学校が治安悪化のために閉鎖され、910校が破壊されています。

 

ユニセフは、ナイジェリア政府が2022年、ユニセフ支援による(武力集団に関与している疑いのある子どもたちの)引渡し議定書に署名し、「安全な学校のための資金計画」に3億1,450万米ドルを投じると表明したことを歓迎します。また、武力紛争中に遭遇した、あるいは武装グループから解放されたすべての子どもたちが速やかに家族の元に戻り、社会復帰プログラムを利用できるように取り組んでいる同国政府の活動を支援する用意があります。

 

ユニセフ・ナイジェリア事務所はすべての紛争当事者に対し、国際人道法と国際人権法を順守し、子どもたちの権利とウェルビーイングを守るよう求めます。ユニセフ・ナイジェリア事務所は、この国のすべての子どもたちが自らの権利を享受し、平和で豊かな社会で暮らせるように、政府やパートナーと共に引き続き取り組んでいきます。

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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