横浜中華街「朝陽門石碑案内板」除幕式を実施します【横浜開港資料館】

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横浜開港資料館では、文化庁に認定された「横浜開港資料館における文化観光拠点計画」の一環として、横浜中華街発展会協同組合と協働して横浜中華街朝陽門脇に設置した石碑案内板について除幕式を実施します。

新たに設置した石碑案内板新たに設置した石碑案内板

 

  • 石碑案内板除幕式

日 時 令和5年4月25日 午前10時 ~ 11時

場 所 横浜市中区山下町79(横浜中華街朝陽門脇)

出席者 横浜中華街発展会協同組合 理事 石河陽一郎

横浜中華街発展会協同組合 理事 武松昭男

横浜開港資料館 副館長 青木祐介

横浜ユーラシア文化館 副館長 伊藤泉美
案内板仕様 【材質】ベース・脚部:白御影石材、案内板面:アルミ板
【寸法】722×1600×高1500mm
【設計施工】(株)アートプロデュース(横浜市中区)

除幕式会場案内図除幕式会場案内図

  • ​朝陽門・石碑案内板概要

左が現在の中華街大通り、右が開港道 1880年 横浜開港資料館所蔵左が現在の中華街大通り、右が開港道 1880年 横浜開港資料館所蔵

横浜中華街の東に位置するこの朝陽門は、東を守る青龍神を配し、青色を主体としています。日の出を迎える門として、朝日が中華街全体を覆い、繁栄をもたらすように朝陽門と命名されました。

横浜中華街朝陽門横浜中華街朝陽門

板面に使われている横浜開港資料館が所蔵する写真は、今から143年前、1880年(明治13)の様子です。当時にタイムスリップしてこの場所から中華街を眺めたならば、こうした光景が広がっています。中央の建物の位置には現在は交番があり、左の道が現在の中華街大通り、右の道が現在の開港道です。一見すると、中華街には思えませんが、中央の建物の右側には、「福泰両替所 EXCHANGE」「PHOTOGRAPHER 影相楼」「WA SING, SHOE MAKER」など、中国人が経営していた店の看板が見えます。当時、横浜にやってきた中国人の中には、日本人がまだその技術を身に着けていなかった、洋服や靴を作る職人、写真技師などもいたのです。この年、横浜外国人居留地(現山下町・山手町・日本大通)に暮らす中国人は2505人で、当時の外国人全体の64%を占めていました。

 

横浜中華街発展会協同組合と(公財)横浜市ふるさと歴史財団は、文化庁の補助事業「横浜開港資料館における文化観光拠点計画」として、横浜中華街の歴史を普及する事業を展開しております。その一つが、横浜中華街にある東西南北の牌楼の石碑案内板の改修・新設工事です。令和3年度には、朱雀門(南門)・玄武門(北門)・延平門(西門)について、それぞれの場所に関わる歴史写真を加えて、石碑案内板の板面をリニューアルし、この度、朝陽門にも石碑案内板を新設し、東西南北全ての門への石碑案内板整備が完結しました。東西南北の案内石碑板の古い中華街の写真に接し、この街が紡いできた長い歴史に思いをはせていただければ幸いです。また、上記の日時で石碑案内板の除幕式を実施しますのでぜひご取材いただければ幸いです。

 

  • 横浜中華街と横浜中華街発展会協同組合について 

東アジア最大級の中華街であり、年間2000万人以上の来街者がある人気観光地である横浜中華街は、1859年の横浜開港時に広東や上海などから中国人買弁(中国人商人や取引仲介者)や外国人外交官の雇い人などが来住し、横浜外国人居留地の一角(現在の山下町)に定住したことから始まります。

風水思想を取り入れて創られた横浜中華街には、500メートル四方のエリア内に、10基の牌楼(門)、関帝廟や媽祖廟の寺院、500店以上もの店舗があり、横浜を代表する観光地として全国的に認知されています。また、華人のコミュニティーから発展し、来街者の多くが華人である世界のチャイナタウンと比較して、来街者のほとんどが日本人観光客というのも横浜中華街の特徴です。

 

横浜中華街発展会協同組合(通称:中華街発展会)は、1971年に設立された横浜中華街の発展のために活動する協同組合です。街で円滑に商業活動するためのルールづくり・催事やイベントの運営など、横浜中華街に発展に寄与する活動を行っています。中華街発展会は、主に横浜中華街内で活動する飲食店や各種店舗、事業者、企業、またはその他団体を中心に構成されており、約400店舗が加盟しています。

 

商店街の組合としては国内有数の大きな組織で、2020年1月、次の10年に向けてのネクストブランドビジョンと、ビジョンを達成するための行動指針と2つの目標を掲げ、横浜中華街の発展と地域経済の活性化を目指して、中華の文化・伝統行事を中心に、閑散期の売り上げアップ支援、環境負荷低減、新型コロナ感染予防対策、治安維持など、様々な視点から街と地域経済活性に寄与する様々な活動を行っています。

 
※横浜中華街発展会協同組合ホームページhttps://www.chinatown.or.jp/

 

  • 横浜開港資料館 施設概要

近代建築としても人気の高い旧館(旧英国総領事館)と中庭に植わる横浜開港のシンボル玉楠の木近代建築としても人気の高い旧館(旧英国総領事館)と中庭に植わる横浜開港のシンボル玉楠の木

【名称】 横浜開港資料館

【所在】 横浜市中区日本大通3

【概要】 横浜開港資料館は、横浜開港百年を記念して実施された「横浜市史」編纂事業の資料を基礎に、昭和56年(1981)6月2日の開港記念日に開館しました。この地は安政元年(1854)の日米和親条約締結の地であり、また、旧館は旧イギリス総領事館(横浜市指定文化財)です。19世紀半ばの開港期から関東大震災に至る時期を中心とした資料を収集・保管、整理し、調査研究を行い、その成果を常設展や企画展で紹介するとともに、閲覧室で公開しています。横浜開港資料館は資料を通じて横浜の歩みを次の世代に伝える「近代横浜の記憶装置」としての役割を果たしている施設です。

【所蔵資料】 幕末から昭和初期までの、横浜に関する歴史資料約27万点を収蔵し、近代横浜の政治・経済・文化など幅広い分野の資料、古文書・海外資料・新聞・雑誌・図書・写真など様々取り揃えています。

 【管理運営】 公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団

ハイネ画「ペリー横浜上陸図」 (横浜開港資料館所蔵)ハイネ画「ペリー横浜上陸図」 (横浜開港資料館所蔵)

  • 文化庁認定「横浜開港資料館における文化観光拠点計画」について

横浜開港資料館では、「横浜開港資料館における文化観光拠点計画」に基づく事業を展開しています。この計画は、文化の振興を、観光の振興と地域の活性化につなげ、これによる経済効果が文化の振興に再投資される好循環を創出することを目的として、令和2年に施行されたいわゆる「文化観光推進法」※に基づき、文化観光拠点施設を中心に、文化についての理解を深める機会の拡大と国内外からの観光客の来訪を促進させ、文化・観光の振興、地域の活性化の好循環を全国各地で創出するため、文化庁が認定している計画です。

横浜開港資料館は「横浜開港」の歴史を中心に文化振興を観光と地域活性化に結び付ける拠点となることを、共同申請者である山下公園通り・元町・横浜中華街の各団体とともに目指しています

※「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律」

※文化観光推進法に基づき認定した拠点計画及び地域計画

 文化庁ウェブサイト:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/bunkakanko/92441401.html

 

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