ETIC.、J.P.モルガンの支援により「公正な移行(Just Transition)」を具現化するための 先進事例を中小企業から創出する事業開発プロジェクトを開始。

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特定非営利活動法人ETIC.(以下、「エティック」、東京都渋谷区)はJ.P.モルガンからの支援を受け、中小企業を対象に地域の公正な移行(Just Transition)の具現化に向けて事業開発を推進するためのプログラム「ジャストラ!」を立ち上げたことをお知らせ致します。

「ジャストラ!」WEBサイト https://justra.etic.or.jp/

今回、エティックが立ち上げたプログラム「ジャストラ」は、地域産業をけん引する中小企業を対象に、地域社会における公正な移行の実現にむけて、さまざまなステークホルダーとの連携を促進し、サスティナブルな事業創出に向けて、ビジネスプランの策定・支援を目指すものです。

パリ協定採択以降、気候変動対策、脱炭素社会の実現に向けて事業構造の転換や変化が求められています。本プログラムにおける公正な移行 (Just Transition)とは「社会経済がグリーンな方向にシフトするなかで、誰一人取り残さない形で公正に移行していく」ことを意味しています。プログラムを通して地域社会が脱炭素に向かう中で”公正な移行”を前面に出す事業開発を推進します。

なお、本プログラムにおいては、J.P.モルガンがグラントを提供し、エティックが2年間にわたりプログラム全体の運営・推進を担います。2023年2月に事業者の公募を開始し、2年かけて公正な移行に向けたビジョンづくり、事業構想の作成・具体化を行っていく予定です。
 

  • 背景

パリ協定採択以降、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて脱炭素への動きが加速しています。国際労働機関(ILO)では、公正な移行原則として「環境面から見て持続可能な経済とすべての人のための社会に向かう公正な移行を達成するためのガイドライン」を策定し、化石燃料からの移行に伴う社会的・経済的な機会と課題に対処するための包括的ビジョンや指導原則を公表しています。今後マーケットが急速に変化されることが予想され、EU諸国やオーストラリア、カナダ・米国などでは公正な移行を目指した計画策定や資金調達、職業訓練の機会提供などが進められています。

日本においては、カーボンニュートラルへの積極的な取り組みが促進されているなかで、豪雨などの異常気象により農業や林業など一次産業においても毎年深刻な被害が発生しています。水産業においても藻場の喪失なども相まって水揚げ量は減少しています。農山漁村地域を多く抱える日本において、自然環境の変化による影響は地域経済や産業を揺るがすほどの影響を与え、地域経済の持続性が危ぶまれています。
 

  • 本プログラムの概要

本プログラムでは、地域産業を牽引する中小企業を対象に地域の公正な移行に向けた事業開発を推進するための機会を提供します。プログラムの中では、電力自給率700%を超えるデンマーク・ロラン島を訪問などを予定しており、日本のみならず、海外における公正な移行に係る事例やそのプロセスを学ぶ機会を提供します。また参加企業の地域を訪問することで、互いに地域の事業開発を壁打ちし、練り上げていく機会も検討しています。最終的には、本プログラムを通じて構想されたビジネスプランやビジョンを成果発信することで、日本全国に公正な移行を進めていく予定です。
 

  • 本プログラムの詳細

・プロジェクト名:ジャストラ!
・概要:脱炭素・環境配慮型のビジネスへの転換の際に、関わる全ての利害関係者にネガティブな影響・不利益を及ぼさないよう配慮して事業を行うことで、地域の持続可能性を高めることを目指す中小企業・団体を支援するプログラム
・事業期間:2023年4月~2024年9月末(約1年半を予定)
・事業スケジュール:
  公募:2023年2月16日から1か月程度を予定
・詳細:https://justra.etic.or.jp
 

  • 環境省からのコメント

2050年カーボンニュートラル、そして持続可能な社会への転換に向けては、地下資源から地上資源への転換、人口減少をはじめとした地域の抱える様々な課題に目を向け、社会・経済システムをドラスティックに見直す必要があります。持続可能な社会は、各地の地域単位から変革が起こり、その動きが世界に広がることで達成されると考えられています。また、地域では非常に多くの分野、組織が変革を求められることになります。「ジャストラ!」は、地域に着目し、分野や組織を超えていくアプローチであり、包括的で最先端の取り組みと言えます。「ジャストラ!」から、多くのトップランナーが生まれることを期待しています。
環境省 地域政策課 地域循環共生圏推進室長 / 総合政策課 民間活動支援室長 佐々木 真二郎氏
 

  • J.P.モルガントップからのコメント

経済活動が気候変動に影響を与えていることがわかって来た昨今、脱炭素の取組が必須であるという認識も社会で広まりました。
多くの場合急激な社会の変化には摩擦が生じ、それにより影響を受ける方々の声が響きにくくなります。都心から離れ選択肢が少ない地方地域、自然災害の影響が大きい産業、それら地域、産業の中にいる人々が、脱炭素の産業転換に積極的に向き合い“公正な移行”に取り組むことでビジネスを広げ地域経済に貢献する本プログラムに協賛できることを光栄に思います。参加企業の方々が公正な移行を実現し、日本のジャストトランジションをリードしてくださることに期待します。
J.P.モルガン シニア・カントリー・オフィサー 李家輝氏
 

  • 事業運営者紹介

 特定非営利活動法人エティックについて
1993年設立、2000年にNPO法人化し、人口減少、経済縮小、超高齢化社会における都市と地方の関係や、日本や世界の未来を考え、実践し、支え合い、学びを共有し、また次の未来を描く、未来をつくる人たちのコミュニティづくりの活動を推進しています。日本初の長期実践型インターンシップの事業化や若手社会起業家への創業支援を通じこれまで約1万2千名を超える若者たちが変革・創造の現場に実践者として参加、1,900名を超える起業家を輩出。またその仕組みを全国30地域の連携組織へ広げています。東日本大震災を受け、「震災復興リーダー支援プロジェクト」を開始(11年~)するとともに、東北のリーダーを支えるための「右腕プログラム」を立ち上げ、これまでに 154 のプロジェクトに対して、262 名の右腕人材を派遣しています。また、2016年には岡山県西粟倉村をはじめとする10地域が広域連携したローカルベンチャー協議会を発足。各地域における事業開発や起業家支援をサポートし、274件の新規事業と400人のマッチング、50億を超える売上を達成しています。詳細はウェブサイト www.etic.or.jp をご覧下さい。
 
JP モルガン・チェースについて
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー (NY証取: JPM) は総資産3.7兆ドルを有する世界有数のグローバル総合金融サービス会社です。投資銀行業務、個人・中小企業向け金融サービス業務、コマーシャル・バンキング業務、金融取引資金管理業務、資産運用業務において業界をリードしています。世界で展開する法人向け事業は「J.P.モルガン」、米国における個人向け事業は「チェース」ブランドを用いて、世界有数の事業法人、機関投資家、政府系機関および米国の個人のお客様に金融サービスを提供しています。詳細はウェブサイト http://www.jpmorganchase.com/ をご覧下さい。

日本におけるJ.P.モルガンについて
日本におけるJ.P.モルガンの歴史は、関東大震災の翌年に日本政府が初めて発行した震災復興公債を引き受 けた1924年に遡ります。日本においては、JPモルガン証券株式会社、JPモルガン・チェース銀行東京支店、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が事業を展開しています。投資銀行、債券・株式・為替取引、資金決済・貿易金融、資産管理の媒介、資産運用など幅広いサービスを法人のお客様に提供しています。詳細はウェブサイト www.jpmorgan.co.jp をご覧下さい。

J.P. モルガンの社会貢献活動について
J.P.モルガンは、グローバルに広がるネットワーク、人材、リソースを活用して地域および世界でインクルーシブな経済成長を実現することをミッションとしています。また、世界各国が直面している社会の課題には、政府だけでなく、企業や非営利団体等が一丸となって解決の一端を担うべきという考え方をベースに企業責任(CR)活動を展開しています。同時に、社員もそうした社会課題を理解し、専門力を活かしたプロボノやボランティア活動に積極的に参加しています。日本では、若年無業者や女性に対する就労支援、起業家やスモールビジネスへの支援、金融リテラシーの向上につながる取り組み、地域コミュニティの活性化、の4つの分野に注力しています。また、東日本大震災の被災地復興支援にも継続して取り組んでいます。
 

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